5分で淀川製鋼所の企業財務分析評価
挨拶
このページをご覧になってくれている方ありがとうございます。改めましてコブータと申します。私は米国公認会計士や簿記2級の学習を通じて会計のマニアになりました。企業の財務分析を行うことで皆様の投資判断の材料にしたり、就職、転職の企業分析にお役立ちいだだければと思います。今回は淀川製鋼所を解説していきます!高配当株としてランキングに載っていますが、その実情を約3,000文字(読む時間5分)で分析していきます。分析をしてほしい企業があったらコメント等に残してくれると嬉しいです!またメンバーシップを始めました!過去の有料記事から最新記事が読み放題なので気になる人は是非!初月無料です!
企業概要
淀川製鋼所は1935年に鋼板・鋼材製造を目的として設立されました。昔から続いている会社ですが、メインの事業は鋼板の製造とずっと変わりません。現在では中国やタイにも工場を持っています。決算月は3月です。
事業内容
淀川製鋼所の事業は下記の5個の事業に分けられています。
鋼板関連事業
ロール事業
グレーチング事業
不動産事業
その他
鋼板の製造・販売は勿論、金属屋根壁材やエクステリア商品等建材用製品も製造しています。ロールはイマイチピンと来ませんが、鉄鋼等を薄く加工するために使う製品です。形はそば打ちに使う麺棒のような物でロールで鉄鋼を挟むことで薄く伸ばします。グレーチングは道路の排水溝に設置されているスチールの足場です。他にも自社で所有する土地、建物の賃貸、機械プラントの販売、太陽光発電の売電事業等多岐に渡ります。
人員について
淀川製鋼所の従業員数内訳は下記の通りです。
従業員数約2,400人の会社で大企業と言ってもいいでしょう。その内殆どの従業員が鋼板関連事業に従事しています。色々ビジネスを手掛けていますがメイン事業は鋼板関連なのだと推測できます。
働きやすさについて
現在注目されている働きやすさですが、淀川製鋼所の女性の管理職は2.1%です。製鋼所に女性が多いイメージはないですが、それにしても少なすぎますね。男性の育休取得率は42.3%とこちらも少ないですね。女性の管理職と男性の育休取得率は今後伸ばしていって欲しいところです。
淀川製鋼所の売上構成
淀川製鋼所は売上高約2,000億円の大企業です。その内95%以上の売上を鋼板関連事業が稼いでいます。2022年度と比較すると売上は約8%減少しています。コロナの2021年度には売上が落ちましたが、すぐに業績は回復して毎年増収を達成していましたが2023年度は減収になってしまいました。
原因としては国内の鋼板の需要が下がったことが挙げられます。特に自動車向けの需要が2024年初めから減少し、他にも住宅着工が減少しているようです。鋼板関連事業は売上の半分以上を国内に依存しており、今後海外の需要を取り込むことができるか注目です。
海外の売上も現状は殆どが中国、台湾向けで北米、その他アジア地域への売上は限定的です。
全体的に鋼板の販売価格は改善しましたが、販売数量が減少しているため販売価格改善が売上の押し上げにはなりませんでした。
営業利益と当期純利益
収益の増減も重要ですが、営業利益と当期純利益についても無視することはできません。
淀川製鋼所の営業利益率は約5.8%です。利益率はメーカーとしては及第点といったことですね。2022年度と比較して利益率はほぼ同じですが、売上が減少した分利益額は下がっています。
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