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セキュリティ技術者だけでは不十分? 車載セキュリティ開発におけるコーディネーターの重要性と役割について考えてみた

車載セキュリティ分野において、セキュリティを確保するためには、セキュリティ技術者だけではなくセキュリティコーディネーターの存在が不可欠です。セキュリティコーディネーターは、セキュリティに関するリスクを特定し、評価し、管理することに焦点を当てます。彼らは、セキュリティに関する戦略的な意思決定を下す上で必要なリソースやアドバイスを提供する役割を担います。

セキュリティコーディネーターは、説明責任(アカウンタビリティ)を持つことも重要です。説明責任とは、決定や行動に責任を負い、その根拠や理由を説明することです。セキュリティコーディネーターは、セキュリティに関するリスクや対策を上層部や関係者に説明することで、組織内でのセキュリティ意識を高めることができます。また、セキュリティコーディネーターは、セキュリティに関する問題が発生した場合、速やかに報告することで、問題の早期発見・解決につながります。

その他にも、セキュリティ技術者や開発者と協力して、車載システムにおけるセキュリティに関する課題を特定し、解決することが求められます。車載システムには、エンジン、ネットワーク、車輪、ブレーキ、エアバッグなどの様々なコンポーネントがあります。これらのコンポーネントには、ハッキングや攻撃によって危険が及ぶ可能性があります。セキュリティコーディネーターは、車載システムの各コンポーネントについてリスクを評価し、リスクに対する対策を策定することが求められます。
例えば、エンジンの脆弱性については、エンジンメーカーと協議して脆弱性に関する情報を共有することが考えられます。タイヤの脆弱性については、自動車メーカーと連携して対応策を検討する必要があります。ブレーキに関しては、サプライヤーとの協調が必要になります。エアバッグに関しては、エアバッグメーカーの製品だけでなく、他の自動車部品との連携も検討すべきでしょう。このように、各コンポーネントのリスクを評価することは、セキュリティの向上につながるのです。

セキュリティコーディネーターは、セキュリティエンジニアと共同で脆弱性の特定からテストまで行うこともあれば、セキュリティエンジニア単独で行う場合もあります。セキュリティコーディネーターの役割は、セキュリティ技術者とともに問題点を調査して改善案を考え出すことであり、セキュリティエンジニアのサポート役だと思っています。セキュリティコーディネーターがいるかいないかで、セキュリティのレベルは大きく変わるので、セキュリティ技術者として独り立ちするためには、セキュリティコーディネーターとしての役割を全うするだけの能力を身につける必要があると考えています。

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