すべてオレンジ、新ラインナップのワイン3本
Vol.046
新しいワイン3本を、ベイスとInstagramにポストしました。
今回選んだワインは、すべてオレンジワインです。
なぜ、オレンジにしたのか。まだまだ、オレンジワインを飲んだことのない方が多いこと、一方で、30~40歳代を中心に、十分に親しまれている現状を考慮したためです。
ヴィーノサローネは、「パラスコス」「グラヴネル」「ラディコン」「ヴォドピーヴェッツ」のオレンジワインを販売しています。“まず飲むべきオレンジワイン”として、オレンジワインの発祥地、フリウリ州産のそれら4本に絞り込みました。
そしていま、イタリアでは、オレンジワインを造るワイナリーが全国に広がっています。そこで、フリウリ州とは異なる土着品種に注目し、産地も3つの州からワインを選びました。どれも、唯一無二の味わいです。
前回のnoteで“最高のネタ本”から、オレンジワインの勘所を抜き書きしました。あらためて、ひとことでオレンジワインとは何かといえば、「赤ワインの醸造法を、白ワイン造りで取り入れたワイン」のことです。
オレンジワイン造りの第一人者、ヨスコ・グラヴネルさんは、“オレンジワインとは何か”、という質問に対して、「いかにして、ブドウに何も加えず(亜硫酸塩など)に、ワインを造るか、という姿勢なんだ」といっています。その哲学からも透けてみえるように、オレンジワインは、ワインのジャンルに新しい価値をつくり出したのです。
ラインナップしたオレンジワインを、それぞれ説明します。
「リッチ”デルトーナ”2021」(以下デルトーナ)と「カルロ・タンガネッリ”アナトリーノ”2022」(以下アナトリーノ)は、およそ2年前から、直感的にアタリをつけていました。しかし、前述のとおり、ヴィーノサローネでは、“まず飲むべきオレンジワイン”として、フリウリ州のオレンジワインのラインナップを決めていたため、今回の販売となりました。
「デルトーナ」からはじめます。
ブドウは、ティモラッソという土着品種を使っています。
ティモラッソは、ピエモンテ州で古くから注目されていましたが、栽培が難しいため、あるときから敬遠されていました。それでも、「デルトーナ」を造るワイナリー、「リッチ」の3代目、カルロ・ダニエーレさんは、地元の品種を蘇らせるために、ティモラッソの復活に尽力したのです。
「デルトーナ」を仕入れる前、ティモラッソについて、あまり知識がありませんでした。インポーターの資料やイタリアのネットで調べ、さらに、試飲会で味見した結果、注文を決定しました。オレンジワインとして十分に楽しめる、深い味わいがあり、イタリアワインの底知れない奥深さを実感し、ぜひ、多くの方に知ってもらいたい、と思いました。
次に「アナトリーノ」です。
すでに、ワインバーでも人気の高いオレンジです。かわいいアヒルのエチケットが印象的。主が、最初に「アナトリーノ」を口にしたのは、尾山台にあるイタリア料理店「COZARU」でした。トスカーナ州の土着品種、トレッビアーノ使った「アナトリーノ」は、酸とタンニンのバランスがよく、食中酒だけではなく、アペリティーヴォとしても楽しめる余韻が特徴です。
トスカーナ州の食後酒としてよく知られる、トレッビアーノを使った「ヴィン・サント」がありますが、とても同じ品種とは思えない、「アナトリーノ」の丸みのある黄桃の味が驚きでした。
ちなみに、アヒルのエチケットは、ワイナリー「カルロ・タンガネッリ」の現オーナー、マルコ・タンガネッリさんの娘さんが4歳の頃に描いたイラストを、アレンジしているそうです。ほのぼのとした絵は、自然派ワイナリーのおおらかな雰囲気が伝わります。
3本目のワインは、「コルテ・サンタルダ“インティ”2021」(以下インティ)です。
ヴェネト州に構えるコルテ・サンタルダという、家族経営の小さなワイナリーが手がけるオレンジワイン。使っているブドウは、ガルガーネガです。ヴェネト州でよく飲まれている白ワイン、「ソアーヴェ」に用いられるブドウですが、まったく味わいも質も異なるワインに仕上がっています。
「インティ」は、ナシやアンズ、柑橘類の香りが素晴らしく、テイスティングのひと口目は、口のなかを刺激するビターな酸が支配します。ふた口目になると、その刺激も落ち着き、硬質なミネラルが表れ、味わいに厚みがでてきます。なんとも、ショッキング。
エチケットは、まるで抽象絵画のようなペインティング。これがワインのエチケットなのか、と思わせる高い芸術性が漂います。
造り手でもあるワイナリーのオーナーは、マリネッラ・カメラ-ニさん。
どこかで聞き覚えはありませんか。そう、イタリア随一のネクタイの名店、ナポリ「マリネッラ」と同じなんですね。マリネッラさんは、姓ではありませんが、偶然とは思えないファッションとワインとのであいを感じます。これはまさに、ヴィーノサローネのテーマそのものを象徴しています。
3本のワインは、どれも飲んでいて楽しくなる、味の変化があります。
お求めやすい価格で販売していますので、どうぞ、ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
次回の“ディアリオ ヴィーノサローネ”に続きます。