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質問紙調査をする方法を学部生向けに簡単にまとめてみた(雑談回)

はじめに
こんにちは。飯島尚憲です。今回は、僕が以前に作ったプリントを編集して書いてみました。学部生を対象にしているので、そこまでクオリティの高いものではないし、読んでいてざっくりとしたものです。不足している情報についてはいずれ、どこかで語っていければ良いなあと思っています。タイトルは「アンケート分析・統計を使った研究ガイド」です。

はじめに

アンケート分析・統計を使った研究ガイド

導入:
アンケートは、個人やグループの意見、態度、行動についてのデータを収集し、洞察を得るために、様々な研究分野で広く利用されています。アンケートデータの分析には、結果の信頼性と妥当性を確保するためにいくつかの重要なステップが含まれています。本ガイドでは、アンケート分析の体系的なアプローチについて探求し、キーとなる技術と考慮事項を強調し、具体的な例を提供します。

ここで「信頼性」と「妥当性」と軽く書きましたが、両者は名前が似ているようで、非なるものです。詳細は後ほど扱います。

雑談

ステップ1:データの準備

分析に入る前に、アンケートデータをきれいに整理して準備することが重要です。これには、欠損値、外れ値、矛盾をチェックすることが含まれます。必要な場合は、代入や不完全または信頼性の低い回答の削除など、データのクリーニング手法を適用する必要があります。さらに、変数を適切にコード化して、さらなる分析に活用する必要があります。

顧客満足度に関するアンケートを考えてみましょう。その中の1つの質問では、回答者に1から5のスケールで満足度を評価してもらうといったことが考えられます。データを収集した後、この変数にいくつかの欠損値があることに気付くこともあるでしょう。この問題に対処するために、平均満足度の評価値を代入するか、不完全な回答を削除するかを選択できます。

具体例 データの準備

ステップ2:記述統計分析

記述統計は、アンケートデータの全体的な特徴を要約するものです。中央傾向、変動性、変数の分布を要約することで、研究者はデータについての初期の洞察を得ることができます。

従業員のストレスレベルを測定するためのアンケートを考えます。ストレスのスコアの平均値、中央値、標準偏差を計算することで、回答者の平均のストレスレベルとその変動性を理解することができます。

具体例 記述統計分析

ステップ3:信頼性分析

信頼性分析は、アンケート項目やスケールの一貫性と内部信頼性を評価するものです。構成内の項目が同じ基盤となる概念を信頼性良く測定しているかどうかを判断するのに役立ちます。

職場の満足度に関連するいくつかの質問が含まれるアンケートがあると想像してみましょう。これらの項目の内部一貫性を評価するために、クロンバッハのアルファなどの信頼性分析を行うことができます。高いクロンバッハのアルファ値(例えば0.7以上)は、良好な信頼性を示します。

具体例 信頼性分析

ステップ4:因子分析

因子分析は、アンケート項目群内の潜在的な次元や因子を特定するための統計的手法です。関連する変数をまとめることで、データの複雑さを軽減する役割を果たします。

学生の関与度を測定するためのアンケートがあり、動機づけ、参加度、相互作用に関連する複数の項目が含まれているとします。因子分析を行うことで、これらの項目が異なる学生の関与の側面を示す異なる因子にロードされるかどうかを特定することができます。

具体例 因子分析

ステップ5:仮説検定

仮説検定は、特定の研究仮説や変数間の関係をテストする際に重要なステップです。データの性質や研究目的に応じて、様々な統計的検定を用いることができます。

年齢と技術導入の関係を調査したいとします。相関分析を用いて、年齢と回答者の技術導入レベルとの間に有意な関連があるかどうかを検証することができます。

具体例 仮設検定

ステップ6:回帰分析

回帰分析は、従属変数と独立変数の関係を理解するのに役立ちます。1つ以上の予測変数に基づいて、特定の結果変数の変動を予測または説明することができます。

顧客満足度の影響要因を調査するアンケートを考えてみましょう。回帰分析を行うことで、顧客満足度、サービス品質、価格などの変数が顧客ロイヤリティを有意に予測するかどうかを特定することができます。

具体例 回帰分析

ステップ7:グループ比較

アンケートでは、グループやサブグループの回答を比較し、その応答の違いや類似点を特定することがよくあります。データのタイプや研究の問いに応じて、t検定、分散分析、カイ二乗検定など、様々な統計的検定を用いることができます。

リーダーシップの好みにおける性別の違いを探索するアンケートがあるとします。男性と女性の回答者のリーダーシップスタイルの好みの平均スコアを比較するために、t検定を使用して統計的に有意な違いがあるかどうかを判断することができます。

具体例 グループ比較

ステップ8:データの可視化


これができないと、論文にデータをかけないことになりますね。可視化技術は、アンケートデータの分析において重要な役割を果たします。グラフ、チャート、図表を用いることで、データ内のパターン、関係、トレンドを明確かつ簡潔に表示することができます。

顧客満足度のアンケートにおいて、異なるサービス属性の平均評価を比較するための棒グラフを作成することで、改善が必要な領域を効果的に示すことができます。

具体例 データの可視化

最後に

アンケートの分析には、データの準備、記述統計分析、信頼性分析、因子分析、仮説検定、回帰分析、グループ比較、データの可視化といったさまざまなアプローチが必要です。各ステップはデータの包括的な理解を提供し、研究者が有意義な結論と洞察を得ることを可能にします。本ガイドに従い、適切な統計的手法を用いることで、アンケートデータの分析を効果的に行うことができます(詳細は後の記事で)。

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