見出し画像

仮説を持ってインタビューすると、相手の話を深掘りできるようになった話


初めに

初めまして!UXリサーチチームの古澤と申します!(新卒です!)
今回は、行ったインタビューで相手の発話を深掘れなかった失敗をお話しして、そこから得た学びを伝えたいと思います!
こちらの記事を読むことで、相手の発話を深掘りするための、仮説の立て方が伝われば幸いです。

インタビューで、相手の話を深掘れなかった

UXリサーチチームの研修の一環で、弊社のサービスにおけるレコメンドに関するユーザーインタビューを行いました。
※レコメンド:購入可能性が高い作品を提示する機能

はじめのインタビューでは、知りたいことに関連する相手の発話を深掘ることができませんでした。
その結果、本来30分のインタビューであるはずが、20分で終わってしまい、対面インタビューだからこその詳細な意見を聞くことができなかったため、その後の分析が十分にできませんでした。

当時の自分は、相手の発話から、疑問点、聞きたいことが浮かばなかったです。

⇧深掘りできなかった時の自分

深掘りができなかった理由は、仮説を立てられていなかったから

先輩リサーチャーから、「オープンクエスチョンがオープンすぎる」「細かい質問で深掘りしきれていない」というアドバイスをいただきました。
以上の問題が発生していた理由は、自分の中での聞きたいことが漠然としていて、明確になっていなかったからだと思います。

失敗したインタビュー当時
→何が知りたいか、漠然としか考えられていない
・レコメンドについて知りたい
理想
→レコメンドの”何”が知りたいのか明確になっている
・レコメンドの利用状況
・レコメンドを求めているタイミング
・レコメンドされた時に何を考えるか
・レコメンドから作品購入に至らないことはあるか、その原因は何か

なぜ、自分は聞きたいこと、知りたいことを漠然としか考えられていなかったかを考えていた時、インタビュースクリプトシートの作成しているときに上長からいただいたアドバイスを思い出しました。

頂いたアドバイス
「どんな回答がされるのか、そこから何を聞けばいいのか仮説を立てて、インタビューに挑んだほうがいい」

先輩方から頂いたアドバイスをもとに、インタビューで深掘できなかった原因は、仮説を立てていなかったため、何を聞きたいのかが明確になっていないからだと考えました!

なぜ、仮説が立てられなかったのか

仮説が立てられなかった理由として以下の二点があると思います。
①サービス理解が不足していて、具体的な利用シーンを考えられていなかった

  • そのため、レコメンドのタイミング、方法の具体的なイメージがうかんでいませんでした。

②インタビュー対象者への理解が不足していた

  • インタビュー対象者の普段利用しているサービス、利用頻度、他のサービスと使い分けているかどうか、普段購入している作品、頻度などを理解する必要があったと思います。

  • そのため、インタビュー対象者はどんな回答をするのかの仮説が立てられず、深掘る内容を事前に準備できていませんでした。

深掘りするための仮説の立て方

以上の反省を踏まえ、大きく分けて3つの行動をしました!

  1. サービス理解

  2. インタビュー対象者理解

  3. インタビュースクリプトを見て、仮説立て

サービス理解
今回対象となるサービスと、類似するサービスを使ってみました!
使ってみて、レコメンドに載っている情報と、載っていない情報を整理して、自分なりに使い勝手を考えてみました。

⇧miroを使って、整理しました

インタビュー対象者理解

インタビュー対象者のスクリーニングアンケートを見て、レコメンドを含めた機能の使用頻度、作品の購入数をどのような課題感を持ちながら使っているかを考えました。

インタビュースクリプトを確認して、仮説を立てた。

整理した内容をもとに以下のような仮説を立てていきました。

  • 現状のタイミングの他に、このようなタイミングでレコメンドして欲しいのではないか

  • 作品を購入する際、確認したい情報は書影、タイトルの他にもあるのではないか。その情報はレコメンドの際に確認したいのではないか

  • 特定のシチュエーションではレコメンドが見えない場合がある

インタビューに再挑戦!深掘りできました!

仮説を立てた後のインタビューでは、深掘りすることができました!

反省を踏まえ、仮説を立てた後に実施したインタビューでは、
レコメンド使いますか?という質問に対して、「使います!」という発話が得られました。

今までであれば、このまま次の質問へ行っていたところなのですが、
今回は事前にユーザーは書影とタイトルで判断しちゃっているけど、もっと他に欲しい情報があるはずだ、(実際に自分で触ってみると、ジャンルがわかると作品の系統がわかるので欲しかった)と仮説を立てていました。
そのため、「作品がおすすめされたタイミングで、知りたかった情報はありますか?」
などの深掘り質問ができました。(この質問は仮説がなければできなかったと思います。)

深掘り質問を行った結果、レコメンドされた時点ではジャンルが知りたいことと、その背景を話してくれました。それらの発話から、
現状は、レコメンド段階で興味があるか判断がつきづらいことと、
レコメンドの際の情報不足によって作品購入の機会を損失している可能性があるということがわかりました。

そのため、レコメンドの時に、商品の内容を想像できる情報が必要であるという結論を得ることができました!


仮説を立てることで、相手の発話を深掘り、想定した以上の情報を得ることができたと思います。

深掘りできた一方で、深掘り質問が少し誘導的になりすぎており、インタビュー対象者にバイアスがかかってしまっていたと思います。次からはオープンクエスチョンにすることを心がけ、バイアスをかけないように気をつけたいと思います。

最後に

今回は、インタビューによって深掘りできなかった失敗経験から今回のリサーチで聞きたいことに対する仮説を立てる必要性を感じ、仮説を立てる際の実際のプロセスを紹介しました。

本記事を執筆するにあたり、あらためて仮説をたてることの重要性を学びつつ、この学びはインタビュー以外の業務(例えば、MTGなど)にも活かせると感じました。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
これからもインタビューについては改善を繰り返していきたいと思いますので、何か発見があればまた報告したいと思います!

viviONで一緒にリサーチしませんか?

株式会社viviONでは、秋葉原から世界へ二次元コンテンツを共に盛り上げていく仲間を募集しています。
「オタクってどんな人々か研究したい!」「オタクを幸せにするサービスを考えて提案したい!」などUXリサーチチームの仕事やviviONの社風に興味をお持ちいただけましたら是非お気軽にご応募くださいませ。


この記事が参加している募集