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Under the rose個展|薔薇の花影でワルツを

 あたたかな光に包まれた薔薇のつぼみが、次々にほころび始める季節。
 花影に耳を澄ますと、小さなワルツの調べが聴こえてくる……

 アクセサリーブランド・Under the rose様の新作が、このたびオンライン個展《Hidden Garden Waltz》にて発表されます。

 そして、本展はUnder the rose様の記念すべき初個展。ここヴィヴィアンズ百貨店において、作品と皆さまを繋ぐ「リボン」として、わたくし青磁にによる案内が、少しでもお役に立ちましたら光栄です。

 本記事で発表される作品のシリーズは二つ。一つ目は、まるで舞踏会の合間に供されるプチフールのような、「セルリアシリーズ」。

No.23「セルリア ボンボン」

 昆虫のかたちをした装飾品といえば、アールヌーボーの流行期によく見られたものですが、Under the rose様はさらにふわふわとした素材を使用し、より有機的で、思わず触りたくなるようなかわいらしいデザインを作り上げています。

No.37「セルリア レーヴ」

 ベル・エポックから受け継がれる耽美なディティールと、モダンな「かわいさ」が絶妙にマッチした本作。砂糖菓子をイメージしているとのことですが、食べようと手を伸ばしたら、ワルツに合わせて踊り出しそうな、生き生きとした魅力があります。

 きっと貴婦人のドレスだけでなく、現代のモダンなお洋服にもぴったりなことでしょう。

 二つ目は、菫の砂糖漬けのような「ビビ アンティークシリーズ」。
 ビオラの花びらの上できらめくビーズは、まるでグラニュー糖のようにも見えませんか。

 舞踏会の時間というのは砂糖でコーティングされたように甘美で、特別なひととき。どんな憂いも、涙も、Under the rose様の魔法がかかれば甘いお菓子に変わってしまいます。

 そしてわたしが思うのは、装飾品こそわたしたちを包みこむ砂糖粒のようなものである、ということ。わたしがわたしであるために、日常を非日常にするために、アクセサリーは一番大事な役目を果たします。

赤紫

 さあ、今夜も舞踏会に出かけましょう。

Under the rose | ビーズ刺繍アクセサリーブランド →Twitter
碧い茨に隠された『秘密』(Under the rose)という名の宝飾店。
月が差し込む硝子ケースの舞台には 天鵞絨で着飾った
多様な動植物が集う ミラの星が輝く晩
仮初の自由を手に 一夜限りの宴が始まる…  
「空想宝飾店」をテーマに、昆虫をはじめとした動植物のアクセサリーを制作・販売しております。ビーズ刺繍で着飾った、華やかで不可思議な世界をあなたに。

嶋田青磁詩人・フランス文学修士 →note
19世紀末の頽廃・優美さを求め、研究の傍ら詩・小説などの執筆活動中。専門はピエール・ルイスと19世紀フランス文学における身体論。オンライン上のストリート「モーヴ街」では、図書館「モーヴ・アブサン・ブック・クラブ」にて司書をつとめている。



作家名|Under the rose
作品シリーズ名|ビーズ刺繍の昆虫ブローチ No.23「セルリア ボンボン

フェルト・スウェード・ベロア・ガラスビーズ・フレンチワイヤー・ファー
作品サイズ|約5cm×6cm/ 約8g
制作年|2023年(新作/デザイン発表2021年)
*オンラインショップに別ショット画像掲載中(以下同)

作家名|Under the rose
作品シリーズ名|ビーズ刺繍の昆虫ブローチ No.37「セルリア レーヴ」

フェルト・スウェード・ベロア・ガラスビーズ・フレンチワイヤー・ファー
作品サイズ|約5cm×6cm/ 約8g
制作年|2023年(新作/デザイン発表2021年/新色)

作家名|Under the rose
作品シリーズ名|ビーズ刺繍のビオラのブローチ No.8「ビビ アンティーク」(3色)

白・黄・赤紫
フェルト・スウェード・ベロア・ガラスビーズ・フレンチワイヤー
作品サイズ|約7cm×6cm/約7g
制作年|2023年(新作/デザイン発表2021年)

赤紫

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