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発達の気になる子どもについて

発達障害、非定型発達という言葉が、ずいぶん世に浸透してきたように思います。でも、その実態や対応方法については、まだ理解されていない面が多いように思います。
私は、発達を専門に学んだわけではないのですが、自分なりに知ったことや工夫したこと、実際にやってみて良かったやり方や考え方を書いてみたいと思います。

発達障害って?

ここは、定義の部分なので、この分野で有名な鳥取大学の井上雅彦先生のお言葉を引用します。
https://www.med.tottori-u.ac.jp/researchers/pickup/pickup_i.html

発達障がいとは、自閉症スペクトラム、AD/HD、学習障がいなど、脳機能の発達に関係する障害である。対人関係の中での感情や文脈の読み取りの読み取りが困難、特定のものや事象への過度な執着やこだわり、聴覚や接触刺激に対する過度な過敏性や鈍麻、多動性や衝動性、注意の集中困難、読み書き困難、などがその特性である。運動にも言葉の発達にも大きな遅れはないために他者からわかりにくいことが特徴である。そのため、親の「しつけが悪い」とか本人の「努力不足」と誤解されることも多く、その困難さ以上に親も本人も心が傷ついてしまうことも多い。

脳機能の発達に関する障害です。原因は、現在のところ、はっきりしていません。
要は、躾が悪いとか、本人の努力不足ではありません。親が悪いわけでも本人が悪いわけでもありません。
自閉症も、自閉スペクトラム症という言葉に変わりました。スペクトラムは範囲、一連の領域という意味です。
いわゆる健常者でも、濃淡はありつつも特性は一人一人にあります。発達障害者と呼ばれる人は決して「特殊な人」ではなく、健常の人と地続きです。

病院で我が子が診断を受けると、親としてはショックを受けるかもしれません。
逆に、診断がつかないことで、配慮が受けにくく、困っている人もいます。

診断がつくとかつかないや、診断名にこだわらず、その子にあった工夫や対応を覚え、子どもが少しでも楽に生きていけるように環境を整えるのが、一番の対策です。
また、発達障害の子どもへの対応は、普通の子にも応用でき、仕事でも使える工夫が多いです。具体的に、スモールステップで伝える。代替案を伝えるなどです。

気をつけるべきは二次障害

上に書いたように、発達特性は病気ではなく、生まれつきのものなので、原則「治る」ということはありません。
でも周囲の人がが本人の特性を理解し、本人もスキルを身につけることで、社会生活を送れるようになる可能性は決して低くありません。

逆に、周囲の理解が得られず、特性ゆえの言動を叱られたり、バカにされたりし続けると、自信を喪失し、別の問題が起きてくることがあります。
それは二次障害です。

二次障害で代表的なものが、情緒の不安定さから来る抑うつ傾向、学校の行き渋り、行き過ぎた反抗的態度、自傷や他害などです。
ただし、親や学校に十分は配慮があっても、二次障害は起こり得るので、二次障害が見られるからと言って、必ずしも環境が悪いわけではありません。

知識は力になります

自閉症の方で目が合いにくいから、話を聞いているかどうかわからない、また、なにを考えているかわからないから不気味に感じてしまうことがあります。
でも、目を合わせると処理すべき情報量が多すぎるから、話に集中するために敢えて目を合わせないんだという説もあります。それを知っているだけで、納得できたりします。
体をゆらゆらさせるのも、だらしないと思われがちですが、バランスをとるための本人なりの工夫だとすると、叱るほうが不適切なこともあります。
自分なりの努力を叱られると、本人は自信をなくしたり、反発心を持ってしまったりします。

適切な知識を身につけ、子どもが少しでも生きやすくなるように、ついでに親もあまりしんどくなり過ぎず、「努力」ではなく、「工夫」で乗り切りましょう。

具体的な対策については、別の機会に書きます。




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