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「グラフィック」も「UI」も。欲張りな私がイキイキ働ける場所

2023年5月時点で食べチョクのユーザー数は85万人、登録生産者数は8,500軒を突破しました。2023年1月にはシリーズCの資金調達を約20億円でクローズし、今後もさらなる事業成長と組織拡大を目指して行きます。

今回は、食べチョクのデザイナーチームで活躍するharuさん(中山治美さん)に、食べチョクデザイナーとしての働き方や大事にしていること、今後チームとして目指すことなどについて聞きました。

【プロフィール】

いくつかの”試練”の先に見つけた。私の強み。

ー haruさんがもともとデザインに興味を持ったのはいつですか?何かきっかけがあったのでしょうか?

子供の頃から絵を描くのが大好きでした。好きなことをやらせてくれる両親だったこともあり、美術館にもよく足を運んだりして「デザイン」というものに触れる機会は幼少期から多かったです。

「デザイン」といってもジャンルは様々ですが、一番最初に強く惹かれたのは「プロダクトデザイン」。美しさと機能性をバランスよく組み合わせることで、ユーザーにとって魅力的な体験を提供するプロダクトデザインの世界に子供ながらに夢中になっていました。

きっかけは、記憶がある中で最初に買ってもらった誕生日プレゼントである「my first Sony」という子供向けのラジカセです。このラジカセを使って家族一人一人に合ったBGMをセレクトしながら誕生日会で司会をしたり、自分の描いた絵の美術館に流す音声ガイドを録音して作ったりしました。

※当時販売されていたMy First Sony/出典:https://ascii.jp/elem/000/004/021/4021992/

この小さなプロダクトを起点にはぐくまれる素敵な体験が、デザインの可能性の広さを教えてくれました。

ー そういうきっかけも積み重なって美大を目指し、デザイナーへの道を進んでいくことになるんですね。

美大への進学やデザイナーという仕事について強く意識するようになったのは高校に入ってからでした。中学まではただ「絵を描く」授業を楽しんでいたのですが、高校ではミニチュア制作や紙のドレスのファッションショーなどこれまでとは違う角度でデザインに触れたことで「アートやデザインって、やっぱり面白いものなんだ」と再認識しました。

大学卒業後は、アパレル会社の販売職やインハウスデザイナーを経て、ブランディングやグラフィックを行う15名ほどのデザイン事務所でさまざまな業界・媒体のデザインを多数経験し、キャリアの基盤を築いてきました。その後インテリアや飲食業界の会社で商品のプランニング・デザインに深く関わることで、より広い視野や思考を持つことができました。

今振り返ると、それぞれのタイミングで色々な立場・業界を経験できたからこそ「自分なりの強み」を見いだし伸ばすことができたんだと感じています。(※図2参照)

(図1)

(図2)

事業会社でUIデザイナーとしてのキャリアを。

ー ところで、haruさんはどのように「食べチョク」と出会ったのですか?

以前の会社がコロナの影響で休業になり仕事が縮小したことを機に転職を考え始めました。エージェントさんに紹介される前から、メディアで秋元さんのことは知っていました。食はもともと興味関心が強かった領域ですが、デザイン事務所時代に関われなかったことを心残りに思っていたこともあり、メディアでの秋元さんの発信は強く印象に残っていました

カジュアル面談でお話しを伺う中で、この会社だったら
・やりたかったウェブサービスのデザインに挑戦できる
・食領域に関われる
・長期的に情熱を傾けて働けるイメージが湧く企業理念
という点に惹かれ、選考に進むことに決めました。

選考の中では、
・グラフィックデザイン(2020年の夏の福袋のOGをリデザインするというもの)
・UIデザイン(食べチョクサイトを触り、改善提案としてFigmaでモックを作る)

という二つの課題があったのですが、この課題を進める中で「ここで働くことで成長できる」という実感も持てました。

UIデザインはこれまで経験がなかったものの、社内のデザイナーに選考課題に対するフィードバックをしっかりとしてもらった時、自分とは違うキャリアを持ったデザイナーと働くことで自己成長に繋がったり新しい可能性を発見できそうだなと感じました。

(当時の課題)

ーこれまでは、制作会社でのグラフィックデザイナーとしてのキャリアが長かったので、入社直後は苦労した点もあるのではないでしょうか。

そうですね。それまではエンジニアさんと同じチームで仕事をする経験はほとんどなかったので、プロジェクトを進める上でどういうコミュニケーションが必要でどのように進めるのかなど、最初は正直戸惑いがありました。

一般的なアジャイル開発の手法であるスクラムでよく使用される「週1でスプリントを回す」という開発サイクルも、当時の私にとっては初耳でした。そういった基本的な知識も足りていなかったですし、マーケティングやエンジニア領域の専門用語や略語が飛び交っていて入社後数週間はまるで異国に来たよう。笑

私が入社した時はまだコロナ禍でオンラインがメインだったこともあり新しい環境にリモートで飛び込むのは不安もありましたが、入社直後に色々なチームの人と関係値を構築するためのサポートなどオンボーディングも充実していたので助かりました。

「マーケチームの人に話を聞いてみたい」「全社会の内容を深堀りしたいのでAさんと話したい」というように、話をしたい人を指名して1on1をセットできる「ドラフトーク」という制度を活用し、入社間もないタイミングから積極的に色々なチームの人と話す機会をセットしてもらいました。

2〜3ヶ月後には新しい言葉のシャワーにも慣れ、業務の中でいつの間にか私自身がその新しい言葉を使いこなすようになっていました。ビビッドガーデンでは「ただ言われたものを作る」という社内受託的な動きではなく、議論の中でデザイナー観点でのフィードバックを積極的に行うことが歓迎される組織です。

最初はだいぶぎこちなかったと思いますが、デザイナーとしての価値を発揮しなければと、その頃にはチームの中でもデザイン観点での意見も言えるようになってきました。

過去の経験が生きたリアル店舗、食べチョク直売所

ー念願だった事業会社でのインハウスデザイナー。実際に1年働いてみてどうですか?

