無本番・練習日記2021年3月1日~3月7日

2021年3月1日(月)
シューマン:『おとぎの絵本』Op.113
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
 歌詞対訳のスコアへの書き写しを優先し、残りの時間で駆け足練習。昨日やり損ねた、準備運動を行わずに曲から弾く練習を行う。午後だったからか予想よりも指は動き、やりづらいことと言えばせいぜい装飾音が入れにくいくらいだった。1楽章から順番に弾いていく。過去の書き込みに振り回される回数は減ってきた気はするものの、やはり譜面は買い直すべきか迷うところ。書き込みを適度にやり過ごすことが出来るようになったとしても、思いもよらぬ瞬間に拘束力を発揮するのが困りもの。
 バロックヴィオラはジェミニアーニの9番のみ。音が掠れたらその区分を弾き直す。頭と身体のタイミングの一致を図る練習。最後まで弾いたところで時間が来てしまった。

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2021年3月2日(火)
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
音階(C-dur , a-moll)
カイザー:36の練習曲 Op.43
 今日はバロックヴィオラからの音出し。ジェミニアーニの7番と9番。どうやら音がうまい具合に出せる時は腕も動かしやすいタイミングで動かしているらしいので、腕がスムーズに動かせることを優先して弾いていくことにした。頭で拍を数えて、そこに音符を合わせていくのとは少し違うらしい。楽器は右と左と、気まぐれに構える場所を変えながら。弓の感触は少し変わるけれど、それぞれに良さがある(多分)。
 モダンヴィオラは曲を弾かず、基礎のみ。音階を弾いてカイザーを選択。前回の続きで、15番と16番。すぐに終わらせて次へ行くつもりが、16番がなかなか弾けない。テンポ設定が曲に合っていないのか、曲の捉え方が違っているのか定かではないが、弾けないことは確か。弾けない原因を探しているうちに時間は過ぎ、結局わからずじまいのまま時間切れとなってしまった。
 音出し練習の前後でヘルツォーゲンベルク『受難』スコアへの歌詞対訳書き写し作業。非効率であることはわかっているが、対訳を眺めるだけではわからない、言葉のやり取りのテンポ感などがあるため、やはり今のところは時間が許す限り手書きで行うのが良いのだろう。何ととか写し終えることができて一安心。これでリハの時も少し楽になるはず。

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2021年3月3日(水)
他用のため練習お休み。

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2021年3月4日(木)
音階(C-dur , a-moll)
カイザー:36の練習曲 Op.43
ヘルツォーゲンベルク:『受難』ヴィオラパート
音階(C-dur)
クロイツェル:42の練習曲
 今月はモダン月間なので、モダンヴィオラから練習開始。音階を弾き、前回の練習で弾けなかったカイザーの16番から。スラーをバラし、音の居場所を探り、それでもどこかで必ず引っ掛かってしまうのは何故なのか、原因を考えた。結果、どうやら今弾いている場所の先のことを考えすぎているのではないかという結論に至った。音符が細かくなった途端「今」を疎かにしてしまいがちなのは悪い癖だ。取り越し苦労も似たようなものだろうか。
 カイザーの後は来週火曜日にオケ合わせが迫ったヘルツォーゲンベルク『受難』を見る。先日書き写した歌詞対訳を参考にして、細かい内容をわかっていなかった曲や、第2部の裁判の場面付近を中心に。譜面が似ていても調性の変化や台詞の内容で演奏表現を変える必要があるので、言葉と歌詞の内容を考えつつの、少し掘り下げた練習となった。あとはオケ合わせと歌合わせで掘り下げることにしよう。第1部も歌詞の意味が把握できたことによって、よりイメージが掴みやすくなった。曲そのものの捉え方にも影響して来るので、やはりフィーリングだけで弾こうとするのは注意が必要だ。
 バロックヴィオラは楽器の無事確認も兼ねて、音階とクロイツェルの2番を弾いて終了。

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2021年3月5日(金)
クロイツェル:42の練習曲
 音出し時間が限られていたため、練習は手短に。昨日無事確認しかしていなかったバロックヴィオラから、クロイツェル。いつも弾いている2番は基本形とボウイングのバリエーションをいくつか。ホフマイスターのための予備練習として長めのスラーの練習もしたかったため、今日は9番も取り入れる。久しぶりに弾くと指の根本が疲れて痛くなる番号。モダンと弾き心地がやはり違ったので、クロイツェルの42曲をバロックで一通り弾いてみるのも面白いかもしれない。3/4拍子で一小節分のスラーは、予想していたよりも弊害は少なかった。
 モダンヴィオラでもクロイツェル。こちらは17番と38番。そういえば最近クロイツェルの後半はあまりやっていなかった。時間の経過とともに楽譜の捉え方が変わっていくせいか、以前のような重音の音程へのプレッシャーは少なく、音符一つ一つの重さも軽量化されていた。ただし、音楽を途切れることなく紡いでいくのは気が張る。どこかに「上手く弾こう」という欲がまだこびりついていて、この欲と付き合っていく方法を考えるのも課題の一つ。一度楽器を弾き始めると、なかなか気持ちから引き剥がすのが難しい欲求(というより煩悩かもしれない)だ。

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2021年3月6日(土)
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
カイザー:36の練習曲 Op.43
 どうにもやる気が起きず、ゆるく練習。バロックもモダンも、エチュードのみ。
ジェミニアーニは13番。Prestoと書いてあるので本来ならその雰囲気と速さを目指して練習する番号なのだろう。しかし今日の気分は伸びきったゴムのようになってしまっているので、Prestoは目指さず。腕と弓が支障なくある程度速く動いて、音が出ていれば良しとする。はじめは平行調で組み合わせて弾いていたが、段々面倒になってきて、最終的には楽譜に書かれた順番で弾いていた。
モダンヴィオラはカイザーの15番~20番。f(フォルテ)と書いてあっても、音量を出すことはせず(そもそも大きい音を出す気が起きない)表現や音符の扱いで音量を補えないものか、とにかく頭と体の働きを最小限にできるよう、省エネの方向で弾く方法を探していた。見開き1ページ分あるクロイツェルやドント、ヴューの練習曲のように、練習時間全体で1曲にしがみつかなくて済むのが、この練習曲の嬉しいところ。それぞれの番号に短いながらも違う個性があるので、気分転換しながら何とか練習することができた。
とりあえず次回の練習では、両方の弓に松脂を塗ろう。

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2021年3月7日(日)
シューマン:『おとぎの絵本』Op.113
ヘルツォーゲンベルク:『受難』ヴィオラパート
 「忘れないため」の練習として、モダンヴィオラのみ音出し。シューマンは各楽章を一回ずつ通し、ヘルツォーゲンベルクは第2部を主に見る。どちらも「パート譜として見る」ことを心に留める。特にヘルツォーゲンベルクはオケのみの合わせが明後日に迫ったため、自分の中のイメージで演奏を固めることを避け、音符の本質的な部分に対してアンテナが動かせる状態を目指す。
「アンサンブルは心の柔らかさ」と言ったのは、どの先生だったか(確かヴィオラの先生だった気がする)。新型コロナウィルスの影響で本番の機会はおろかアンサンブルの機会すらめっきり減ってしまってから早一年。3人以上の合奏は本当に久しぶり。どんな風だったか、アンサンブルの感触が頭だけでは最早思い出せない。楽しみに不安が勝る。
ヘルツォーゲンベルク『受難』の器楽パート、楽器編成は「Vn1+Vn2+Va+VC+CB+ハルモニウム+オルガン」。

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