無本番・練習日記2021年7月5日~7月11日

2021年7月5日(月)
音階(C-dur , a-moll)
クロイツェル:42の練習曲
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジー第1番
 昨日まであまりお相手できていなかったモダンの方を弾く。幸い楽器が重いと感じることはなく、ただ基礎練習に対する集中力は落ちていると見え、楽器を肩から下ろす回数は多目。せめてもの抵抗で、椅子には座らない(座ったら最後、そのまま10分は休憩し続けることになる)。
 音階とクロイツェルの20番、バッハの無伴奏チェロ組曲は3番のPrelude。さてどう弾いたものか。まだペトルッチでダウンロードした楽譜の方はプリントアウトしていないため、今持っている楽譜から弾き方を探るしかない。ボウイングをどうするか、他の出版社のものはどんなボウイングだったか。考えれば考えるほどドツボにはまる気がして、目の前のボウイングで弾く方法を考えることにした。出版社によって全然違うであろうことを考えながら。こういう時、大学図書館の利用が制限される現在の状況は辛い。
 テレマンは曲忘れ防止のための音出し。GraveとLargoをさらう。Allegroは明日以降に。

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2021年7月6日(火)
音階(C-dur , a-moll)
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジー第1番
 今日もバロックヴィオラは弾かず、モダンヴィオラのみ練習を行う。
 音階を弾いた後はバッハの無伴奏チェロ組曲3番のPreludeと、今日は少し足を延ばしてAllemande。やはりボウイングは変えた方が良い気がしてしようがない。ではどう変えるのか、具体的な方向は決まっておらず。ただ音の形に合っていないのか、どことなく弾きづらい。Allemandeは譜読みのし直し。3番は6曲ある中でもあまりさらってこなかった番号なので、以前のイメージを払拭するためにも、譜読みのやり直しは必要と思われた。
 テレマンは昨日やらなかったAllegroの練習。短い演奏時間で曲の楽しさをいかに引き出すかが課題。楽譜を追っているだけでは、どの曲も恐らく重音が難しいだけで終わるだろう。

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2021年7月7日(水)
他用のため練習お休み。
今日は七夕。そうめんの日。

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2021年7月8日(木)
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番
 先週日曜日の本番が終わってから、一度もバロックヴィオラの音を出していないことに気がついた。とりあえずジェミニアーニの8番を取り出す。弓の使い方と弦の関係を頭の片隅に置いての音出し。途中「音は長さが長くなるほど存在感が増して、細かい音になるほどスリムになる」バロック時代の音楽の原則を思い出し、それも脳内メモに加える。
 J.S.バッハはモダンヴィオラで練習。主にPrelude。昨日用事の合間を縫ってペトルッチで古い楽譜を見ることができたので、そこから得た印象を加味しつつ、現在使用中の楽譜のボウイングを活用する方向で練習を進める。これにはこれの意図があるはず、たぶん。
 この時代の音楽の原則のようなものを、過去の記憶を掘り起こしてどう弾いたものか考えていく。ついでに音符の扱いも、音価の長さそのものだけではなく、質や音の持つ適正体重に着目してみることにした。これは、どこか停滞感が抜けないのは、出している音が音楽に対して体重オーバーなのではなかろうかと仮定してのもの。譜読みと言うより、整理整頓に近いかもしれない。

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2021年7月9日(金)
他用のため練習お休み。
特別講師として、大学の授業で演奏賛助を行う。

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2021年7月10日(土)
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジー第1番
 用事を済ませて帰宅して、明日のための練習をするのは今日が最後の機会であることに気付き、青くなる。日々の練習として取り入れていただけの曲が、まさかストックとしてこうして役に立つ日が自分自身にも来るとは思わなかった。「レパートリーを増やす」という表現が用いられるけれど、日頃の生活で言えば作り置きの常備菜のようなものだろうか。
 指を回すことよりも、臨機応変に演奏できるよう、むしろ音の居場所を一音一音再確認するような練習方法を選んだ。

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2021年7月11日(日)
合同発表会当日。
講師演奏でテレマンを弾く。
 暗譜で無伴奏作品を演奏する時に怖いのは、暗譜が飛んでしまうのは無論のことながら、「どこまで弾いたかわからなくなる」瞬間が時々訪れること。これは先月6月26日の本番でも起こった現象だった。集中力が切れるのか、切れていないけれど方向転換してしまうのか、原因は定かではない。本番中に我に返るのともまた違う。
 何も考えないように、脳内会議を叱咤激励して阻止するというのも妙なものだけれど。そうしなければ先月と同じ轍を踏んでしまいそうで、若干怖かった。10分以内と短い曲だったのが幸いして、何とかバランスを保つことができた。
 やはり本番には魔物が棲んでいる。何が起こるかわからない。
 そして「何てことなく弾いてるように見える」道はまだ遠いと実感。


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