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風Vn2024:f字孔の「切り欠き」その2

 少し前に、表板f字孔の「切り欠き」の意味について記事にしましたが、
今回は、その続きの話になります。
 
 
表板土台がコーナー①を押し出した力が、
f字孔の切り欠きにより②まで押し曲げることができました。
しかし、①の力は、③、④まではスムーズには届きそうにない。
さて、どうしましょうか?
 
(1) 妥協する
(2) 頑張る
 
いつも、この選択で悩むのですが、
今回は、作品自体の大きなテーマになりそうなので、
頑張ります。



ここから、下図を使って説明します。
表板バスバーの端Bは、表板土台に固定されていて、
表板土台が内側にねじれた分、バスバー端Aが押し下がるのですが、
 
なんとか、この力を③、④にのせたい。


 しかし、今、私にわかっていることは、
この③、④の力は、かなり弱く、横方向に力を流して、
横板を傾けることは、かなり難しいです。
 
さらに、①、②、③、④の力で作ったねじれは、
下図のバネの例のように強さでも連携がとれているべきなのです。


ここで、気が付いたのは、f字孔の「切り欠き」は
種類の違う①、②と③、④の力を、つなげる役割があると感じました。
 
バネで言えば、図のように少し重ねるようなイメージかな。
 
さらに思い付いたのは、①の力がもっと強ければ
f字孔の「切り欠き」は左に移動するのかという疑問。
 
試しにデザインしてみたけど、そんなに変じゃない。
こういう時間が、とっても楽しい。


今回が良い例だと思うので、付け加えると、
デザインは、何を目的に作ったか、明確な機能があると、
より生き生きとしてくる気がしています。
 
作り手の自由度も高いし、
何かを産み出している実感があるのです。
 
切り欠き一つ作るだけでも、工夫の余地がたくさんある
オリジナルなヴァイオリン製作の魅力を
これからも伝えていきます。
 
宜しくお願いします。


 



 
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