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言葉と時間の物語


今日は、今晩は、ハタマタおはようございます。セオです。皆さまいつもnoteもお読みいただきありがとうございます。


あの、、、、

突然なんですけど私舞台見に行くの好きなんです。ええ。ただ最近なかなか行けてなくて、久しぶりに観に行けたのでその話をしようかと思いまして。


恋ぶみ屋一葉 『有頂天作家』

いやぁ、、、本当に、、実に良かったんですよこれが、、。全私が震えた。なんと2年前ゲネプロまで行ったのに一度も上演されることがなかったとのことで出演者もお客さんもみんなが待ちに待った舞台だったようですね。2年の時を経て上演。しかも同キャストでとのことで、これは胸がアツいですよ。しかもそれがさ、めちゃくちゃ伝わってくるんですよ。もう私初っ端幕が上がった瞬間から「お待たせ!」と言わんばかりの歌が始まり、もう瞬きを忘れるくらいじっくり見ちゃいましたよ、役者さん1人1人の顔をオペラグラスで。笑もう最初からずーっと涙ぐんでた気がするもんな。特に幕間前が1番やばかったんですがそれは後ほど。さて、今作の簡単なあらすじはこんな感じ。

明治43年、花街で働く女性たちの手紙の代筆業を営んでいる前田奈津(キムラ)と流行作家の加賀美涼月(渡辺徹)は、若い頃にはともに小説家を目指して共に夢を追っていた。
その後、奈津は小説家の道を諦めて自称『恋文屋』を生業とし、涼月は人気作家となったが、今でも良き相談相手として交友関係が続いていた。
ある日、奈津のところへ21年前に死んだと思われていた親友の小菊(渡辺えり)が訪ねてくる。この小菊、昔は芸者として涼月と相思相愛の仲であったが、悲恋の末に他の男へ嫁ぎ、程なくして亡くなったはずであった…、死んだと思っていた小菊の登場、奈津は封印しつつあった自分の本当の気持ちを思い出し始めて…

もうね、ここからは断片的に思い出したところから語っていくんだけどとにかく作品全体を通して熱量がすごかった。歌あり、踊りあり、笑あり、涙ありって本当にこんな舞台初めてで、信じられないくらい私はパワーをもらった。この物語のキーワードは「言葉」と「時間」かなと私は解釈したんですが、まず前者の「言葉」について。言葉というのは作家さんたちの話であるのと同時に恋文屋、いわゆる手紙代行業という部分にも通ずるんですが、言葉の読み書きができるのが当たり前ではない時代のお話なんですよね。そのことをずっと考えてたんだけど伝えたい気持ちを言葉に表すのが難しいとか、思ってることを文章にまとめることができないっていうのはあまりにも想像ができない世界だなぁと思うんですよ。それだけ読み書きできるのが自分にとって当たり前のことだということで。なのでまずできない人もいる、うまく伝えることができない人もいるというところに頭を切り替えて観劇するというわけです。このね、もどかしさ、ですよ。上手に物事を伝えることができる人とできない人がいるんですよ。うう、難しい。それは本当に難しい。以前、手紙に関する記事を書いたんですが、この時代に筆をとることって本当になかなかないし、文字は汚くなるし、漢字は忘れるし、で。ちゃんと文字で書いて伝えたいなぁって改めて思いました。

そして次に「時間」について。死んだと思っていた友人と21年ぶりに再会。この時代の21年ってどれくらい長いんだろうか。これまた想像を膨らませるわけですよ。そして2年越しの上演とも結びつき、何だか一言、感無量でした。時間はみんな同じ間隔で流れているはずなのに、楽しいこととかワクワクする時間ってあっという間で、一方辛いこととか悲しいことってなんであんなに時間の経過が遅いんだろうか。同じ時間軸で生きている生物なのに人によって時間の経過が早く感じたり遅く感じたりするのも、また不思議なことだなぁと思いました。ただ私は「写真の中の人は変われないけど生きてる人間は変われる」という台詞に全部持っていかれました。時間を閉じ込めた写真たちと、言葉を閉じ込めた恋文。でも生きてる人間は閉じこもらなくていいんだ、時間も前に進むし、思いも伝えることができる。そんなふうに感じました。


いやぁ本当にすごく良くて、良くて、良くて良くて‥。こんな拙い言葉でしか伝えられないのが本当に残念で仕方ないくらい。うわぁみんなそこに生きてたんだなぁと思った。令和に明治の劇を見てるこの感じが私をずっとドキドキさせてて、私がきっと時代劇が好きなのもあるんだけど本当に心がスッと、驚くほど明るくなった気がした。前向きに、楽しく生きていこうと思ってもなかなかそうはいかないし、もどかしい感情とか伝えるべきかそうではないのか悩むこともたくさんある。けど大事なことは伝えないと伝わらないし、「時間が解決してくれる」という言葉があるように、少し心を開くだけであっというまにそれまでの時間が体中に浸透していくんだなと。


本当に素晴らしい舞台だった。役者の皆さんはもちろん、ストーリーも伝えたいこともきっと伝わってる。私は信じられないほどのメッセージとパワーを受け取ってしまった。上演時間3時間弱。本当に素晴らしい時間だった。


あとこれは余談ですがこれから観劇するよ!という方はぜひ、ぜひ、パンフレットを買ってください。皆さんのインタビューがまっっっじで良すぎる。私は「言葉」と「時間」だと思ったけど、演者の皆さんは全然違う視点でお話されてたりしてその解釈がまた素敵すぎて何回読んでも涙が出る。


そんな感じで私の久しぶりの舞台観劇録でございました。本日もお読みいただきありがとうございました。


追伸:夜の南座エモすぎる。

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