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ビーガンワインって何やねん?(スイスでワイン造ってるの? #34)

最近よく目にする「ビーガン(ヴィーガン)」という文字。
一般的に肉や魚を食べない人を「ベジタリアン*」と言いますが、それにに加えて、卵、乳製品、はちみつをも口にしない人を「ビーガン」というそうです。
ぼくが輸入・販売しているワインにも「ビーガン」を謳ったワインがあります(タイトル画像)。

「なんかよく分からんけど、ビオワインとかオーガニックワインの親戚みたいなもんちゃうかな〜」

そもそもワインはぶどうだけで造っているのにビーガンってどういうことやねん!」(ワインはブドウの果実だけで造られてるからそもそもビーガンとちゃうんかな?)

生産者さんからはなんの説明もないので、自分で調べてみました〜!
ビーガンワインと呼ばれることの理由はワインの製造工程のひとつ、「清澄(せいちょう)」プロセスにあるそうです。

*ベジタリアンの「ベジ」は「ラテン語のvegetus(ベジェトゥス)が語源で、「健全な」「新鮮な」「活力のある」という意味で「ベジタブル」の「ベジ」ではないんですって!
へ〜知らんかった!

清澄に使われる動物性素材

発酵・熟成後のワインには、酵母の死骸などの不純物「澱(おり)」が浮遊して残っているので、上澄みだけを別の容器に移し替える「澱引き」という工程があります。

それでも細かい不純物が残るので、その次に「清澄」という工程で卵白やミルクなどの動物性素材を使ってさらに透明度を高めます。

この清澄工程で動物性素材を使わないものが「ビーガンワイン」もしくは「ビーガンフレンドリー」と呼ばれるものです。

へ〜っ、そう言うことやったんか〜
ワインの銘醸地であるフランスのボルドーで、清澄工程で余った大量の卵黄を有効活用するために考案されたのが、日本でも大人気のフランス菓子「カヌレ」**です。

**正式名は「カヌレ・ド・ボルドー」といい、ボルドーにはカヌレの製造業者が600以上もあるんですって!

ビオワイン・オーガニックワイン

身体にいいといえば、今や百貨店やスーパーでも目にするようになった「ビオワイン」や「オーガニックワイン」の文字。
無農薬、有機肥料、体にいい、無添加***いう言葉に「なんとなく良さそう」というイメージを持たれているのではないでしょうか。

ではビオワインとオーガニックワインには違いがあるのでしょうか?
(画像はスイスのビオマークとオーガニックの製品につけられるデメターマーク)

ざっくり言ってありません!(おい、おい、ワインを輸入・販売している者がそんなこと言うてエエんかいっ!)

人によって解釈の違いはありますが、両者とも
・植物に化学肥料を与えない
・農薬や除草剤といった合成化学物質を用いない
・遺伝子操作を行わない

で作られたぶどうを使ってワインを造っています。また醸造の過程で保存料や酸化防止剤を使っていないものをビオワインや、オーガニックワインと呼びます。***

*** ぶどうは非常に繊細な作物なので、ベド病やウドンコ病などの対策のためには一部農薬の使用を認められています。
また酸化によってワインが劣化したりするのを防ぐため、瓶詰めの前に少量の酸化防止剤の使用も認められています。
なお、これらの使用基準は国によって違っています。
正確に知りたい方はご自身で調べてくださいね〜

ラベルだけが判断基準とちゃうで〜

ぼくが輸入しているワインの多くはオーガニック基準に準じて造られていますが、「ビオ」や「オーガニック」を謳っていません。

生産者さんにその理由を聞いたら

良いブドウを作るには当然のことだし、持続可能な生態系には当たり前のことだと思っている。マーケティング目的で認証をとるつもりはない」
(上の画像は協働ワイナリーのビオ農法の自社畑)

おお〜っ!カッチョええ〜!

「ビオ」、「オーガニック」とラベルに表記されていなくてもビオワインやオーガニックワインの基準を満たしているワインもきっとたくさんありますね。

野菜は大好き、食べることも料理することも好きなぼく、食材や調味料は身体に良いものを選ぶようにしていますが、肉も魚も卵も食べない徹底したビーガンにはさすがになれないかな~(汗)

美味しい美味しいと言いながら楽しく食べたり飲んだりすること、そんな食卓こそ脳が喜びとっておきの健康法になると思ってます。

さ、美味しいスイスワインを気持ちよく飲むぞ~

Beyond the Glass
ワインを通じてスイス文化を日本のみなさまへ
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