外資系が日本参入するときの難しさと面白さと振り返り

みなさん、おはようございます。

え。もう??
というツッコミが多いと思いますが、1月末でCosmoseを去ることにしました。

今回は後学のためと、RTB Houseのときと比較したときにどんなことが違ったのか、ということを振り返るNoteにしたいと思います。
※本編に入る前に日本参入にあたりサポートしてくださったパートナー企業には恩しかありません。振り返りではパートナー企業についてはほとんど触れませんが、パートナー企業のせいで失敗した、とは1ミリも思っていません。

振り返りその1:その市場に成功したプレイヤーがいたか


Cosmoseが参入した市場はLocation technologyの市場でいわゆる位置情報をスマートフォンなどから取得してそのデータを使ってマーケティングしましょう、というものです。
各キャリア通信企業や大手アプリ企業などが参入してグローバルでも盛り上がりをみせている市場ではありますが、絶対的な王者がいるか、と言われるといませんでした。
例えば情報を取得するにしてもGPSやWiFi、ビーコンを使った精度問題、プライバシー問題などが列挙され、また総務省、経産省に関連する法案のもと情報が取得しづらくなっています。さらにApple、Googleの各ポリシーが2021年から厳しくなっていき、ビジネスとしてのスケーラビリティが不透明になっていました。
一方RTBは、というと2010年からCRITEOからその市場を確立してくれたおかげで、サービスや機能としての認知はマイナーアップデートで済むのでとても実は営業しやすかった、ということに気づきました。

振り返りその2:SUPPLYの準備はされていたか


その会社がどこのマーケットに今注力をしているか、ということや、もしSupplyが必要なビジネスモデルの場合、日本がカバーされているか?というのは気にした方がいいと思います。
例えばRTBHOUSEやCRITEOなどのようにグローバルのSSPやネットワークとつながっていればある程度ボリュームでるよね、という状態とCosmoseの場合は国内のアプリにSDKを実装してもらってユーザーを集めるところからスタートだったので実はそこに大きなスタート地点の違いがありました。
またネットワークと接続するのと、アプリにSDKを実装するのとでは難易度がとても異なり、国内含めて海外でもなかなか難しい、というのを学ぶことができました。

振り返りその3:パートナー企業との足並み、目線は揃っていたか

これはとても難しい問題です。特にCosmoseの場合はパートナー企業(Supply提供企業)がとても大切ですが、彼らとの文化やプライオリティにおいて違いがあるとビジネスはなかなかうまく進みません。
これはパートナー企業が悪い!というのではなく、参入側(Cosmose)からするとパートナー企業には1秒でも早く前に進んで欲しい、というのがあります。それはCosmoseからするとそれが主幹事業だからです。
しかしパートナー企業からするとCosmoseについてはまだ実証実験のフェーズであり、会社としてそこに注力するのかまだ見定める期間(=PoCフェーズ)である場合がほとんどです。
そう言った場合に優先順位や人的リソースなどに両社の開きが出てきます。
それを解決するにはいくつか方法があり、CEOや担当役員にいついつまでにどのくらいのSUPPLYを作りましょう、売り上げを作りましょうという合意形成をとる、もしくは合弁会社を作り一緒にビジネスを伸ばしてもらう。
そういったところまでこちから提案していくべきだったと思います。

振り返り4:過去の成功体験に囚われすぎていなかったか

特に成功体験が直近すぎると、その成功体験になぞった行動をしがちです。
例えばRTB Houseでの成功体験はファッション企業を中心に提案しながらパートナー代理店とセミナーを開いたり、イベントに出展したりして売り上げを築いていきました。
しかしそれは

CRITEOを補完できるようなリターゲティング媒体を探していた

という市場全体の思惑がRTB HOUSEの成長を後押ししてくれていたと思います。
今市場全体が向き合ってる課題にどう思っているのか、自分たちが提案しようとしているプロダクトは今が旬なのか、そうではないのか、ということを常に探る必要がありそういう市場の温度を探る量が減ってしまったと反省しています。

振り返り5:人との会話にどれだけ温度を与えられていたか

これはコロナ禍ということもあり、なかなか難しいんじゃない?という声もあると思います。
しかしやっぱり人間はオンラインではなく面と向かって話すことで思ってることや感じていることを感じ取れる種族なのでは、と思っています。
オンラインMTGが当たり前になると雑談も減るし、資料を投影すると顔もまったく見えなくなります。
もちろんMTGの量が1.5-1.7倍くらいになったのはとてもいいことなのですが、その分1回あたりの濃密さなどについては減ってしまったと思います。

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