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まず、段落をつくろう

職業柄、ライティング初心者から有名なライターさんの記事まで毎日目にしていて、意外と気になるのが「段落」の概念が抜け落ちている記事や文章。意味のまとまりを形成し、見た目のきれいさを確保するために大切な前提なのに、なんとなく改行している人がとても多いのです。

文章が苦手でも得意でも、まずは段落をつくって、見た目から入ってみませんか。

そもそも

段落はこのかたまり(まとまり)です。

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段落というと、作文の授業で習った「一字下げて始まり、次の一字下げまでのひとまとまり」と覚えているのが普通かもしれません。ですが、文章を書くうえではもう一歩踏み込んだ認識が必要です。

基本のき「ひとつの段落にひとつの主張」

段落は、ただの形式ではなく意味のまとまり。日本語の段落は若干あいまいさがありますが、いわゆるパラグラフ――新しく改行されて始まる、相互に関係しているいくつかの文のまとまり――と理解するほうが覚えやすいかもしれません。

ここで大事なのは、関連性があるからといって複数の話題や要素を一段落に盛り込まないこと。「ひとつの段落にはひとつの主張」が鉄則です。

ひとつの主張から別の主張に入り、段落を変えるべきポイントはいくつかあります。この「主張」とは、記事全体を通して伝えている大きな情報や意見ではなく、文章上の一つひとつの情報・内容と捉えてください。

具体的には、
・「しかし」「ところが」「または」など話が転換するところ
・「以前は」「〇月〇日」など時系列が動くところ
・主語や登場人物が変わるところ
・具体例を挙げるところ
などです。

どこで段落をつくればいいのか分からなかったら、まずはこれらの4つのパターンに当てはまるところで段落を変えてみてください。

一段落の文字数

「基本のき」ができたら、次に意識すべきは文字数です。とにかく、文字数が多すぎることが多すぎる(本当に)。

用紙やページの見え方にもよりますが、いずれにしても300字を超えたら多すぎます。カタカナの長い名詞を入れてもいないのに300字を超える長さになっていたら、内容を削るか、新しく段落をつくれる箇所がないか探してみましょう。

原稿(1記事)全体の文字数が1000字以内ほどであれば、一段落は150~200字程度が妥当です。具体例を出していたり、難しめの用語や情報についての説明が必要だったりする場合は、多少長めでも違和感がありません。

一行ずつ改行しないこと

これもよく見る「一行ずつの改行」。句点が改行の目安だと思われているのか、すべての文で改行をしている記事やサイトが時々あります。

意図的であれば好みの範疇ですが、実際一行ずつの改行は内容のまとまりが見えず読みにくいものです。なんとなく改行するよりも、段落をつくって記事の見た目を整える方が良いでしょう。

紙媒体、特に縦書きの用紙や書籍・雑誌などであれば新しく段落をつくるだけで見やすくなりますが、横書き・PC上の文章であれば「新しく段落をつくる+段落間を一行空ける」形がきれいに見えます。ちなみに #note は仕様でこの空きができるので、改行するだけでOKです。

見た目の美しさ、大事……!


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