![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/142586125/rectangle_large_type_2_f0f34a6aeab062a6b0d59d987190cf80.jpeg?width=800)
風Vn2024:表板「うちわの羽先」に適度なストレスをかける
「うちわ」の羽が生み出すような音を作るには
その仕組み作りに「センス(扇子)」がいる。
初登場ではないと思うけど、お気に入りのフレーズ。
特に最近、表板の「うちわ」をどう動かすのかを、
ずっと、ずっと、考えていると、
ナンセンスなアイデアが浮かぶたびに
「あぁ、私にセンスをくれぇー」とじたばたして、
このフレーズにたどり着く。
少し前に説明しましたが、「うちわの羽のように」と言っても
音を出すためには、高速で振動させる必要があるのです。
下図の波形では、10000分の3秒になっていますが、
もう少し遅い方が音が良い気がするので、
1000分の1秒ぐらいを目安に考えていきます。
(今後1000分の1秒を 1ms(millisecondの略) と表現します。)
![](https://assets.st-note.com/img/1717225122407-7jEcdZgM4J.jpg)
さて、うちわの羽を1ms周期で動かしながら、
優しい音色を生み出すためには、どうすればよいのでしょうか?
なんとなくですが、
心地よい程度の「適度なストレス」を「うちわの羽」にかけること、
と思いました。
では、どうやって?
この自分への問いかけに、しばらく悩んでいたのですが、
絶対にやらんとあかんことを書き出すことで、
見つけることができたので、今回紹介します。
表板が、一番やらんとあかんこと、わかりますか?
もったいをつけるのではないけど、
これをやっていれば、経年変化を待たなくても、
100年ぐらい経過したヴァイオリンのような音が
作れると思います。
どちらかと言えば、やったらあかんこと、なので
そのように説明すると、
(1) 表板が勝手な動きをすること
(魂柱位置で、表板が裏板よりも強いこと)
(2) 表板が魂柱(裏板の動き)にはじかれること
加えて、モダンの駒がそれを助長している。
加えて、モダンの駒がそれを助長している。
加えて、モダンの駒がそれを助長している。
くどい。けど、強調したい。
つまり、表板(スプルース)は、裏板(メイプル)よりも
経年変化でへたってしまうのが早いので、
徐々に裏板に追従しやすくなり、
(1),(2)の特徴が減ってくる。
これが、「ヴァイオリンが育つ」と言われる所以に
つながっていると思います。
話を元に戻して、
(1)の表板が裏板よりも強いのは、ここでは除外して、
問題は、(2)の裏板にはじかれてしまうパターン。
下図にサンプルとして3つのパターンを用意しました。
裏板の動きに合わせて魂柱が上下した時、
どの表板が魂柱をホールドしやすそうですか?
A,Bの両端を手に持って、魂柱を押さえた時の
やりやすさを想像してみてください。
![](https://assets.st-note.com/img/1717225560696-Nj2pZjHv4l.jpg)
(a)の短い表板の場合、
A,Bの持ち手の力加減によって左右にぶれやすいですね。
(b)は表板を長くしてみました。
(a)よりは良いですが、しなりが少なければ、はじかれそうです。
(c)は表板と魂柱の接地面よりも、持ち手A,Bを下げてみました。
下から引っ張り下げることで、ホールドしやすそうです。
これらより、表板が魂柱にはじかれないためには、
(c)のように、魂柱から離れた場所かつ、低い場所からホールドすることが
理想的だと言えます。
では、実際に表板の中で、どのように魂柱をホールドするかを
下図の橙色部分に示します。
前述の図とイメージを合わせるために向きを変えています。
「魂柱ホールドバー」とでも名付けましょうか。
フレーム近くの低い場所に両サイドを配置して、
魂柱位置を高い場所にしています。
![](https://assets.st-note.com/img/1717225754948-4T8EFq3jKV.jpg)
「魂柱ホールドバー」は、駒が①の方向に力をかけることで
しっかりと魂柱をホールドすることができます。
①の方向に安定した力をかけるためには、
バスバー側が弱いことが前提です。
「風Vn2022」にも、この仕組みは入っています。
そして、ようやく「風Vn2024」でサポートする
「うちわの羽」に「適度なストレス」をかける話に戻れました。
気が付いたのは、下図のように
「魂柱ホールドバー」をバスバー側に押す力①を
「うちわの羽」にも流せばいいのでは②
ということです。
![](https://assets.st-note.com/img/1717225868426-w3lRz8hA98.jpg)
具体的にどうすればよいのか、今の時点では明確ではなく、
この記事を書きながら考えています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?