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クライアントワーク、最初の1歩に注意したいそのワード(その1)

noteの更新はお久しぶりです。
昨年秋に小さな事務所を卒業しまして、転職活動もなかなかうまく行かずにそのまま『完全に独立』の形でひとまず個人事業主でデザイナーを行うこととなりました。
まだまだフリーランスとしてはひよっこの駆け出しですが、お仕事頑張っていかないとなーということで、もしこれをご覧の方でなにかのご縁があればお仕事ご一緒できればなぁ、とも思うところです。

「駆け出しフリーランス」とは言うものの、「業界歴は20年以上」
クライアント様とのやりとりは「業界人としてはそれなりにある」状態で、本業は零細からそこそこ企業のポジションから、副業では個人戦も行っていたこともあるため、大体の『傾向』は理解しています。
その中でも特にフリーランスの方々が遭遇している、ブログやSNSで見かける「お仕事請ける際に注意したほうがいいワード・デザイナー編」は共通なんだなぁと思いましたので、ここにご紹介したいと思います。
できればこういうワードには遭遇せず、気持ちよく契約して納品まで進みたいものですが・・・。

その1:内容は決まってないけれど、とりあえず見積もりください

結構よく聞くワードかと思います。
内容も何もなし、打ち合わせも後回しで「見積もりだけほしい」パターン。

この場合、お相手が初のお取引の場合なんかはとても見極めができずに困るかと思います。内包される可能性としては、

①発注するかどうかわからないけど概算を見たいだけ
②発注はするが決済権のある人に見せて予算の確認をしたい
③他社に発注するが、値引き交渉用に見積書がほしいだけ
初めて発注なので見積もりのとり方自体を分かってない

このあたりが予想されるパターンです。(他にもあるけど割愛)

①概算を見たいだけ/②予算枠を確認したいだけ

まだこれは「普通」の範疇と言えます。
「この人はどのくらいの価格帯の人なのか?」をみたいだけの場合もあります。ただし、大きな仕様を伝えてくれている場合に限りますが。

「やり直しなどによる工数計算など行わない」ことが大半で「納品物が1なら1の価格(大きな変更以外は追加しない方が多い)」という形のグラフィックデザイナーの場合を例に出してみますと。

クライアント「A4サイズの両面カラーチラシをお願いしたいので見積もりをください」
デザイナー「ご希望納期と、提供頂ける原稿の範囲と、印刷発注まで含むか、そちらで印刷入稿までされるかご指定ください」
クライアント「メイン写真はお渡しします。それ以外の素材は提供なしなのでそちらで用意してください。印刷会社への発注自体はこちらで行います」
デザイナー「承知しました。では、印刷会社へ入稿できる形式でのデータ納品を想定してお見積りを出します」

こんな感じで、「A4サイズ両面カラーの基本料金/素材料金/入稿データ作成料金(取る人ともとに込みの人と)/その他の条件提示」等でサクッと見積もりを出すことができたりします。
※他にディレクション費やその他の費用を追加する人、デザイン費にすべて込みの人、素材料金すらも自腹の人、色々います

③値引き交渉用に見積書がほしいだけ

さて、ここからコミュ力が左右されてきたりします。
クラウド系の受注だと見積もり提示のみは発生しないので、ほぼ発生しませんが直請けなどの場合には意外と多く発生してくるパターンです。

なお、私は会社員(零細会社)時代にはこれ多く見かけました。

制作会社に発注するつもりだが、価格が思っていたより高かった。
他の制作会社も似たような価格帯で比較検討できないため、個人デザイナーに見積もりを取れば「制作会社より安いはず」なので、その見積書を交渉材料にして、制作会社に値引きさせよう。

なんてことを考えている、よく言えば交渉上手なクライアントも悲しきかな実在しているのです。

そして、このパターンは意外とコロナ禍からこちらで増えている感じはします。以前なら「打ち合わせを対面で行ってから詳細見積もり」というパターンの方が多かったのもあり、依頼側も躊躇するものがあったのでしょう。
しかし、コロナ禍を境に今まではオンライン打ち合わせやメール・チャットでの打ち合わせを極力避けていたクライアントですら、そういう「顔を見ないで発注」ということの抵抗がすこし緩んだこともあり、見積り依頼を気軽にできるようになった側面もあるのかもしれません。

なお、普通の制作会社は「個人デザイナーの見積もり」を出してきてもその価格に対抗して値引き要求を飲むことはあまりありません。
「あまりありません」というのは、中には飲む会社もあるから、です。
経営状況やその時期の受注件数で不安面がある場合など、ついうっかり(?)請けてしまう場合もなくはないのです。

ただし、本当にこういうパターンのお客様の仕事を請けるのはよほど切羽詰まっている場合を除き、おすすめしません。
見積もりだけ出すことになる個人デザイナーからは見抜くのが難しいのですが、相見積もりがNGではない以上、ストップすることが難しいのも事実です。

見積もりを出すだけでも、それなりに時間がかかっている場合もありますからここは解決できる方法を全制作者が探っているところでもありますね。

④見積もりのとり方自体を分かってない

これも実は丁か半かの博打案件になる可能性をそれなりに秘めているパターンです。

外注デザイナーに依頼するのが初めてで、何をどうすればいいのかわからないというお客様の場合、受注側が初心者だとまず確実に仕事自体が頓挫するために請けない選択をする方が良いということも多いです。

まずこのタイプのお客様の場合、一番大変なのが「一般的な流れの仕事」にプラスして「業界での標準がこうです、だからこうなります」という確実に相手に納得してもらう説明とともに「スケジュール管理」まですべて制作側で担う必要があるからです。

そして、一番の博打要素というのが、クライアント側の普段の取引先との金銭感覚がどんなものかを探れるかどうか、というところも。
もしも業界的にかなり低価格帯で利益が微細な場合、デザイン制作にかけられる予算も少ないですし、逆に潤沢な業界の場合は他提案も含めて受注につながる場合もあるのです。
しかし、お互い初の場合はクライアント側の事情を調査する時間があるか、そもそも情報があるかどうかも不明なため、ここを考慮できないこともあり、まずは様子見で受注、まで持っていけるか否か。

1回めの納品するまではわからないこともあるのは他の場合と同じですが、最後にこのパターンで困るのが「クライアント側での会社経験すらない、先日入った新人さん」の場合も含まれているのです。
つまり、先方の状況をヒアリングしようにも何も情報が出てこないが、新人さん故に「自分一人で解決したい」というやる気MAXがゆえ、最後の最後で大ドンデン返しになってしまうお仕事になることも重々考えられるという。

ほんと、色々あって怖いです。

さて、まだまだあるので続きはその2で。

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