起業奮闘記 その1 (スイスでワイン造ってるの#20)
スイス好き、スイスワイン好きが高じて、輸出入の経験ゼロ、お酒を扱ったことも無し、さらには営業経験もゼロなのに、熱い想いと勢いで脱サラしてスイスワインの輸入商社を起業した私ですが、起業にはつきものの苦労の波が次から次へと押し寄せてきました。
そんな苦労話を3回に分けてご紹介します。
ひらめき
まだサラリーマンだった2018年の9月、10年来のスイス人の親友(Roy Hofer*)と一番のお気に入りのスイス北部のワイナリーでぶどうの収穫を手伝っていたときのことです。(下写真)
ぶどうのできが非常に良く、ミツバチがブンブン飛んでいる中、ピノ・ノワールを摘んでいる時に突如「こんな素晴らしいワインを手荷物で持って帰って親しい友人と飲むだけでなく、日本の人々に紹介したい!」**とひらめきました。
ぼく「なぁ、なぁ、Roy、俺ここのワインを輸入するビジネスしよかな〜」
Roy「ええやん、ええやん!やれよ、やれよ!俺も手伝ったるで!」
その時はぼんやりとしたアイデアでしたが、日本に帰国して日が経つにつれてスイスワイン輸入ビジネスを始める思いがどんどん強くなっていきました。
ちょうどそんな時、まるで心の内を見ていたかのように勤めていた会社が早期退職者の募集を始めたではありませんか!
「これは神様が脱サラしろと言っているに違いない!」と思い、思い切って早期退職に応募しました。
ワイナリー巡り
スイスワイン輸入ビジネスを始めるため会社を辞めたものの、何から手を付ければ良いのか皆目見当がつきません。
とりあえず仕入れ先を見つけようと思い、翌4月に再びスイスに戻りました。
しかし!どうやって取引先を見つければ良いのでしょう?
とりあえず、ぶどうの収穫を手伝ったワイナリーに行き、
「おたくのワインを日本に輸出しませんか?」
と尋ねると、
「手続きとかようわからんけど、お膳立てしてくれるんやったら売ったってもええで〜」
と言ってくれるではありませんか!
おーっ!とりあえず1軒ゲットしたで!
Roy「次どうすんの?」
ぼく「どうしよう?」
Roy「(アッサリ)知らんがな」
なんと薄情な男でしょう(笑) 親友が困っているのに「知らんがな」の一言で済ませるなんて…
ダメもとで「スイスベスト150ワイナリー」という本 (写真上) に掲載されている良さげなワイナリーにメール・電話して、会ってくれるところをRoyと一緒に訪問し、テイスティングを重ね、取引先を見つけてきました。
テイスティングの相棒はもちろん「テイスティングにはコレ!」で紹介した「コレ」です。(写真下)
もう本当に「コレ」はええ仕事してくれるのですよ~。
輸入ビジネスは「ド」が付く素人がゆえのワイナリー探しの方法ですが、振り返ればとても楽しい旅になりました。(旅の途中のハプニングは以前ご紹介したこちらの記事をご覧ください:「まさかのトンネル閉鎖!」)
次回は帰国してからの会社設立の奮闘記です。
お楽しみにしてくださいね〜
* Roy Hofer
スイス生まれのアート・ディレクター、グラフィック・デザイナー
https://www.torocreativelab.net/
合同会社ヘルベティカのロゴとWebサイトをデザイン
**この時収穫したぶどうで造られたヤウスリン・ホーレガッセ 2018は合同会社ヘルベティカのオンラインショップで購入できます(2020年7月販売開始予定)
Beyond the Glass
ワインを通じてスイス文化を日本のみなさまへ
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