入社前に抱いていたイメージと全くズレはなく事業会社ならではの圧倒的な手触り感を感じながら仕事ができています。一番の魅力は「議論の過程が見えて介入できること」です。

デザイン制作会社の場合、クライアントワークがメインになります。多様なクライアントのプロジェクトを経験することで自分の引き出しを増やせることはポジティブですが、事業会社と比べると直接的なエンドユーザーとの接点やアウトプットへのフィードバック量という点では少ないです。

どういう狙いがあってその施策を進めようとしているのか、ビジネスのコンテキストや目標を深く理解する機会にも多く恵まれていますし、チーム横断での議論に最初から参加することで戦略やニーズを正しく理解してデザインに反映させることができます。

そして、実際にトライアンドエラーを繰り返してプロダクトを磨き込んでいくのはやはり面白いですね!

ー入社以降、様々なプロジェクトで活躍のharuさん。一番思い出に残っているのは何でしょうか。

本当に色々なことに挑戦させていただき、あっという間の1年でした。食べチョクアワードでのトロフィーや賞状の作成、山梨県や熊本県などさまざまな自治体のLPデザイン、期間限定で行った「食べチョクまとまる便」のメインビジュアル作成などなど。生産者さんの想いに触れながら、デザイナーとしてやりがいを持って仕事ができています。

私自身は「変化を思いっきり楽しむ」タイプの人間なので、このカオス感にネガティブを感じたことはありません。忙しすぎて記憶がない部分もありますが(笑)、その中でも印象に残っているのは、埼玉県にある関東圏スーパー「ベイシア新座店」に食べチョクの直売所を出店させていただくプロジェクトです。

・空間をどう見せていくのか
・他の商品もたくさんある中で(スーパーなので)その一画で「食べチョクらしさ」や「食べチョクならではの価値」をどう表現するのか
・ユーザーにどういう体験を提供するのか

などなど、執行役員の酒井さんと二人三脚でゼロから方向性を考えていきました。

社内にもノウハウがない中で新しい試みを推進していくのは大変ですが、事業会社ならではの「自分で考えて形にしていける」というやりがいと楽しさは他では得難い経験だったと思います。

「色々やらないといけない...」ではなく「色々やれる!」と変化を楽しむ。

ー 元々持っていた、ビジュアル・グラフィックという強みに加えて、新たにUIのスキルも武器として加えていく。「なんでも挑戦する。そして楽しむ。」というharuさんならではの考え方ですね。

グラフィックデザイナーとUIデザイナーは、それぞれがデザインの異なる側面に特化した専門家です。

グラフィックデザイナーは、視覚的な要素を駆使して情報を伝えようとします。一方、UIデザイナーはユーザーが直接操作する要素をデザインすることで、ウェブサイトやモバイルアプリの使いやすさと視覚的な要素を最適化します。

私は、将来的にはグラフィックデザインとウェブサービスデザインの両方に強みを持ったデザイナーになりたいと思っています。優れた視覚コミュニケーションとユーザーエクスペリエンスのコラボレーションによる相乗効果も期待できますし、より幅広いプロジェクトに対応することもできます。

デザインとはコミュニケーションだと思っていて。
より多くの相手に伝えるためには、武器は多いにこしたことはないですよね。

そして、何よりも新しいことに挑戦することが楽しいんです。
ビビッドガーデンはスタートアップ企業なので「この領域だけやります」というわけにはいかない。ビジョンを達成するためにやれることはなんだってやるというスタンスが大事です。

その時に「色々やらないといけないな...」と思うとどうしても辛いので「あれもこれも色々やれてラッキー!」というようにポジティブに捉えられると、今のフェーズの組織にマッチすると思います。

ー「あれもこれも色々...」という観点でいうと、今デザインチームとして何か取り組んでいることはありますか?

私が入社した当時は3名だったデザインチームも今では業務委託の方を入れて7名に。人も増えてやれることが多くなってきた今だからこそ、改めてスケールしやすい仕組みの構築が必要です。

スタートアップで創業間もないフェーズということもありいい意味で社内の体制が整えられていなかったので、今はデザインのガイドラインの作成に取り組んでいます。そうすることで、違う人が作っても食べチョクらしい一貫性のあるデザインにすることができます。

またチームとしては、デザインを作成するだけでなく企画の上流段階から入り「こうするともっといいのではないか」と意見出ししたり提案することを意識しています。私は以前の会社で店舗デザインやデザインを企画から納品まで管理・実行してきた経験もあるので、企画段階から入ることでもっと事業に貢献できることがあると考えています。

ー今、新たにデザイナーを募集していますが、今後デザインチームはどのようなチームにしていきたいですか?

組織のフェーズ的にチームのメンバーは限られていますが、チームとしては自分から事業や他チームの施策に入り込んで提案する動きをもっと増やしていきたいです。

また会社としては、デザイナーだけが「デザイン」について話すのではなく、利用する人が気持ちよく使えるプロダクトに食べチョクになっているか社員全員が向き合うことができる組織にしたいと思っています。

お話しした通りまだまだやれることが多い発展途上の状態なので、体制を整えたりデザインの方針を定めるなど上流の部分に関われたり自分のスキルを広げるための挑戦の機会がたくさんあります。

食べチョクのデザイナーとして働くことに少しでも興味を持った方は、ぜひ一度お話ししましょう!


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