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風Vn2024:表板-裏板間インターフェース(コーナーブロック)

 ヴァイオリンは、表板土台を押し広げて、
コーナーを外に押し出すことで、柔らかい音色を作る。
 
これに挑戦したい、と思う人のために、
先に心配事を減らして、、、もしかして過干渉やろか、
 
とにかく、今回はコーナーブロックについてお話します。
 

何を心配しているかというと、
ブロックの形次第で、コーナー切っ先を外側に押し曲げすぎて
壊してしまう可能性があるのです。

 

下図は、私が2012年の作品の制作中の写真ですが、
「風時代Vn」では推奨しない、サンプルとしてのせます。
 
整形前は、赤点線の形をしていたコーナーブロックですが、
必要最小限にカットしていました。


しかし、下図のように、表板がコーナーを押し出した時、
切っ先に負担が集中しそうで、不安を感じたのです。


その時、私の頭に浮かんだのは、
 
「コーナーブロックは、もう少し内側に広い方が良くない?」
ということです。
 
再度、整形前のブロックの形を見てみると
内側に広げられる余力スペースが、既に在るじゃないですか。


あれ?  もしかすると、
「ストラディバリのヴァイオリンのコーナーブロックって
内側にふくらんでたのかも?」
 
確信を得た私は、
「風時代Vn2022」では、下図のように、
ブロックの形は、下図のように内側にふくらんだ形を採用しました。


では、下図を使って、話をまとめます。
 
ストラディバリのモールドを代表例として
下図の整形前のコーナーブロックの形(赤線)は、
 
(1) たとえ、コーナー切っ先に力がかかっても、
  切っ先だけが押し曲がって壊れないように、
  コーナーブロックは内側にふくらんだ形にする(水色部分)。
 
(2) 表板が外に押し出す力Aに対して、
  「ねじれの入口」を押し下げるBの力を作る。
 
これらを理解した上で、どうするか検討してみてください。
 

これまで、不明確だった部分が、
何がやりたかったかを理解することで、
謎が解けてきた気がしませんか?


  



 

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