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女優、モデル、歌手の顔も持つタイで人気沸騰中のイラストレーターEaowen

昨年vision track Artistとして新たに加わったバンコク在住のEaowen(エオウェン)。
何気ない日常の風景を観察し、作品に落とし込むことを得意とする彼女の作品は性別や年齢問わず人気で、既に多くのお問い合わせをいただいています。
シンプルながら情緒があるイラストは品があり、まるで物語が始まりそうな雰囲気が漂い、どこかノスタルジックな気持ちにもなります。
バンコクを拠点にイラストレーターとして活動をする他、モデルや女優としても活躍する大注目の彼女に話を聞いてみました。

ー昔からイラストレーターになろうと思っていましたか?

大学ではコミュニケーションデザインを専攻していて、グラフィックデザインを中心に勉強していました。デザインの世界はとても興味深く、ためになりましたが、デザイン関連の会社に就くという考えはなかったです。

卒業したら何をしよう?と考えた時に、映像の仕事がしてみたいと思い、演技ができる仕事をひたすら探しました。運良くMVやCMの依頼が入るようになり、友人のブランドのモデルのお仕事にもトライしました。元々歌うことも好きだったので、プロデューサーに声をかけてもらい、何曲かリリースをすることができました。

ー女優でもあり、モデルでもあり、歌も歌えるとは!多彩ですね。

がむしゃらでした笑
そんな中コロナが広がり、そういった撮影の仕事もできなくなってしまったんです。
自宅で自分と向き合う時間ができて、久しぶりに絵を描こうと思いました。
小さい頃から絵を描くことが好きで、イラストレーションの勉強をしたことはないけれど、人を描くことは得意でした。
ステイホーム期間中にひたすらイラストを描くことに集中することができて、試しにSNSにそれを投稿をしたところ、予想外にまわりからの反応がよかったので驚きました。

ーパッションを感じるものにはとにかくまずはトライしてみる行動派なのですね!

昔から情熱を感じるものに力を注ぎ込むところがあって。卒業後就職せず、色々なことにチャレンジする私に反対しなかった両親や支えてくれる友人に囲まれてとても幸運だなと感じつつも、自分の気持ちに正直に生きることがなにより大事だと感じています。

イラストは初めて人に認めてもらったという感覚があり、うれしかったですし、とても自信がつきました。自分がやるべきことはこれだ!と悟ったんです。

日常は良い構図に溢れている

ー作品の特徴はなんですか?どのようなものからインスピレーションを受けていますか?

人をモチーフにした線画をメインに描いています。カラーは多用せず、シンプルに。
基本的に自分が実際に見たものをイラストに落とし込んでいるので、現実世界の一部を切り取ったような作品が多いです。
周りの人に言われて初めて気がついたのですが、私のイラストにはポジティブなものが多いそうです。あまり暗い雰囲気や悲しい気持ちになるような要素がないようです。
ふふと微笑ましい気持ちになったり、ほっと落ち着くような気持ちになれるような作品が多いかもしれませんね。
インスピレーションを求める時はとにかく外に出るようにします。
カフェに行くことが多いですが、例えば撮影している時にスタッフが話し合ってる様子を見て、描いてみたり。流れゆく日々の生活をじっくり観察してみると、良い構図に溢れていることに気がつきます。

製作風景


ー仕事の場合、実際に自分の目で見ることができない状況ではどのようにしていますか?

送っていただく資料を参考にすることはもちろんですが、なるべく「静止」状態ではなく、「動いている」状態のものを探すようにしています。
例えば以前Brutusという雑誌のJAZZ特集の挿絵を依頼され、ビッグバンドや著名な演奏者をモチーフを描くことになった時、体の動きやポージング、表情は写真では把握しきれないので実際にジャズバンドを見にいったり、映像を探してひたすら観察しました。
なるべく「リアルな状態」のものを参考にするようにしています。

引用:Brutus No. 979


ーEaowenの作品を見るとどこか心地の良い気持ちになるのは、そういった日常やリアルな情景を切り取ってイラストに落とし込んでいるからかもしれませんね

そうですね、実生活とかけ離れたものを描くことは少ないです。
日々の美しさや温かさに気がつけるような作品をこれからも描き続けていきたいと思っています。

ーイラストを描く時のツールは何を使っていますか?

私は基本的に全てアナログで描いていて、鉛筆と水彩をメインに使っています。
紙は色々と試してみましたが、市販で売っているような普通のスケッチブックの、少しクリーム色のものが自分の作品には一番よく合うと思いました。
イラストの用途によってはデジタルで描くこもあります。デジタルの場合は、線はよりはっきりと出ますし、アナログとは少し雰囲気が異なります。色の付け方はまだ模索中ですが、白黒ベースのものが多いです。
本当の水彩のような繊細さはデジタルでは表現仕切れていない気がするので、アナログをメインに制作しています。

ーバンコクのイラストレーション業界はどうですか?

業界自体は大きくなっているように感じます。イラストレーターも増えていますし、精度もかなり高い印象です。彼らの活動はちょこちょこチェックしていますが、とても良い刺激を受けています。

vision trackに所属している同じくタイ出身のツナ・ダンさんやナット・ダオさんはとても尊敬する大先輩です。会えばついイラストレーションに関する質問をたくさんしてしまいますが、いつも丁寧にアドバイスをしてくれるのでとてもありがたいです。

日本人は独特なデザイン性とカラーリングがDNAに組み込まれている

ー日本には来たことがありますか?

はい、何度か行ったことがあります。
日本はHAPPINESSそのものだと思っています。昼も夜もそれぞれ違った楽しみ方があって、食べ物や建造物など、全てにおいて楽しむことができます。他の国とは違った独自性もあって、例えば文化や慣習などもとても興味深いです。
あと、日本人は素晴らしいデザイン性や独特のカラーリングセンスがDNAに組み込まれていると思います!家の作りにしても、雑貨にしても一つ一つがとても素敵で、日本らしさを感じます。
近々また遊びに行きたいと思っています!

Eaowenの作品
http://www.visiontrack.jp/eaowen/

Eaowen Instagram
https://www.instagram.com/eaowen/

【Eaowen (エオウェン)Profile】
タイ、バンコクを拠点に活動。身近にいる人の何気ない瞬間を捉えスケッチした作品で2020年3月、初個展「SPLIT SECOND」開催。2021年バンコクイラストレーションフェアにて、ヴィジョントラック代表の庄野裕晃賞を受賞。イラストと自身のライフスタイルを発信し5万人のフォロワーを持つ。

<Eaowenに関するお問い合わせはこちらまで>

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