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クッキー型の思い出

「ママ!クッキーの型ってある?」

今週頭に期末テストを終えたばかりの次女に聞かれました。娘は普段お手伝いとかしないけど、手先が器用でセンスもあって時々お菓子作りをしては名作を生み出します。

私のいちばん人気の記事で次女作。というのがあるのだけれど、そこで紹介したクッキーや、最近作ったクマのマフィンは見る人を幸せな気持ちにしてくれます。


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日曜日が休みだからクッキーを作りたいと言う娘。そう言えば、私も先日クッキーを焼いていて、その時に使ったクッキー型は某会社から初めていただいた原稿料で買った記念の品だったりします。


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でもそれ以外のクッキー型は、引っ越しの断捨離を期に処分しています。次女が作った名作クッキーのスプーンとフォークの型ですら、使いたいときは100均に行けばあるからと処分してしまいました。そう言えば、それまで型は大量に持っていました。同じハートや星でもいろんな大きさがあったり、様々な形の型があったのです。

「昔はあんなに食パンを抜いてくれたのに」

次女が言ったひとことでハッとして、遠い昔の記憶が蘇りました。
まだ次女が保育園に行ってた頃の話です。他の記事でも触れているのですが、娘は生後4ヶ月から保育園に行っています。あの頃は私もまだ若く、フルタイムで働きながら家事と育児をこなしていました。毎日時間に追われて、生きるのに一生懸命だった記憶があります。

次女が通った保育園では、大きい学年になると主食のみ、お弁当箱に入れて持参しなければいけません。持ってきていいのはご飯か食パンだけ。その頃の私は毎日忙し過ぎてご飯を炊くのもままならないことが多かったので、食パンを買っていることがよくありました。なので当然保育園に持参する主食が食パンのことも多かったのですが、当時の私はそれをいちいち型で抜いてお弁当箱に入れていました。食パンの上で、どうやって取ったら効率よくたくさん取れるか考えながらハートの型で抜いていきます。そうして最後残ったパンで、一つだけ小さなハートを抜いて、それも一緒に入れてしまいます。お弁当箱の中にたくさんのハートと小さなハートがひとつ、所狭しと並ぶのです。型を抜き終わって残ったパンは、そのままむしゃむしゃ食べてしまいます。

なぜわざわざそのようなことをしていたのか。べつに次女にそうしてくれと頼まれたことなんて一度もありません。本当は食パンをそのまま包丁で切って入れたほうが早くて楽に決まっています。

たぶん、私がそれを楽しんでやっていたのだと思います。お弁当箱を開けてハートや星がたくさん並んでいると娘だって嬉しいし、きっと食べやすいはず。周りの友達に羨望の眼差しで見られてちょっと得意になってみたり。そんなことを想像しながら私自身かわいいものを作るのが好きなので、楽しみながらやっていたのでしょう。

そんなことを考えると、あの頃私は本当に忙しかったけど、でもそれなりに子育てや生活を楽しんでいたんだと思います。きっとそれが愛情として子に伝わり、豊かな感受性を持った娘がかわいい名作お菓子を生み出すようになったのかなというのは、良く考え過ぎでしょうか。でもあの頃は、忙しくても夜寝るときは布団の中で娘にたくさんお話を読んであげたりだとか、豊かな気持ちで子育てできていたのかなと思います。なるほど、良い子が育つわけですよね。

子にやってあげるばかりじゃなくて、自分がやりたいことを楽しんでいる姿を見せることも子育てに大切な要素のひとつです。私は好奇心の赴くままに突然ケーキを作ったりお子様ランチを作ったりして楽しむのですが、それをいつも家族は「かわいい」と評価して、喜んで食べてくれます。そういった姿もまた、娘の創作意欲に火を付けるのでしょうね。そして私はまた娘が作ったものに刺激を受けながら、お互い相互関係で高め合っていくんだと思います。

クッキー型から思い出した、私の子育てと自分育てのお話でした。

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