食卓に出す前にわざと味を落とすようなものだ
10年ほど使った温水洗浄便座が壊れたので、買い換えた。
シャワーでお尻をキレイにしてくれるアレだ。
壊れた機種には基本の「洗う」に加え、
・洗浄水が強弱を繰り返す「マッサージ」
・弱めの洗浄水が出る「やわらか」
・ノズルを前後に動かせる「洗浄位置調節」
の3機能がついていた。
同メーカーの後継機を見つけたが、何やらおかしい。
一つの同じ機種なのに、買う店によって
・Kデンキなら「マッサージ」のみ
・Y電機なら「やわらか」のみ
・Bカメラなら「洗浄位置調節」のみ
しかついていないって何それ、ケチくさい!
やむを得ず、3択からずいぶん悩んで「やわらか」を購入した。
でも、話はここで終わらない。
数日後届いた便座を取りつけた。
壁掛けのリモコンも、「マッサージ」「洗浄位置調節」のボタンがない淋しいものと交換した。
あぁ、もうマッサージしてもらえんのやなぁと涙ぐもうとした時、取り外した古いリモコンのマッサージボタンについ指が触れた…
ウィーン…ウィンウィンウィン…
なんと、新便座は健気にもマッサージを始めたのだ!
は? どういうこと?
…便座側には3機能が装備されていて、リモコン側のボタンがそのうち1機能だけを選んで搭載されている…な、なんやねん、それ…
リモコンをまたそそくさと古いものに付け替えた。
せっかくいいもの作っておきながら、わざわざ制限加えて機能落とす?
最高の材料揃えて作ったご馳走を、食卓に出す前にわざと味を落とすようなものだ。
もちろん3種類をそれぞれ作り分けるより、万能機を作ってから機能を制限して3種類にする方が効率がいいのは、大人の自分には分かる。
ではなぜ3種類に分ける必要があったのか、そしてそれらをなぜ量販店ごとに売り分ける必要があったのか。
子どもの自分にはまだよく分からない。
(2021/2/11記)
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