起業奮闘記その3 (スイスでワイン造ってるの? #22)
会社も設立でき、必要な免許も取得し、いよいよスイスワインの輸入です。
もれなく輸入時にもやはりハプニングが起きました!
(タイトル写真は初入荷の荷物搬入風景)
検疫と通関
外国から何かを輸入する際には通関手続きが必要ということは多くの方がご存知のことかと思います。私も以前はその程度の知識でした。
ワインの場合、まず厚生労働省検疫所に様々な書類とともに「食品等輸入届出書」(写真下)を提出し検疫検査を受けます。
検疫検査を通過すると、次に税関に「免許通知書の写し」と「表示方法届出書」を提出し、関税や消費税を支払って晴れて通関完了、ようやく販売する事ができます。(表示方法届出書にまつわるトピックは以前の投稿「ワイン裏ラベルの裏話」をご覧ください)
お役所仕事
通関手続きを代行してくれる業者さんに必要な情報や書類を提供し、税関から輸入許可が下りるのを今か今かとワクワクしながら待っていました。
ところがここでハプニングが!
検疫所から「食品輸入届出書に添付されている試験成績書*の発行元は厚生労働省が公示している(写真上)リストに載っていない」との照会がきました。
「ええーっ!」
事前確認で州政府が発行している成績書だったので、リストと照らし合わせていませんでした。
ネットでいろいろ調べてみると州政府省庁の統廃合で検査機関の名称が変わっている事が分りました。
本省が古い情報を掲載しているだけなのに出先機関の検疫所がなんでただのイチ民間人の僕に照会事項出すねーん!
とは言うものの、そこはサラリーマン時代に染み付いた「厚労省からの照会事項には真摯に答える」体質。
スイスの州政府のプレスリリースを添え、検査機関の名称変更があったことを伝えて検疫検査は無事通りました。
やれやれ~とホッとしていると検疫所から「スイス大使館を通じて本省に名称変更の依頼を上げください」と言われました。
「そ、そ、それって僕の仕事?」**
文字通り「お役所仕事」の巻でした(チャン、チャン)。
お酒の販売どころか営業経験もなく、貿易の実務経験も知識もなかった私ですが、一つずつクリアしながら会社を立ち上げ、紆余曲折を経てワインの輸入・販売ができるようになりました。
ちょうど今週、設立1周年を迎えました。
そしてスイスから今年のヴィンテージたちが航海に出ます。
まだ世界的にもその存在を殆ど知られていないスイスワイン、熱い想いとともに日本のみなさまにもその美味しさと奥深さを知っていただきたい一心で精進してまいります。
やりたい事があるのにためらっている方へ
たった一度の人生です。迷っているなら一歩踏み出してみましょう!
不足している知識は本やネットで補う事ができます。
経験不足は助けてくれる人が必ず現れます。
大丈夫ですよ〜。
* 日本で許可されていない添加物などが含まれていないことを証明するため、ワインを分析した試験結果を示す書類
** お上に逆らってもしかたがないので後日、スイス大使館にリストの更新をお願いしました(涙)
Beyond the Glass
ワインを通じてスイス文化を日本のみなさまへ
www.vinumhelvetica.com
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