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「ふいん」の音の響き、なかなか気に入っている

昨日、仕事の研修で新宿へ行っていた。
朝から夕方まで、それはそれはみっちりと。
途中の休憩時間にスマホを開く元気もないくらいに脳ミソ沸騰気味。

そうなることは予想できていたので、疲れを吹き飛ばすべく、事前に文子さんとしえんさんに呑みましょう!とお声がけしていた。
文子さんは11/20に、としえんさんは12/15に、それぞれ神戸に来訪され、僕がアテンドした大切なお客さまだ。
それぞれでアテンドのコースは違ったが、新神戸にある日本三大神滝〈布引滝〉からガイドを始めたのは共通していた。
そんな縁で、昨日の3人の集まりを僕は「東京布引会」と名づけて呼びかけたのだ。

ぜひお会いしましょう!となって、昨晩新宿で3人で集まった。
文子さんととしえんさんは互いに面識がないうえ、僕の研修がやや延びたこともあって、僕のスマホには2人から次々と連絡が入る。
しかも、待ち合わせ場所にしていた伊勢丹が、あろうことが特招デー(得意客限定営業)で入れず、3人はのっけから離散家族のように行き会えないでいた。
それでもなんとか路上でキョロキョロ歩くとしえんさんを偶然見つけ、近くのマルイでひたすら待っていた文子さんを見つけ、なんとか流会にならずにすんだ。
まったくやれやれのスタートだった。

文子さんのオススメで向かった先は、焼肉の老舗〈長春館〉。
昭和29年創業、東京でもっとも歴史がある焼肉店という。

チェーンと違って結構なお値段なので、食欲をきっちりセーブし、3人でチビチビ焼き、チビチビ食べた。
みな立派な大人だからそういう芸当ができるのだ。
ガス火ではなく炭火なのも、ゆっくり焼けてガツガツせずに済んでいい。
これで大丈夫と思っていたのに、うかつなことに3人ともガブガブ呑んでしまい、あとの会計で目を剥くことになる。
みな立派な大人だからつい呑んでしまうのだ。
久々の正統派焼肉、いやぁ美味。

文子さんからはお菓子を、としえんさんからはお手製の絵をいただいた。
こんなお土産をご用意くださるなんて、ただただ感激。
ありがとうございます。
手ぶらの自分が恥ずかしい。

ん?

としえんさんの絵に目が止まる。
「東京布引会」の結成を記念して描いたとのことで、それはそれはかわいい絵なのだが、絵の中に「ふいん ふいん」とある。
なんだろう…ま、いいか。

しかしこの直後、すべてが明らかになる。
話の中で僕が「東京布引会の結成を祝って」と口にしたとき、としえんさんの表情が曇った。

ん?

としえんさんが恐るおそる口を開く。
「…もしかして『布引』って『ぬのびき』と読むんですか?」

——あ! もしかして「布引」を「ふいん」と読んでました?

もう3人の笑いは止まらない。
アテンドの際、文子さんは僕から「ぬのびき」と説明を受けたと言い、としえんさんは一切説明がなかったと言う。
どうやら悪いのは僕らしい。

ということで昨日結成したのは「東京ぬのびき会」ではなく「東京ふいん会」だ。
「ふいん」の音の響き、なかなか気に入っている。

とても楽しい夜を過ごさせていただいた。

(2024/2/3記)

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