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来る

中島哲也監督ということで、ありふれたホラー映画にはならないと思っていたが、案のJOE人間ドラマをぶち込んできた。

原作は読んでいないので比較することはできないが、映画は「ぼぎわん」を最後まで登場させず、人間ドラマに主眼をおいたホラーテイスト・エンターテインメントでまとめられていた。

登場人物は皆さんどこかクズ。
個人的には妻夫木聡演じる自己陶酔型イクメンクズ野郎が、一番むかついた。
むかつかせてくれるほど良い演技だった。

いいブキ顔してるねぇ

今まで色んなブッキーを観てきたが、今回のキャラもブッキーあるあるになるところを上手く演じ分けていた。

松たか子もV6岡田も小松菜もワハハ本舗も津田准教授もみんな良かった。

いい松顔してるねぇ
いい小松菜してるねぇ
いいワハ本してるねぇ


鳥肌が立った一番恐ろしいシーンは、黒木華さんの氷の微笑。
盛り塩を踏みつけるシーンは、「リング」の竹内結子の死に顔以来の鳥肌ものだった。

このシーンでゾクゾクできただけで元が取れる。

末恐ろしい黒木華してるねぇ


「生きる」というのは「痛み」を伴うということ。
その痛みは、自分自身の影と対峙するということ。
自分の影という闇の中に目を向けさせ、眩暈を起こしそうになりながら生きていくことを選ばせるために「ぼぎわんが来る」。

そこに救いはない。
自分の影なんぞみたくもないし受け入れたくもない。
「死」こそがすべて。
日々、虎視眈々と死ぬタイミングを見計らって生きているだけの人生。

★★★★☆

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