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5分で商船三井の企業財務分析評価


挨拶

このページをご覧になってくれている方ありがとうございます。改めましてコブータと申します。私は米国公認会計士や簿記2級の学習を通じて会計のマニアになりました。企業の財務分析を行うことで皆様の投資判断の材料にしたり、就職、転職の企業分析にお役立ちいだだければと思います。今回は商船三井を解説していきます!有名な高配当株ですが、その実情を約3,000文字(読む時間5分)で分析していきます。分析をしてほしい企業があったらコメント等に残してくれると嬉しいです!またメンバーシップを始めました!過去の有料記事から最新記事が読み放題なので気になる人は是非!初月無料です!

企業概要

商船三井のルーツは1942年に発足された三井船舶株式会社に遡ります。そこから1964年に大阪商船株式会社と三井船舶株式会社の合併で大阪商船三井船舶株式会社になります。1999年にはナビックスライン株式会社と合併し、現在の商号となっています。現在ではMOLと呼ばれていますね。決算月は3月です。

事業内容

商船三井の事業は下記の6個の事業に分けられています。

  1. ドライバルク事業

  2. エネルギー事業

  3. 製品輸送事業

  4. ウェルビーイングライフ事業

  5. 関連事業

  6. その他

ドライバルク事業といきなり聞き馴染のない言葉が出てきますが、穀物、鉄鉱石、木材チップ、塩等の固体(粉粒体)のばら積みです。会社名の通り海運業です。エネルギー事業は石炭を輸送する事業で製品輸送事業はその名の通りです。ウェルビーイングライフは不動産事業、クルーズ事業です。

人員について

商船三井の従業員数内訳は下記の通りです。
従業員数約9,800人の大企業です。その内ほぼ半数の従業員が製品輸送事業に従事しています。製品輸送では様々な製品を扱っているので量も多く人手が必要になるのでしょう。

商船三井従業員数

働きやすさについて

現在注目されている働きやすさですが、商船三井の女性の管理職は6.2%です。日本を代表する企業としては少し物足りない数値ですね。男性の育休取得率も55.9%とこちらも少ないですね。女性の管理職と男性の育休取得率は今後伸ばしていって欲しいところです。

商船三井多様性指標

商船三井の売上構成

商船三井は売上高約1.6兆円の大企業です。その内約90%の売上を運送業で稼いでいます。2022年度と比較すると売上は微増しています。コロナの2020年度には売上が落ちましたが、すぐに業績は回復して毎年増収を達成し、2023年度は直近では最高の売上になりました。
原因としてはエネルギー事業においてロシア産の原油が禁輸になったことで遠い国から原油を輸入するケースが増えたことが挙げられます。ロシアへの制裁が商船三井の売上を押し上げています。一方でドライバルク事業は中国経済悪化の懸念により需要が落ち込んでその分がエネルギー事業と相殺されました。
売上は日本向けが約7割以上を占めています。商船三井は世界中に貨物を届ける輸送会社ですが、お客さんの殆どは日本企業や日本に住んでいる人のようです。

商船三井セグメント別収益

営業利益と当期純利益

収益の増減も重要ですが、営業利益と当期純利益についても無視することはできません。
商船三井の営業利益率は約6.3%です。利益率は決して良いとは言えないです。2022年度と比較して売上は微増していますが、利益額は減少してしまっています。

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