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静岡演劇ぷち図鑑inFujiedaを終えて①

2023年5月20日~28日

静岡演劇ぷち図鑑inFujiedaを終えて


先月末に無事終演した「静岡演劇ぷち図鑑inFujieda」

企画から運営をした個人的な観点から感想や反省点などを今回も書いていこうと思います。

出演団体に関しては一緒にイベントを創ったと言う身内的な要素も加わっているので加味しつつ読んでもらえればと思います。


○企画

そもそもこの企画は主宰するオンラインサロン「えんげき△三角形」で自費出版しているフリーペーパー「静岡演劇ぷち図鑑」(以下「ぷち図鑑」)で静岡県内で活動する様々な団体や俳優を紹介していく上で、これまで紹介してきた団体さんなどを中心に合同イベントが開催できれば良いなという思いから企画したイベントです。

元々、演劇公演に関して自分としては複数団体で開催する事を提唱しているし、これまでも自身の劇団を始め様々なイベントやフェスティバルに出演させていただいて得るものも多かったので、自分でも他の団体や若い俳優さんたちにもっと表現する場を与えてあげられればいいなと思っていました。

実際に、自主公演だけだと挑戦できない作品などもあると思いますし、単独公演で短編はやりづらい、しかも自分たちだけでは集客も未知数だし、予算もどれだけかかるか分からない。

それなら会場費や機材などはこちらで用意するので、作品に必要なものだけ自分たちで揃えてもらって、必要な分はチケットを売り上げてもらい、売り上げに応じてバックがある(売上の約50%)イベントにすれば各団体の負担は少なくなるし、自分たち以外のファンにも見てもらういい機会にもなる、さらには今まで名前や噂しか知らなかった関係者とも交流の機会が増えて人脈も広がる。そんなイベントにしようと思いました。

実際に今回で旗揚げした劇団や、今回のために組んだユニットで挑戦してくださった団体もあり、少しは役に立てたのではないかなと思います。


○出演団体

こちらは予想よりも多く集まってくれたなと言うのが印象です。近年は、毎年2月にSPACと共同主催で同じような企画「劇リンピック」を開催していたのですが、こちらは時期的なものも影響していて思うように出演団体を集めることが出来てなかったんですね。

しかし「ぷち図鑑」に関しては企画段階からオンラインサロンで相談したところ3団体ほどが挙手してくださり、そこから劇団Z・Aに出演していた俳優さんが出演希望を出してくださったり、Twitterでの募集を見て応募してくださったりと早い段階で7団体が集まってくれました。

結果として主催である劇団Z・Aが8回公演全てに出演して、他の6団体が4回ずつの出演で均等に上演回数を配置することができました。狙っていたわけではないのですが、今後も開催するときの目安になるかなと思います。

とは言え、次回があるとして今回のようにスムーズに出演団体が集まる保証もないのでそこら辺はしっかりと広報活動をしていきたいですね。


○再現性

上記で次回の話が出たので少しだけ。

実は今回運営を進めていく途中で、一度壁にぶつかりました。その時点で、次回以降はしばらくないなと感じていました。それは「集客」に関してです。

一度に多くの団体を鑑賞できるこういう企画は、正直僕たちとしてはおすすめしやすいし、多くの方に色んな劇団を知ってもらえるいい企画だと思っていました。いや、事実そうなんですけど。

ただ、何だかんだ演劇が盛んではない地方ではお客様は基本知り合いが多く、応援して下さりはするんですが、「〇〇さんが出る時だけ観たい」「他の団体さんはいいから劇団〇〇だけ観たい」「出番が少ないなら次の自主公演を楽しみにしてる」と言う意見もいくつか聞こえてきたんですね。

事実僕のお客様も同じ意見の方がいました。もちろんそれはそれで非常にありがたいですし、嬉しいんです。そしてそれがお客様の本音でもあるんだろうなと思いました。今回は僕自身普段よりも個人的な集客が半分以下だったのもこれが影響しているのだろうと感じましたね。

だから地方で複数団体によるオムニバス企画は歓迎されないのかなと。多くの劇団や俳優を知ってもらいたいと思うのはこちら(演劇人側)の勝手な願いであって、演劇ではなく劇団や俳優のファンにとってはもしかしたら必要とされていない企画なのではないだろうかと思い悩みました。

各団体、団体とファン、そしてファンとファンを繋げたいという願いはもしかしたら僕のエゴで、ニーズに合っていないんじゃないかなと。なので、本番を迎えるまでは正直この企画は今回限りでしばらくは開催できないなと考えていました。

しかし実際に幕を開けると、とても評判が良かったんですね。もちろん各団体それぞれが良さを出してくれたからと言うのが大きい要因でしょうけど、「他の団体も見れて良かった」「あそこの俳優さん素敵ね」などこれまで知らなかった団体や俳優に興味を持つかたが多く見受けられたんです。終演後に初めて観た団体に話しかけてくださるお客様も多くいらっしゃって、「集客」自体は苦戦したけど、やはり観てもらい体感して貰えば伝わるんだなと改めて感じることができました。正直集客に関しては、今後改善をしていく余地は多くありますが、企画の意図はしっかりと伝えることができたと思います。

何より僕自身本当に楽しく開催することができました。各団体が仲良くなる光景を見ることができましたし、劇団同士の横のつながりも強化されたなと思いました。

これまでこう言う交流を持つイベントはあまり参加することができませんでしたし、交流があっても一部の関係者だけで完結してしまうことが多かった気がします。

しかし今回集まってくれた団体の方々は非常にコミュニケーションも上手にしてくださり、今後の活動に微力ながら貢献できたのかなと感じました。

あ、打ち上げに関しては最高に楽しかったです。なので、色んな面を改善してまた開催しようと思います。お楽しみに。

では、次回からは各出演団体の演目などに触れていこうと思います。

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