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アラフィフでADHD、ショックからの回復

びくままアメリカ体験レポート。本日は、アメリカでアラフィフにしてADHDと診断されたわたしの経験をシェア。しかもその経験は、診断された直後の、大きな石が頭上に落ちてきたようなショックをくつがえしました。

始まりは突然

それは2016年の夏、新学期が始まったばかりのロサンゼルス郊外。当時の我が親子は、離婚をきっかけに課せられた、児童裁判所からの裁判長命令でカウンセリングへ。診察してもらった心理士から、息子が多動気味、ADHDだろう、と言われて悩んでいました。


私にとってADHDは、発達障害、そう「障害」でしかなかったのです。しかも、その診断をする専門家に払う料金が$2,000以上、円換算で20万円にもなるというのです。かつ、実費。私の健康保険適用外なので、全額我が家負担。

考えてみると、私自身、自分の過去のことをかえりみる時間がなかったこともありました。昔から忘れ物の女王、人の話をさえぎる名人、大胆なKY(空気読めない)、片付けは超苦手、レシピどおりに料理ができない、といういくつかの症状はあったのです。総合的に「生きづらい」という思いをいつも、そういつも持ち合わせていたのです。

ひょっとすると

悩まないようにしているはずの私でしたが、心に一度入った暗い想いは根を張り、じわじわと成長していくのでした。そしてある時、たった1かごのランドリーバッグに入るほどの洗濯物、Tシャツ5枚、タオル3枚、靴下3足、パンツ5枚の洗濯物をたたんでいる時でした。

一つのことに集中しようとしているのに気がそれるのは、誰でもあることですが、私はこれだけの洗濯物をたたむのに、20回以上気が外れて、ソワソワうろうろし、再び洗濯をたたみに戻る、ということを繰り返したのです。


かかった時間は30分。一点集中で作業できれば5分もかからない動作であるにもかかわらず!

私は悟りました。ADHDは息子ではなくて、私自身の問題ではないのか? そこで、私は、50を過ぎていましたが、遅まき感を十分たずさえて、専門家の診断を仰ぐことにしたのです。

結果は予想通り、注意欠陥多動性障害、ADHDでした。いまさらながらではありましたが、アラフィフ女にもそれはショックなことで、結果を受け取った日は、ぼーっとしていたのを覚えています。


話してみる


しばらくして、新学期早々、息子の課外授業への参加についてPTAの打ち合わせをするために学校に出かけました。そこにいたのは、同級生のお母さん。彼女の娘さんは、うちの息子の親友のガールフレンド。そして自閉症があることを聞いていたので、話しかけました。

何を思ったのか、突然、私はその人に、
「うちの息子がADHDかもしれないのよね……」

と人に責任をなすりつけるかのごとく、ぽろっと漏らしてしまったのです。本当は、気になっているのは自分の素行、状況!すべてを人の責任にする名人!

そしたら、彼女はまじまじと私の顔を見て、いやのぞき込むようにして言いました。

「私の家族。。。家族全員がADHDよ。娘は、結構シビアな自閉症もあわせ持っているし」

そして、胸を張って、まるで女優さんが大舞台で、劇中の名セリフを言うかのように!片手を宙に向けて、言い放ったのです!

「私たち。。。ADHDの人がいるから、世の中楽しいのよ!個性的って楽しいじゃない!私は、毎日が楽しくって仕方がないわ!だって、ハプニングだらけなんだもの!!」

そう!私の人生もハプニングだらけ!事実は小説よりも奇なりを何度も体験している。ハプニングは面白い素材なのか?!個性的って、そんなにいいことなのか?

彼女の明るい声の響き、嘘が微塵もない告白。私は。。。これまで私の心にあった闇のような暗く重たい思いは、なんだったの!?障害ってなんなの?私、障害に自信を持っていいの?ADHDに対してではなく、悩んでいたことの不毛さにへなへなと座り込んだのです。


希望へとつづく道

その日から、私は自分がADHDであることを、チャンスがあれば伝えるようにしています。私の性格、ちょっとユニークですから。受け入れてくれる方もあれば、そうでない方もある。でもそれでいい、自分を卑下する必要なんてまったくない。人間みんな一緒だったらつまらない。

もし、あなたが発達障害やADHDで悩んでおられるとしたら、それはきっとあなたが自分の個性を肯定的に受け止めることができていないから。あなたが自分の全てを受け止めることができるなら、きっと何かが変わるはず。

考えてみてほしい、だって人間誰しも自分の全てを受け止めるって意外とできてない。あのマイケルジャクソンだって、自分の容姿に満足しなくて、何度整形手術を試みたか。他の人から見た彼はパーフェクトなのに! あなたはあなたのままでいい。すべてが「あなた」なのだから。

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