5分で分かる!人気銘柄東京エレクトロンを評価~企業財務分析



挨拶

このページをご覧になってくれている方ありがとうございます。改めましてコブータと申します。私は米国公認会計士や簿記2級の学習を通じて会計のマニアになりました。企業の財務分析を行うことで皆様の投資判断の材料にしたり、就職、転職の企業分析にお役立ちいだだければと思います。今回は東京エレクトロンです!知る人ぞ知る隠れ有名企業ですね。半導体関連の会社です。どこの企業の分析をしてほしいとリクエストがありましたらコメント等に残してくれると嬉しいです!

企業概要

東京エレクトロンは1963年11月に東京放送の関係会社として東京エレクトロン研究所が設立されたのが始まりです。(資本金5百万円)。VTR、カーラジオ等の輸出及び電子機器関係の輸入業務を当初は行っていたようですね。そこから合併を繰り返し、現在は半導体製造装置を製造・販売する会社へと変化しています。

事業内容

東京エレクトロンの事業は下記の3個の事業に分けられています。

  1. 半導体製造装置

  2. FPD製造装置

  3. その他

半導体製造装置はその名の通り半導体を製造するための装置です。これの製造・販売が東京エレクトロンのメインの事業です。
FPD製造装置はディスプレイの製造装置です。フラットパネルディスプレイ(FPD)の略ですがテレビだけでなく、PCにも使われています。
その他はグループ会社内の物流や保険業務でグループ内への売上がメインになっています。

人員について

東京エレクトロンの従業員数内訳は下記の通りです。
従業員数は約1万7千人の大企業です。その中でも半導体製造装置の事業に殆どの従業員を割いていますね。メインの事業に対して人的リソースも多く配分しています。

東京エレクトロン従業員数

働きやすさについて

現在注目されている働きやすさですが、女性の管理職は記載なしです。ですが2027年までに女性の管理職を8%にまで引き上げる方針を示しています。また、男性の育休取得率も直近3年で倍に増えたようです。ですが、30%という割合はまだまだ低いですので今後も働き方を見直して女性の管理職も男性の育休取得率も増やしてほしいですね。

東京エレクトロン多様性指標

東京エレクトロンの売上構成

東京エレクトロンは収益約2.2兆円の大企業です。そして東京エレクトロンは収益の約90%以上を半導体製造装置事業で稼いでいます。
2021年度と比較すると売上は約10%増えています。特に直近5年で1.2兆円企業から2.2兆円企業に伸びています。5年で売上を約2倍に伸ばしているとなると人気銘柄であるのも納得ですね。売上を1兆円増やすのはかなり難しいです。
東京エレクトロンの主要顧客は3社です。

  1. Intel Corporation

  2. Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited

  3. Samsung Electronics Co., Ltd.

やはり半導体関連となるとこの3社が強いんですね。
ですが、レーザーテックとは異なりこのメインの3社への売上比率は約5割り程度です。ですので他の顧客で同じくらいの売上を稼いでいます。中国向けの顧客もかなり多いようですね。
東京エレクトロンは海外売上比率が約89%とグローバル企業になっています。

東京エレクトロンセグメント情報

営業利益と当期純利益

収益が増加しているのも重要ですが、営業利益と当期純利益についても無視することはできません。
東京エレクトロンの営業利益率は約28%となっています。メーカーとしては文句のない数値になっていますね。半導体関連の企業は営業利益率が高いところが多いですね。2021年度も利益率約30%だったので、たまたまではなく、高利益率体質の企業です。前年度と比較して売上が好調で営業利益率も同程度なので文句のつけようがありませんね。
当期純利益も直近5年では最高益を達成しています。まさに絶好調といえる企業でしょう。ですが半導体業界は波が激しい業界です。2018年度~2020年度を見てみると売上が2022年度と比較して約半分なので当期純利益も約半分になっています。2021年度、2022年度と売上が好調でしたが、維持し続けられるかは注視していく必要がありますね。
1株あたりの配当金も増加しています。2021年度と比較すると配当金は20%増加しています。配当性向は約50%台ですので今後も売上が増え続ければ、今後の配当金の増加も期待できそうですね。今後も配当性向は50%台をキープする方針なので東京エレクトロンの投資によってさらに利益が増え、株価の上昇と配当金の増加の両方取りができるかもしれませんね!
配当金が1年で1,700円はかなり高いですね。100株所有していれば毎年17万円の配当金が受け取れる計算になります。ですが1株の価格は約35,000円なので100株購入するには300万円以上の資金が必要になります。

東京エレクトロン損益計算書(一部抜粋)

東京エレクトロンの倒産リスクは?

会社が潰れてしまう可能性があるか?を判断するには流動比率の分析はかかせません。流動比率とは流動資産÷流動負債で求めることができ、短期的な資金繰りに問題がないかが分かります。
流動資産は1年以内に現金になりえる資産、流動負債は1年以内に払う負債のことです。流動資産が流動負債より多ければとりあえずOKです。
ですが気をつけるのは棚卸資産の項目です。棚卸資産は1年以内に販売できるかできないか分からないからです。その前段階である原材料も考慮が必要でしょう。
東京エレクトロンの流動資産を確認すると約1.7兆円あります。その内棚卸資産、原材料等は約6,500億円ですので流動資産の約38%です。一方で、流動負債は約6,300億円と流動資産より約1兆円少なくなっています。棚卸資産を除いたら資産は1兆円と500億円あり流動資産が流動負債を大きく上回っています。それどころか、流動資産から棚卸資産等を除いた資産の方が固定負債を含めた全負債を上回っています。なので短期的な支払で問題になることはまずないでしょう。借入金もないので無借金経営です。

東京エレクトロンの固定資産

東京エレクトロンの固定資産は増加しています。2021年度には約2,200億円の固定資産でしたが、2022年度は約2,600億円と約400億円程度増加しています。その理由は設備投資と新しい開発拠点の建設が理由です。研究開発を進めることができれば、さらなる利益改善、収益増加が見込まれるので今後の動向にも注目です。

まとめ&評価

  • 2021年度と比較すると売上が10%増加

  • 半導体製造装置メーカーであり、高利益率企業

  • 半導体業界は景気に敏感なため、今後も増益し続けられるかは注視が必要

  • 配当額は適切だが株価が高すぎるため手が出しづらい

  • 短期的な資金繰りについては問題なさそう。無借金経営。

  • 新しい開発拠点を建設。今後の成長にも期待が持てそう。

東京エレクトロン評価

ここまで読んでいただきありがとうございます。コメントにどの企業の分析をやって欲しい等書いていただければ分析します!

出典:EDINET閲覧(提出)サイト https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100QYR0.pdf?sv=2020-08-04&st=2024-05-11T07%3A09%3A08Z&se=2033-06-20T15%3A00%3A00Z&sr=b&sp=rl&sig=dIWjgzn2qXe61VkiZG8bM77DMslxhM5tkdvEhrA21tU%3D

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