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声楽家と名乗る件

実は誰でも声楽家だと名乗れます。
私たちは自己申告なんです。

私の場合でいえば、
音楽大学を音楽学部声楽科ソプラノ専攻で卒業し、
「音楽学士」となりました。
別に歌の専門家であるとは書かれてていません。

声楽家という認定証も資格もないのです。

日本には公立歌劇場がないので、公務員的に歌うことはできません。

もっと言えば、音楽大学を卒業している必要もないし、
大学も卒業している必要はありません。

大学生の時、
「君たちは卒業したらプロになるんだから・・・」
と教授たちからいわれ、
「そうなんだ」と思っていた。

確かにそうだけれど、ここからが問題なのに。

私が学生の頃の母校は、1学年1000人程度で内1/4が声楽科だった。
これが各大学で、毎年卒業していくわけです。
まあ、今はこの頃の6〜7割程度に規模が小さくなったようだけれど。

もちろん自己申告とは言え、全員が声楽家を名乗るわけではないけれど。

さて、コロナ禍でのこと。
私は、自己申告のみの声楽家だった場合、
もし、何かでテレビなどで名前と職業が出るようなことになったとき、
職業に「自称」が付くらしいことに気づいた。

国的に、あるいは法的に?
歌を仕事にしていると認められる物がないのである。
社会的に認められていたとしても、人気があったとしても。
どんなに上手でも。

チェックポイントとしては、
まず、確定申告をしているか。
次に、個人事業主か=青色申告をしているか。
まあ、どこかの社員のような場合は別として、
ここが、大切な所だ。

これがあって初めて、書類が残っていることになるので、
仕事をしていると証明できるようなのだ。

当たり前なのだろうが、
こんなことは、大学の教授は言っていなかった。

そしてこの時、公的機関のようなところが、
いわゆる声楽家や音楽・舞台関係者が
これまでどのように仕事をしていたか、
どんなタイプの仕様で仕事をしているか、
が調査されたように思えるのだ。
それで、助成金の制度が手直しされていたように思えた。

音楽家なんて、声楽家なんて、
怪しい職業?
そう、昭和の頃はそうだったかも知れないけれど、
きちんと社会の中で認められた立ち位置を作らないと、
アマチュアともボランティアとも違いが曖昧になる。
悲しい気持ちを体験しなきゃならないのは、
自分たちなのだ。

改めて、ここからがとても大事な時期だとも言えるのではないか。

では、質問です。
あなたは自分を「声楽家です」と、名乗りますか?





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