無本番・練習日記2021年6月28日~7月4日

2021年6月28日(月)
音階(C-dur , a-moll)
クロイツェル:42の練習曲
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジー第1番
 色々な意味を含めてリセットの日とする。バロックヴィオラは湿気対策も兼ねて、モダンの練習中ケースの蓋を開けておくに留める。
 音階、クロイツェルの2番と20番、テレマンの1番はAllegroを中心に練習。テレマンの無伴奏ファンタジーはしばらくバロックで練習に取り入れていたので、モダンで弾くのは久しぶり。楽器の感覚は引きずっておらず、さりとて曲を忘れているわけではないので空白期間としてはちょうど良かったのかもしれない。
 先週はバロックだったが、今週はモダンも活躍する期間。楽器の重さ、弓の感触に今のうちに慣れておこう。

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2021年6月29日(火)
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジー第1番
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番
 リセット期間2日目。テレマンはLargoからさらう。バロックとモダンの得意不得意、性質の違いをヒシヒシと感じつつ、そこで感じている不便さをも演奏に利用できるように演奏を進めていく。状況や課題を乗り越えようとすると余計なエネルギーを使うような気がして、順応・適応を目指すのも良いかもしれないと、先週末の本番を経て考えるようになった。ならば大きい音も無理に慣らす必要はないし、必要とする音量は楽器と自分自身の身体がより良い方向に判断してくれるだろう。演奏速度も同様に。思えば最終目標は楽譜に載っている内容を表現することであって、載っている情報をスイスイ弾くことではないのだった。いつか聞いた「技術は誠意」の言葉の意味が、10年近く経った今ようやく感覚としてわずかながらに染み込んできた気がする。完全理解には程遠いけれど。

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2021年6月30日(水)
他用のため個人練習お休み。

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2021年7月1日(木)
J.S.バッハ:カンタータ21番、29番、93番(ヴィオラパート)
 しっかりと練習するには時間が迫っており、さりとてバロックヴィオラに丸3日触らずに明後日のリハーサルに臨む度胸はなく、カンタータのヴィオラパートを一通り音出し。

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2021年7月2日(金)
仕事のため個人練習お休み。
ヘンデル:オペラアリア数曲など
 大学授業の賛助で、ヘンデルのオペラアリアなどをモダンで弾く。ありがたいことに今はある程度有名なオペラであれば、ネット検索で家から出ることなく作品のあらすじや歌詞対訳、果ては演奏動画まで探すことができる。全くの知識ゼロで弾くには厳しい8分音符だったので、本当に助かった。
 『水上の音楽』のホーンパイプを弾いたのは何年振りなのだろう。高校の部活以来かもしれない。

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2021年7月3日(土)
合わせのため個人練習お休み。
J.S.バッハ:カンタータ21番、29番、93番
 明日の本番に向けて、弦分奏の後合唱団との合わせ。バロックヴィオラでバッハのカンタータ。弦分奏はコロナ以来で、音程の確認・和声の形成を、より綿密に行うためのもの。木曜日に短時間ながらも楽器に触っておいて良かったと思いつつ、パズルのピースのように音程がハマる場所を探る。
 マスクのせいか場所のせいか、個人的には音量バランスが終始わからないままの時間となってしまった。湿気も手伝って、楽器もあまり鳴らない様子。そして色々対策を考えているうちに、頭でっかちの演奏になって身動きが取りづらくなってしまった。
 一つ判ったのは、音量云々で判断するよりは、小編成のアンサンブルであれば「仲間に入れて~」の気持ちで音楽に入っていってしまった方が上手くいくらしいということ。このことについては明日の本番会場で改めて考えることにする。

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2021年7月4日(日)
本番当日のため練習お休み。
J.S.バッハ:カンタータ21番、29番、93番
 アマチュア合唱団との本番は、コロナ発生後のものとしては初。本番会場も、バッハのカンタータも、コロナで中止延期になっていた分久し振り。カンタータはこんなに頭と神経を遣う音楽だったか。
 ステリハから、演奏時のみマスクを外して演奏。マスクの有無で聴こえ方は大いに変わる由。半信半疑で外してみたら、嗅覚だけでなく聴覚からも様々な情報が飛び込んできてびっくり。情報量の多さに頭が一瞬混乱した。鼻と耳は繋がっていると知ってはいても、ここまで鮮やかに体感するとは思いもよらなかった。マスクを外した瞬間飛び込んできた木の匂い(隣りはオルガン)は忘れがたい感覚として残るだろう。
 リハ・本番ともに昨日気付いた「仲間に入れてもらう気持ち」でアンサンブルに参加することを実践。残念なことに客席でどう聞こえていたかがわからなかったため、結果は不明。ただし本番そのものに心地よい疲れと充足感でいっぱい。

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