見出し画像

サステナビリティ/SDGsの社内浸透させるポイントとは

サステナビリティやSDGsの社内浸透、普及活動は、会社の存続をかけた重要ミッションの一つです。サステナビリティやSDGsと言われても、どういう課題があって、それを自社の商品サービスがどう解決し、それによってどんな価値が生まれ、自分たちにとってどんな意味を持つのか、という一連のストーリーを理解するのはかなり難しいし、言語化して伝える必要があります。情報だけを提供しても浸透はしないので、サステナビリティやSDGsという共通言語で会話できる従業員を増やすためには、共通言語を作ることが重要と考えています(個人によってイメージの異なるものを伝えてはいけない)。サステナビリティやSDGsの課題に対して、“無関心な人”はいても“無関係な人”はいないので、どこまで伝えられるかで意識が変わってきます。社内浸透は前提として、企業の最も重要な資産であり、従業員全員にサステナビリティやSDGsへの理解や共感を促し、行動を促すことで事業への浸透を図り、新たな価値を生み出す活動(価値創造)に繋がると考えています。つまり、社内浸透は一つの手段であり、その目的を明確にしなければなりません。

また、単に社内浸透するだけでは不十分で、社内定着させることが必要です。そのために、経営者と社員とのコミュニケーションを増やしたり、 経営理念を従業員に浸透させていくことも必要になります。

■社内浸透を成功させる4つのポイント

1、経営理念を全従業員に伝える
2、経営ビジョンを全従業員に伝える
3、価値観・文化を共有する
4、社内イベントを通じて、組織内のコミュニケーションを深める

■経営理念とは? 企業の理念のことです。

この経営理念があるからこそ、企業には様々な特徴があり、差別化につながるのです。

たとえば、トヨタでは創業以来、一貫して生産工程の改善に取り組んでいます。これはなぜでしょうか? それは、創業者である豊田喜一郎氏が、自動車のエンジン製造工程において、生産性の向上によるコストダウンを実現しようとしたことに遡ります。

この理念が今も生き続け、トヨタ自動車の経営を支えているのです。経営理念を伝えることは、企業の存在理由をわかりやすく伝え、共有することです。経営理念は会社の顔であり、社長をはじめ経営陣にとっても、最も大切なことなのです。

ただし、経営理念は抽象的でわかりにくいことが多いため、全従業員に浸透させるのは難しいでしょう。そのため、まずは経営理念を社外に発信して、広く認知してもらうことが重要です。そして、その後、社内に広めていくわけですが、その際、経営理念を理解してもらうために、いくつかの工夫をするべきです。

例えば、以下のようにしてみましょう。

1:経営理念の解説動画を作る 

【例】経営理念とは何か? 経営理念解説動画や経営者自らが説明したほうがわかりやすいし、伝わりやすいと思います。経営理念は会社の顔であり、社長の思いが最も詰まっている部分だからです。しかし、経営理念は抽象的な言葉が多く、それを理解してもらうためには、経営者自身が経営理念について語る必要があります。それが難しい場合は、経営理念を解説する映像を作ってみてもよいかもしれません。たとえば、以下のような感じです。

2:社長ブログを開設する

【例】社長が考える経営理念 -->ブログ記事を読む

これなら誰でも気軽に読むことができますね。社長の人柄や考えを知ることができるし、何より親しみを感じてもらえるはずです。

■経営ビジョンとは? 

企業のあるべき姿、進むべき方向を示すことです。トヨタでは、創業以来、一貫して生産工程の改善に取り組み、効率を高めてきました。その結果、利益率が向上し、世界トップクラスの自動車会社になったのです。

経営理念と同様に、経営ビジョンも従業員一人ひとりに伝えなければなりません。

ただし、経営理念と違って、経営ビジョンは従業員全員に理解してもらう必要があるので、できるだけわかりやすく伝える必要があります。

そこで、以下の図式を使って説明するとよいでしょう。

【例】トヨタの目指す方向性(経営ビジョン)

わかりやすいですね! 企業戦略などもこのように示せばよいのです。

たとえば、ソニーであれば、"世界最高のオーディオ機器をつくる"という経営方針があります。これは、社員全員が同じ方向を向いて仕事を進める上で、とても重要なことです。

また、アップルコンピュータ(現Apple)は、スティーブ・ジョブズ氏の"世界を驚かせる製品をつくろう"という理念から、iPhoneやiPadなどを生み出したのです。

ソニーが買収した米映画会社ピクサーもまた、ディズニー映画『トイストーリー』のようなファミリー向けアニメーション映画のつくり方を研究し、大ヒットを生み出しています。

こうした事例からもわかるように、経営理念と同じく、経営ビジョンも従業員一人ひとりに伝えるべきなのです。

■価値観・文化を共有するとは? 

価値観や文化を共有するとは、社内で共有している価値観や文化を共有することです。

価値観とは、その人にとって大切だと思うもののことです。たとえば、"朝起きたら顔を洗う""朝食を食べる前にコーヒーを飲む"といった習慣のことですね。

文化とは、その人が大切に思っているものです。たとえば、"残業はしない"とか、"週休二日制にする"とかいった考え方のことです。

企業によっては、このような価値観や文化を徹底的に押しつけてくるところがあります。たとえば、日本コカ・コーラは、自社製品を飲まない人を雇わないほどです。

そのため、ある意味、洗脳に近い状態になります。

こうした企業は、社内に多様性がなく、従業員のモチベーションが下がってしまうのです。

経営理念と同じように、従業員に価値観や文化をわかりやすく伝えないといけません。そのために、経営者が率先して行動することが大切なのです。

■社内イベントを通じて、組織内のコミュニケーションを深めるとは?

社内イベントを開催する目的は、社内コミュニケーションを深めるためです。特に、経営者が率先して行う社内イベントは、組織の結束を高める効果があります。

例えば、社長がバーベキュー大会を開くとしましょう。すると、社員は、普段あまり話さない人と話す機会ができますよね。その結果、普段は仲が悪い上司とも打ち解けることができるのです。さらに、社長がゴルフコンペを開催すれば、普段はなかなか会えないような人とも会うことができます。

このように、社内イベントには、従業員同士の交流を深める効果もあるのです。また、職場環境を明るくすることで、社員の士気が高まります。たとえば、毎年恒例の社員旅行を企画する会社は多いですよね。

でも、もし、社員旅行に行くことが苦痛な人はどうすればよいでしょうか? おそらく、行きたくない理由があるはずです。たとえば、会社のお金を使うのがいやだとか、上司との人間関係がうまくいかないとか…………。

そんなときは、社外のイベントに参加するのがよいかもしれません。たとえば、親睦を兼ねて社員同士でテニスをするのもよいでしょう。あるいは、バーベキュー大会を開いてもよいと思います。社内イベントによって、従業員同士が仲良くなるのはもちろん、社長と従業員の垣根が低くなります。そうすると、従業員が本音で話しやすくなるのです。


総括:戦略と戦術を結びつけること

以上、簡単ではありますが、社内浸透を成功させる4つのポイントを紹介いたしました。このポイントさえ押さえれば、会社は確実に変わるのでは、と考えています。

成功するための秘訣は、まず最初に"誰に対して"戦略を立てること。そして、戦略を実現するために"何をするか"を明確にすること。

つまり、戦略と戦術を結びつけることです。

戦略なき経営は、単なる絵空事であり、実現できません。

逆に、戦略と戦術がしっかりしている企業は、必ず成功するのです。

この記事が参加している募集

SDGsへの向き合い方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?