第721回「今日のベトナムニュース解説」コーヒーに国境なし 海外から注目されるベトナムのコーヒー事情
本日の記事:
「コーヒーに国境はない」
Title:
" Coffee knows no borders "
記事リンク:https://english.thesaigontimes.vn/coffee-knows-no-borders/
【本日のポイント】
(1)ベトナム原産のコーヒー豆とイタリアのコーヒーノウハウを使った人気店が特集されています
(2)イタリアと台湾で10年以上、コーヒーの専門家として勤務したメリトさんは「消費地とコーヒー豆原産地の距離の近さ」からベトナムを自分の店舗を構える地として選択
(3)今後、コーヒーの消費量がますます増えることが見込まれるベトナムは世界中から「コーヒーの消費と生産の地」として注目されていくことでしょう
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【解説】
アジアゲートベトナム代表の豊田です。
さて、今日の記事について。
私、四半世紀以上前ですが、大学時代にゴッドファーザーの映画に憧れて冬休みかなんかにイタリアのシシリー島にちょっと長めに滞在してたことがありまして。
今思えばバブル弾けた直後とはいえ、まだまだ日本円が強かったから成し得たことですね。
で、その時、地元のコーヒーショップ(イタリアでは、コーヒーを提供するお店のことをカフェとは言わず「BAR(バール)」と呼びます)のおじさんとすっかり仲良くなって毎朝通ってました。
で、驚いたのが、イタリア人て、午前中ってバールで仕事してるんじゃないか、っていうくらい、むちゃくちゃ人がいるんですよね。
なので、ベトナムに来て、朝からカフェに人がたくさんいるのを見て「おお、イタリアみたいだ」と思いました。
で、コーヒーのお店のスタイルも日本と違っていて、今では日本でもそういうのがあるのかもしれませんが、イタリアのバールは大体「立ち飲み」スタイルでして。
のんびり新聞読みながら飲むっていうより、栄養ドリンクみたいにエスプレッソを「グビッ」と飲んで、「よっしゃ、行くぞ!」みたいな感じのお客さんが多かったですね。
実際、日本へ帰国してから、もう一回イタリア行ってバールで修行して日本で開業しようかな、と一瞬思ったこともあったので、今日の記事のイタリア人、ダニエレ・メリトさんのお話は非常に興味深かったです。
ローマ出身の彼は、3年前からホーチミン市に拠点を置き、ベトナムコーヒーの知識と理解を深め、新会社「ムロ(MULO )コーヒー」でコーヒーの開発に取り組んでいるそうです。
住所見ると7区にあるからフーミンフンエリアがあるから、まぁ、高級住宅街もあり、外国人もそれなりに多いので、立地としてはいいんですかね。
ベトナムのコーヒー豆の原産地、というと必ず名前が出てくるDaklak、Cau Dat,、Lam Dongといった中央高地から仕入れたベトナム産の豆に、彼のイタリアでの経験を反映させてオリジナルブレンドのコーヒーを完成させている、とのことです。
いーですねー。
このメリトさん、元々はローマの有名コーヒーショップで腕を磨いたコーヒーエキスパートだそうで、ローマで最も有名なコーヒーショップ「La Casa Del Caffe Tazza D'Oro」で働きながら、コーヒーに関するスキルとプロ意識を高めていきました。"
La Casa Del Caffe Tazza D'Oroにご興味ある方は実際に行かれた方のこちらのブログをどうぞ。
すごい有名店みたいですねー。
「世界で最も有名なイタリアのエスプレッソ」だそうです。
で、この店で10年働いた後、今度は台湾の高級イタリアンレストランチェーン、イルメルカートでコーヒーオペレーションを担当することになったそうです。
へー、一流店ともなるとコーヒー専門の担当がいるんですね。
台湾で3年間過ごした後、彼が自分の会社を立ち上げる場所として選んだのはベトナムでした。
理由を聞くと「消費地と産地と近い」というのが決め手だったそうです。
メリトさん曰く、
「ホーチミン市は中央高原のコーヒー産地に近いので、コーヒー農家と連絡を取りやすく、彼らがどのように豆を育てているかを理解し、品質管理基準を確保するために彼らと一緒に働くことができるのです。
また、コーヒー豆が必要な場合は、すぐに輸送してもらうことができます。
これが、鮮度の維持と私のビジネス展開に役立っているのは確かです。」
なるほどー。確かにベトナムはコーヒー豆の産地でもあり、大消費地でもあるホーチミンやハノイもありますから、そういう点では理想的な場所ですね。
ちなみに店名の「Mulo(ムロ)」とは、雄の馬と雌のロバから生まれたハイブリッド動物で、南米のコーヒー農園では、このムロが労働力として運搬作業などでよく使われているそうで、
「ムロは頑丈で、強い意志を持ち、重い荷物を持って長い距離を走ることができる動物です。それで、ハイブリッドで強く、決断力があることを表現するために、この名前を選びました。」
だそうです。
すでに店舗販売だけでなく南アフリカ、マレーシア、韓国、台湾、日本、中国などへの輸出を行い、今後、ホーチミン市、ハノイ、米国のシアトルに数店舗の開発計画があるそうです。
Made in VietnamでProduced by Italia なこのコーヒーが世界中で有名になるといいですね。
以上 豊田英司
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