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夢に救われた少女【MY STORY#1】

あのカーテンコールを見た瞬間
私の毎日に光が灯し出しました。

小学5年生の夕方、
下校しようと下駄箱に行くと
そこにあるはずの靴がなくなっていることから
そのいじめは始まりました。

次は上履き、次は体操服、次はリコーダー…。
次々と私の持ち物が姿を消し
その度に、先生や友達が探してくれました。

物がなくなる頻度が上がっていくと
探してくれる友達に対して

「みんなの時間を奪って申し訳ない」
という気持ちと

「この中に、探しているふりをして
本当は私を嫌っている誰かがいる」

そんな思いで、物がなくなっても
誰にも言えなくなっていきました。

「誰も信じられない」
「楽しい事なんて何もない」
「生きていく意味がわからない」


そんな時、母に連れられて観に言った
劇団四季のミュージカル。

出演者の息遣いまで聞こえる最前列で感じたあの熱狂は
今でも鮮明に覚えています。

歌声やダンスの素晴らしさはもちろんのこと
舞台から放たれる波動が私の心臓に刺さり
全身が熱くなるのを感じました。

そして
どっと沸きあがるようなスタンディングオベーションの中
出演者の流れる汗と
充実感溢れる瞳の輝きを見た時

「私もあの世界に行きたい。」

そう思った私は、
この日から

夢の為に生きる!

そう決めました。

一目ぼれしたその世界に
“生きる意味”を与えられたのです。


結局、中学3年生の夏まで陰湿ないじめは続きましたが
あのカーテンコールを見た時から
それまでの暗い毎日が嘘かのように
皆勤賞、生徒会、部長など
学校生活をイキイキと過ごすことが出来ました。

もちろん、学校から電話がかかってくるたびに
泣いている母を見るのは辛かったし
町内のおまわりさんが
いつも私の周りを見回りしてくれていることに
気づかないふりをするのは
正直疲れました。

ただ、
「私には夢がある」
そう思うことで、
不思議と私らしくいられることが出来たのです。

私にとっての夢は“救い”でした。
追いかけることで生きることが出来ました。

だからこそ、夢を追いかけることは、
私にとって“恩返し”でした。

そしてその思いは、今もなお続いていまが
夢の形は、変わり続けます。


この続きは、MY STORY#2へ。

読んでいただき、ありがとうございました。

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