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vol.542「あなたの会社の社員は、『事業・サービスへの誇り』を持っていますか?」



『新プロジェクトX』がはじまりました

今月から始まった新プロジェクトX。1週間遅れで視聴しました。皆さんはご覧になられましたか?

第1回はスカイツリー建設の物語。登場したのは鋼管を組み上げた2人の鳶職人と、その鋼管を作った定年間際のプレス職人。テーマソング『地上の星』の通り、誰も観ていないところで頑張った人々にスポットライトが当たるのが、この番組のウリ。

特に私が感動したのは、15歳で鳶職になった人の話。彼が鳶職を選んだのは、両親が離婚して家にお金がなく、給料の良い仕事がしたかったからでした。そんな彼は、入社以来仕事を覚えようと、先輩に教わったことを必死にノートに書いていました。ある時、社長がそのノートを見つけます。そして、パラパラと目を通すと「よく頑張ってるなぁ」と褒めてくれました。すると、翌月から給料が上がったといいます。

彼は、後に『伝説の鳶』と言われるまでに成長。スカイツリー建設現場のリーダーとなりました。その人が、番組の最後で司会者から「スカイツリーが誇りになりましたか?」と問われ、「誇りになりました」と答えました。続けて「『自分は鳶職人です』と、胸を張って言えるようになりました」と語りました。

誇りと劣等感

実は番組の途中で「恋人の親に結婚の申込に行くと、『鳶なんかに娘はやらない』と言われた」というエピソードが紹介されました。「鳶職人=危険な仕事。万が一の時、娘が辛い思いをする」というイメージが、親御さんにはあったのです。そんな世間の偏見が、彼の劣等感になっていました。それを、スカイツリーという難工事を無事完遂することで、克服できたのです。

彼の言葉に、仕事への誇りが人を劣等感から救うのだと感じました。私がこの番組での「誇り」という言葉に反応したのは、仕事でよくこの言葉と向き合うからです。

エンゲージメント調査の課題

最近は、エンゲージメント調査を実施している会社から、たくさんのコンサル・オファーをいただきます。オファーの内容は「調査結果が思わしくないので改善コンサルをお願いしたい」です。そこでクライアントの各社の調査結果を見てみると、ほとんどの会社で「自社の事業・サービスに誇りを持っていますか?」への回答が低いのです。

この結果に、多くの経営者や幹部がガッカリします。なぜなら、自分は自社の事業・サービスに誇りを持っている。なのに、自分の部下たちはそれを感じていない。そのギャップに悩むわけです。

社員に「誇り」を持たせるための3つの提言

では、どうしたら社員は自社の事業・サービスに誇を持つことができるのでしょうか?

ここで私は3つの提言をしたいと思います。

第一は、お客様や地域の人たちからのいただいた自分達の仕事への評価をそのまま伝えることです。特に直接顧客との接点を持たないB2Bビジネスの現場の人には、顧客の生の声は届きにくいものです。そこで顧客接点のある経営層や営業担当者からそうした評価を間接的に伝えれば、現場は喜びます。その時、経営者が現場の頑張りに感謝し、労い、評価されたことを一緒に喜べば、社員もきっとやりがいを感じるでしょう。

第二は、自分たちが作ったものが使われている現場を見に行くことです。「使われいる=役に立っている」証です。特に展示会等に社員を連れていき、客先で使われているシーンを見せます。きっと自分の仕事の価値を感じるでしょう。

第三は、家族に自分たちの仕事ぶりを見てもらい、子供や両親に「お父さん(お母さん)、すごい!」と感じてもらうことです。そのために、家族の会社参観日を設け、職場見学の他にゲームなども催して、子供たちに「仕事=楽しいもの、仕事≠辛いもの」と認識してもらうことも大事なことです。家族が社員の応援団になれば、皆さんの社員は今まで以上に張り切ることでしょう。

以上、3つの方法をお伝えしましたが、「事業・サービスへの誇り」は一朝一夕に持ってもらえるものではありません。時間をかけて醸成していく必要があります。

あなたの会社の社員は『誇り』を胸に仕事をしていますか?『誇り』こそ、前を向いて歩み出すエネルギー源です。自社のエンゲージメントをチェックして、それを高める経営をしていきましょう。

さらに知りたい方に動画をご用意しました

このメルマガを読んで、「自社でも取り組んでみたい」と思われた方は、以下のような疑問や質問に答えていますので、ぜひこちらの動画をご覧ください。

  • エンゲージメント調査とは?自社でやる方法はある?

  • お客様や地域の方々からの評価を社員に伝える仕組みとは?

  • 家族向けイベントの成功のポイントは?

#仕事の意義 #従業員の誇り #チームビルディング #キャリア構築 #職場環境改善


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