残業は、した方がいい

私がエンジニアの頃から始まったのか定かではないけれど、
「NO残業デー」とかいう言葉ができた。

深い意味はきっとないのだろうけど、要するに残業をするなと言うことだ。
今でも残業をしない企業は”ホワイト企業”と言われたりして、求人広告の上位に上がったりしている。

ではホワイト企業とは何か?

会社員にとって都合がいい企業のことかだろうか?
社会にとって都合がいいことだろうか?

今からこれについて考えようと思う。

結論から言うと、どちらも間違っているし、
そもそも「ホワイト」=「良い」なんていうのも間違っている。

まず会社員にとって都合がいい。これは誤りである。

よく残業をさせることは「悪」とされるが、これは本当だろうか?
もちろん、誰にだってやりたくないことはあるだろうし、
ましてそれを無理強いされたくはない。

嫌なことを無理やりやらせるのであれば、それは犯罪に近いと思う。
だけど、「お金」もらっているやん。

こういうと、お金をもらってないで残業をしている人からクレームが来そうなので、お待たせしました。
だけど、「自分のための時間」もらえてるやん。

今やっている仕事が全く意味がない。そう思うのであれば残念だけど、残業申請をしなかったのは、その残業は
「お金をもらってまでやることではない」と判断したからだろう。

それは、一般的に「趣味」の性質と似ている。
つまるところ残業をしないでやる仕事は趣味である。
では、趣味をすると人間はどうなるのか。

「自信」がつく。
「自分のための時間」を自ら選択し、実行し、見事成し遂げたのだ。

申請をしたのなら「お金」を、
申請をしなかったら「自信」を得られる。

「自信」を身につけた社員がどれほど会社に、そして社会に役に立つかは、きっとこの記事を読んでいる方にはイメージできるだろう。



次に社会にとって都合がいい。これも誤り。
「残業をしない」=「お客が対応できる人がいなくなる」
と言うことだ。

もし仮にある会社に、「残業絶対しないマン」がいたとしよう。
あなたはそこのお客です。

その社員は定時で必ず上がるので、いつも時間を気にしている。
定時の10分前なんかはもうバタバタしている。
つまりは、自分のことで精一杯である。

その人の仕事は、お客(=あなた)とやり取りをすることなのに、あからさまに忙しそうな様子を見せる。

あなたは優しいので、「こんな時間にきた自分が悪い。」と思うだろう。
そして「また明日来よう。」となる。

ここで。少し視野を広くして考えてほしい。
この間にどれだけの経済的、時間的損失があったかを。

もし、定時まで残り10分までだとして、その社員があなたを快く受け入れたとしよう。そうすれば、きっとあなたがお金を払ってでもやってほしかったことを受けられるだろうし、その会社と社員はその対価を受け取れる。
そして、あなたはもう対応時間を過ぎているのに対応してくれたことに、ありがたいと思うだろう。そしてまたこれと同じようなことがあった時は、間違いなくここの会社をないしはこの社員を選ぶだろだろう。
そのときはきっと、業務時間内に来る。

まず、その時の経済的損失は、
①たった10分で1人分の客単価を逃したこと。
②そのお客はもうその会社に来なくなること(機会損失)。

時間的損失は、
①そのお客が会社に足を運んだ時間が無駄になる。

たった10分の差。
これはお客様だけではなく、同僚や先輩なんかが同じ状況でも良い。
「時間を過ぎてまで、働いてくれたんだ。ありがたい。」
と思われる。

返報性の法則。

何かありがたい施しを受けたら、返したくなるのが人間。
それがたった10分の時間的コスト。そんなに残業しないことが大事か?

以上が「残業しない」=「ホワイト企業」=「良いこと」とすることの誤りの指摘です。

何か質問は?