見出し画像

#建築士。資格が私にもたらしたモノーVol.2 〜好奇心

こんにちわ。建築士×〇〇 arisa です。
Vol.1続き。
試験結果が左右される、出会いについて。

やっぱり今思えば、この時ほど一緒に時間を共にする人が大切なんだと、痛感した事はなかったかもしれないです。コツコツやる事も、やるべき事をやる事も大事。

でも何をどうコツコツやれば、頭に入ってくるの?
こんなことをしていて本当に受かるのか?
これ以上、時間を生めないのに何をするの?

そんな疑問と、やると決めると日々現れる、飲み会や遊びの誘い。
やる気が出ない、寝てしまう…様々な誘惑とどう戦うのか。

彼女に出逢わなければ。
わたしはきっとまだ受からずに一級建築士の勉強をしていたかもしれない。
目的は勉強する事ではないはずなのにー

ちなみに、▽自己紹介 ←私が建築士になった理由、やめる理由も宜しければ覗いてみてくださいね(^^)


3度目の不合格通知の後に

とりあえず、一級建築士試験に3度も落ちた私は。
もう〜正直、疲れ切ってました笑
the.放心状態。
全ての自由時間を勉強と学校に費やしていたし。
相変わらず夜勤もこなしていたから。


しかも2次試験の合格発表日なんて、上司に報告するまでもなかったのですよー。


このご時世、携帯でサクサクっとふつーうに検索されちゃうのです。(受かった人は実名で公表される)

夕方、現場からコンクリまみれで事務所に戻った私に、支店長からの一言は。


「おー。落ちてたぞー。次どうすんだ?」って笑


…いゃ、そこ!?
この寒っっい中、朝からコンクリ120m3も打ってきたのに、そこですか??
労いもなく、いきなり試験結果に触れちゃいます??
っていうか、一緒に見ようとか優しさが足りなくないですか!?!?


もう苦笑いしかないです。


「次、頑張りまーす…」

「次なんかあるのか?お前、やる気あるのか」

「……」


もーホント、「じゃあどーしたら良いんですかね?」って
仕事減らして下さいよ!って喉まで出かかった言葉すら飲み込んで。
自分の机に座るとドッと疲れが出てきて。

見上げた天井は、やけに暗く、重く見えて。


机の上には、積算途中の内容変更の図面の束と。
電卓。
早く追加工事の概算を発注元に提出しなきゃいけないのに。
CADを立ち上げ画面が切り変わっても。
頭が一向に、働かない。だから手も動かない


もー疲れたな…


そもそも。
普段鉄分多いものとコンクリートにしか触れてないのに。
あの短い時間で文章書いて、エスキス書いて、機械排気の工夫点とか、図面なんか書けるかーっ(ノ_<)アホーっ!!

空調管理なんて中央管理方式で良いじゃん!?何がダメなんですかー!?
ろくに寝てないのに4時間も5時間も集中してられるかーバカーー!


って感じでした。←完っ全にイロイロ足りてないから落ちてる訳ですがw

そんな時期に、資格学校で出会ってしまった彼女。
寒空の元。やさぐれながら追加申込をしに行った、学校の受付カウンターが初対面でした。


駅からほど近い、通い慣れたビルのエレベーター。
降りた先のガラス扉越しにちらりと見えた、黒髪セミロングの女性ー


『綺麗な黒髪の人がいるなー』


それが。
彼女の後ろ姿を見た、第一印象でした。
わたしが扉を開け中に入ると、すぐに営業の斎藤さんが気付いて声をかけてきた。


「お、来たね。
arisaさん。こちら工藤彩音さん。
元々、文系卒から2級建築士を取って、今年1級を一緒に受けるから。凄ーく、頑張り屋さんだぞー。少しは見習え」


調子の良い、ちょっとチャラ目な斎藤さん(男性)に若干ディスられながらも、初めましてのご挨拶。


そんな斎藤さんのディスリすら、軽く消し飛ぶくらい。彩音さんはよく澄んだ、キレイな声の持ち主だった。


「こんにちわ。彩音です」

伏せられたクリッとした二重まぶたに、淡い唇。
その端正な顔立ちと、立ち振る舞いがやり手の営業ウーマンに見えてしょうがなかった。

彼女は綺麗な肩まで伸びた黒髪を耳にかけると。自分の左横に置かれていた大きいボストンバッグを、スッと持ち上げ、右にずらすと椅子を空けてくれた。

華奢な肩が少しだけ、左右に揺れる。


「文系から、なぜ建築に?」

空けられた隣の椅子に座りながら、わたしの口からとっさに出た質問。
別に自分の中で深い意味があった訳でも、他に話題がなかった訳でもない、と今でも思ってる。


だけど、理系をずっと長い間生きてきた私にとって。
ただただ、文系からの移籍は珍しく。
彼女に対して、好奇心が湧いたのだと思う。

一瞬、戸惑った顔を見せたけど

「空間が好きで。建築が、やりたくて」


たった一言、そう言った。


フワッと笑ったその笑顔はとても眩しく、キレイで。
"本当に建築が、空間を彩ることが好き"


彩音さんの全身から迷いのない、"好き"って想いが伝わってきて。


この出会いが『わたし』を変えたー
ーだから、先に言っておきますね?



コレを読んでくれている、あなたに。


お察しの通り。


彼女はこの後、ストレートで受かるのですよ。
一級建築士に。


それは…ほんの少しの大きな違い


ーvol.3続く♡

お読み頂きありがとうございます(^^) スキやおススメ励みになってます♪頂いたサポートはデザイン磨きUPの旅や仕事のサポートの為に使わせて頂きます。