マガジンのカバー画像

ソーシャルワーク

32
ソーシャルワークについての個人的な見解を書いた記事のまとめです。
運営しているクリエイター

記事一覧

「ルポ 死亡退院 〜精神医療・闇の実態〜」に寄せて

 Eテレの特集を見た。  あの病院の存在は棄民政策などという作為的なものではなく部分最適…

必然的帰結としての滝山病院

 東京都八王子市にある精神科病院、滝山病院の一連の報道及び特集番組のインプレッションにつ…

対人援助の(dis)communication

 実のところ、私たちが大事にしている価値観、守ろうとしている対象者は、私たちがかくあれか…

最奥にて|退院支援についての個人的な所感

 滝山病院の件以降、自分の職責と専門職としての社会的責任について考えながら仕事をしていま…

14

透明な地域支援

 日本精神科病院協会会長のインタビュー記事が東京新聞に出ていました。昔から斜に構えて旬を…

いま一度、眼前に立ち戻って|相互作用の一方当事者としての〈人〉

 ソーシャルワークにおける重要(だとわたしが思っている)な考え方を表明した「人と人、人と…

こころのケア、自己鍛錬、人間理解|ソーシャルワーカーがカウンセリングを受けてみた

 受けてみたと言ってもコロナ禍前からなのでもうだいぶ経ちますが、定期的に心理カウンセリングを受けています。心理士さんやカウンセラーさんが支援者のこころのケアを勧めているのを見かけるにつけ、わたし自身は「お、そうだな」と思う一方で、その構図は自分の生業を勧めるという意味で我田引水というか手前味噌のようにも思います。そこで、ソーシャルワーカーがカウンセリングを受けるのもいいもんですよ、という話を書くことにしました。サンプル数1の経験的な話ですので、そんなに大層な話ではありません。

初任者の終わり〜年末に寄せて

 今年も終わりですね。実は今年は、というか去年の終わり頃から仕事が全然うまくいっていない…

ソーシャルワークのインテリ支配

追記:あまりにひどかったので校正し直しました。  時折、ソーシャルワーク専門職の資格要件…

16

日本ソーシャルワークセンター設立に思う|市場で"食べていけなくなる"ということ

 日本ソーシャルワークセンターなる団体が設立されたらしいですね。らしい、というのはこうや…

14

生存と幸福とを分かつ線

 やがわさんはいつも遠くからTweetを拝見するだけだったのだけれど、上のツイートにInspirati…

個別的な課題解決の弊害と葛藤領域

 現場で仕事をしていくと、それって個別に解決するんではなくて制度とか社会構造とかの問題じ…

人はなぜ無低に誘われるのか

はじめに  本稿には無低に誘われる人を一からげにする意図も貶めるつもりもありません。 繰…

福祉に対する不公平感にどう応えるか

むき出しの感情にさらされる時代 生活保護をはじめとした福祉サービスを受ける人たちに対して不公平感を持つ人はどうも少なくないらしい。羨ましいとか言うのはまだ穏当な方で、ずるいと言われたり、福祉サービスを受けている人を直接間接に攻撃することもある。ここに書き記すこともためらわれるくらい汚い言葉も見る。SNSがそういう感情をむき出しにするのにひと役も二役も買っており、それまで社会全体には影響を与えない範囲で投げかけられていたであろう強い言葉が、電子の海で広がっては消えることなく漂っ