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情報哲学-自己責任

ヘッダー画像の出典元:Gerd AltmannによるPixabayからの画像

*こちらは定期購読マガジンの記事ですが、非常に重要な内容であるので、全面公開いたします。

0 技能実習生の強制送還

 日本に抱いていたイメージは「仕事は真面目。ちゃんと仕事やります。みんな優しい」。降り立った成田空港で建物の清潔さに驚いた。「びっくりしたな。わあー、日本きれいな」
 「日本語も仕事も全部分からない。頭たたかれ、肩を殴られた。水も掛けられた。ホースで。仕事で急いでいる時ね。日本人の先輩。僕のこと好きじゃないから、殴る時は強い」。暴力は1週間に数回。半年ほど続いたという。
 弁護士は「姉に金銭的負担を掛けたくなかったようだ。他に犯罪はせず、真面目に働いていた」と指摘。判決後は事務所まであいさつに来たといい、「国選弁護人にそこまでするのは日本人でも珍しい。礼儀正しい好青年だ」と話す。
 取材翌日の夜、男性は出国のため、車で関東に向かった。車内には同じく送還されるベトナム人たちがいた。皆が良い暮らしを夢見ていた。多分、今も-。
 日本の外国人労働者約170万人に占めるベトナム国籍の人は、最多の約44万人。入管難民法違反容疑の摘発は増え続ける。男性も、統計の「検挙人数」に加えられるだろう。(那谷享平)
 公判で検察側は「もうかる日本を離れたくないという利欲的で利己的な動機」と主張。これに弁護側は「外国人を安価な労働力として利用しながら、過酷な労働環境に放置する日本の現状こそ問題」と反論した。
 男性には目標があった。地元でファストフードチェーンのフランチャイズ店を開くことだ。実習生なら、借金を返済しても5年で約300万円はたまる-。10代後半で、そんな青写真を描いた。日本での暮らしが楽しみで仕方なかった。
 しかし、程なく暗転した。
 「頭たたかれ、肩を殴られた。水も掛けられた。日本人の先輩。殴る時は強い」。暴力は1週間に数回。半年ほど続いたという。男性は周囲に黙って逃げ出した。(那谷享平)

1 上記のニュースに対する三つの疑問

⑴実習生を虐遇した実習実施者(技能実習生が勤務する企業)及び監理団体(技能実習生の組合)・送出機関(本国の派遣会社)についての言及や追及がなぜ無いのか?

⑵このような惨状が60年以上も続いているのに、なぜ大々的に報道とその直面がされないのか?(もちろん、日本人自身の労働問題も同様である)

⑶「人のせいにするな」「お前が悪いのだ」これらの言葉を発する人達の中に、どれ程の人達が、自分自身と他者にも責任感を確りと持ち、間違いや過ちを改めることに努めているのだろうか?

2 自己責任

 自分の判断や選択、発言や行動に対して、責任を持つ。そして、自分の問題や過失にも、責任を持つ。これは、社会で生き抜く上で、そして、より正しく善く生きていくために必要不可欠で、重要不可欠なことである。
 この責任感には、二つの原則がある。それは、「他人に損失や危害を加えないこと」と「自分で自分自身を確りと守り抜くこと」であろう。
 そして、この二つの原則には、まず学問や教養、次に道徳心や倫理観、そ主体性や社会性が重要不可欠であろう。そして、これらを身に着けるには、多くの正確な情報と多様で広範な知識が必要不可欠である。
 しかし何よりも必要不可欠で重要不可欠なのが、「学習意欲」である。

3 環境責任

 「人のせいにするな」「お前が悪いのだ」今や、これらの言葉は、格言から詭弁へと変わっているであろう。なぜなら、相手にとって、環境である「自分」に責任があるということを強く否定して、責任の回避や放棄する意味合いである場合が多くなっているのではないだろうか?
 環境は人を形成する。だからこそ、私達一人一人は、環境に屈服や隷属するのではなく、適応ならびに掌握できるようにならなければならないのではないだろうか?
 人が環境を形成する。だからこそ、私達一人一人は、環境として、常日頃から、反省や改善、そして、新規や進歩を図っていかなければらないのではないだろうか?

4 紹介文献

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多種多様な情報を収集し、哲学を以て、多角的・多面的に分析および解説を行い、私見をも述べて、ぜひ皆さんと共に、情報の収集力・分析力、そして、情報に対する批判的かつ主体的な思考力や判断力の向上、および情報に対する適切な対応や利用が出来るように、切磋琢磨していきたいと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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