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米EV生産 脱中国も難題

要約

自動車産業を揺るがす新法が4月に米国で導入される。
税額控除が受けられる法律だ。
条件は北米でEVを組立て、電池部品の調達比率を50%にすること。
また、電池材料を自由貿易協定(FTA)締結国と日本からの輸入に限る。

狙いはサプライチェーンから中国を排除すること。
世界の分断を象徴する新法だ。
自動車メーカーは新法に対応し供給網を変えられるかがカギとなる。

日経新聞と九州大の共同で米国製EVの供給網について環境や人権に関する28項目をAIを活用したシステムで調査した。
この調査では中国からの調達割合が22年の5割弱から30年には0としてメキシコなどからの比率を増やした場合で調査している。
結果、新法によって16/28項目の指標で30年に悪化する。
環境面では大気汚染につながる要因が増える。
人権関連では低賃金や児童労働のリスクなどが悪化。

要因は南米の対策遅れにあると考えられている。
精製したリチウムの輸出はチリが世界第一位。
米国とはFTAを結び脱中国のカギを握る。
電動モーターに使う銅の輸出はペルーが世界第二位。
しかし、チリもペルーも環境関連の装置の整備は中国と比べて大きく遅れを取っている。
また、中南米は児童労働など人権関連の対策も十分ではない。
メキシコの労災リスクは世界第五位となっている。

米国は世界第二位の車市場。
中国企業の電池は世界の6割を占めている。
各車メーカーは中国以外から電池や部品の調達網確保に急ぐ。
トヨタは米国に電池工場を建設する。

WTOによるとブロック化により世界生産額の5%(5兆$)が失われる。
英国シェルによるとブロック化で2100年には現在の平均気温より2.2℃上がるという。

企業はブロック化の歪みに目を瞑らず、新秩序の中で成長を目指すしかない。


感想

この新法を導入するしか手は無いのかと何とも言えない気持ちになった。
今の中国に協力を促しても難しいだろう。
これはきっとなるべくしてなったことと受け止める他ないと思う。

まず手初めにEV関連といったところなのだろうか。
そうなれば他のものもいずれはと考えると万人に関係することだ。
日本で手に入る物の中から中国産が無くなり、物価が高くなる物が増えるのではないかと考えてしまう。

私の仕事にも大きな影響がありそうだ。
建設設備の部材や機器で中国の力を借りているものは多い。
今後の動向に注目し、少しでも早めの対応ができるように意識しておきたい。

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