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今年からJ1昇格に必要な勝点は82です

まずはこちらの記事。2023シーズンのJ2第14節終了時点での記事です。

黒田監督はシーズン前から「年間勝ち点90」「失点30」という具合に、ハッキリとターゲットとなる“数字”を口にしていた。42試合を「7」で割り、1年間を6つの“クール”に分けて、各クールの基準を「勝ち点15」に設定している。昨シーズンのアルビレックス新潟は「勝ち点84」でJ2を制しているので、勝ち点が90に届けば目標のJ2優勝も手中にできる……というストーリーだ。

https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/2023050900001-spnavi?p=1

具体的な数字でシーズンの勝ち点を計算することは、チーム内では当然あるでしょうが、それがこうして記事として表に出ることは珍しいので、これを読んだ当時、とても興味深いなと思って記憶に残っていました。また、結果として勝ち点87・失点35ながら、J1昇格を決めたことで、改めて記事内の黒田監督の目標設定に驚きました。

黒田監督の言うターゲット、年間勝ち点の90とは?図で表すと以下の通り。

図1

7試合毎の勝ち点が『15』あれば結果的に年間勝ち点が90になるわけですが、この勝ち点90、実はかなり高い数字。2012年から2023年までに年間勝ち点が90以上だったのは2チーム(2014湘南、2021磐田)のみ。また失点30に関してはわずか1チーム(2014湘南)です。いかに高く、それと同時に「これをクリアすれば昇格確実」と言えるかが分かる目標設定となっています。

図2

さて、それじゃあ今年もそれに倣って「昇格確実」と言える必要な年間勝ち点90を目指して…と思ってたら今年からチーム数が20チームとなり、それに伴い試合数も38試合に減りました。これじゃ参考にならないよ…。と思ったのですが、無理やり換算して黒田監督の考えならこのぐらいだろうという納得感がある年間勝ち点を出しました。タイトル通り『82』なんですけど。

まずは2012年から2023年シーズンの1位チームの年間勝ち点の平均を出すと『86.3』でした。これを今シーズンの38試合に換算してみようということで、86.3を試合数42で割ると1試合あたりの勝ち点は『1.904…』となり、この1.904に38試合を掛けて 『78.035...』。出ました。

図3

基本的にはこの『78』が、まず目指すべき数字になってくるとは思いますが、いかんせん平均。昇格確実とは言えないので、これ以上の数字を目標設定にしなければなりません。それでこそ黒田スタイル。ここで図1を参考に38試合をいくつかの試合数に分けます。残念ながら38は綺麗に割れないので、いびつな形ながらも、6試合を1クールとし『6クール+2試合』が黒田スタイルに近しいんじゃないかと設定しました。

図4

それでは1クール毎に必要な勝ち点はいくつか?ですが、これは黒田監督の言う1クール勝ち点15を単純に7試合で割ります。これで1試合あたりに必要な勝ち点が『2.14』となります。というわけで、2.14×6試合で1クール毎に必要な勝ち点は『12.8』。これを四捨五入し『13』と設定しました。残りの2試合も2.14×2試合で『4.28』、これも四捨五入し『4』とします。

図5

この結果、今シーズンからJ1昇格を目指すにあたってのターゲットとなる年間勝ち点は『82』となりました。

さて、現在、第4節終了時点での順位表を見ると、1クールで必要な勝ち点『13』に届く可能性があるのは、1位の岡山を筆頭に7位の鹿児島まで。
我らがV・ファーレン長崎の勝ち点は『7』で、『13』に届くためには第5節と第6節に連勝する必要があり、改めて黒田監督の目標設定がハードなものだと分かります。

図6 - Jリーグ公式順位表
図7- 長崎の勝ち点

ここまで言っておいて個人的には76~80あたりが現実的では?と思いますが、より高い目標をおき、そこを目指すことで昇格により近づくのも事実なわけです。厳しい世界ですね。

ということで一つの参考になれば幸いです。


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