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なりたかったのは娑婆のシスターか

昨年の2月、NHKBSで「悩める乙女の世界修道院紀行」という番組がありました。大島麻衣がドイツの修道院へ、菊池亜希子がフランスの修道院へ行って滞在するドキュメンタリー。

録画したので、たまにちょこっと見返したりして。
この回がドイツ・フランス編だったので、別の国編がそのうちくるのかな?と、期待しています。

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自分のやりたいことについて、長いことずっと考えていて
以前noteにも、「場所がほしい」と書いたことがありました。
人が自分の中心に戻れるような場所。
例えば
アートセラピーをしたり、フラワーエッセンスを試したり、クリスタルボウルのヒーリングを受けたり、生きることへの参考になるようなお話会をしたり、瞑想したり・・・
リトリートみたいなこともできるような場所、そんな場所を持って活動したいなあ・・なんて、思いついたりしていました。

以前も、すごく素敵なサロンでクリスタルボウルを横になって聞いてもらう会をしたり、パステルを使った気分転換レベルのアートセラピーをしていたこともあるので、現実的な活動の経験はあります。

でも、それも止めてしまって、しばらく漠然としたままでした。

ふだん目の前にある状況のなかでは、より「マシ」なほうに行こうとするだけですが、なんの制限もなくやりたいことを考えると
やっぱり同じことが浮かぶのです。

数日前、この「世界修道院紀行」の録画をなんとなくぽちっと再生してみました。
そこに現れた映像を観て、思わず込み上げてくるものがありました。
あれ、この人シスターたち、私がやりたいと思うことをやっている。
私がやりたい類のことは、西洋の修道院がずっと昔から外の世界に向けてやっていたことだ、ということに気づいてしまいました。

外との関わりを持たない観想修道会は別として、
薬草や薬品、お菓子、手作り品などを作って提供する、
人々の話(相談)を聞く、
宿泊所があり、静寂の中で自分と向き合う時間と空間を提供する等、
活動修道会がやっていることです。

今回の人生ではキリスト教徒を選んでいないけれど
修道士や修道女の世界は、私にとって明らかに馴染みのあるもの。
その世界のなかでいろんなことを経験してきているはずなので
その感覚を、今も持ち続けているってわけか、と思いました。

そのことに気づいたせいか、
以前番組を観たときはそんなことはなかったのに、
通しで観返してみて、何度も込み上げてくるものがありました。
いろんなことに気づくのが遅いな・・と、最近よく思います。

アッシジにいたころは、どちらかというと修道士と接する機会が多かったですが、シスターの人たちももちろんいました。
たまに厳しい感じがする人もいるけど、
彼ら、彼女らの多くが穏やかで、包容力があるように感じます。
それぞれ悲しみや苦しみはたくさん経験しているだろうけれど
祈って、静寂の中で自分と向き合って、労働して・・という生活をしている中で、おのずと他者に対して寛容で、オープンになるのかと思います。
だから、彼らは存在しているだけで
こちらは全肯定されるような気持ちになるのだな、と思うのですね。

さて。
では、これから自分はどうしよう、と思うわけですが
修道院に入る気はさらさらないので
似たような方向性を持つほうへ、歩いていこうと思います。
おそらく「場所」を探すというよりは、
「自分」がどうあろうとするかが、いちばん大事な気がします。

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きのう図書館に行って、以前から気になっていた本「モン・サン=ミシェルの修道女 四季の食事とていねいな暮らし」を借りました。
もともと欲しいかも、と思っていたけれど
図書館にあるのを知って、まずは借りました。

それから「修道院へようこそ」は、以前からあるのは知っていたけど、特に読もうと思っていませんでした。
でも、女性編集者が夫と子供を置いて、修道院を体験するという内容が面白そうだなと思い、借りてみました。

モン・サン=ミシェルの方は、とにかく写真がきれい。
あの島の山の上のほうから見る、周りの海と空の眺めは、ほんとうに素晴らしい。
レシピも興味深いけど、日本の近所のスーパーでは手に入りにくいものが材料に入っていたりするので、よし!作ろう!とすぐには思わないかなぁ・・。
ただ、眺めているだけでも修道院と島の空気に触れられる本です。

書くこと、描くこと、撮ることで表現し続けたいと思います。サポートいただけましたなら、自分を豊かにしてさらに循環させていけるよう、大切に使わせていただきます。