5月4日 ホーム ザスパクサツ群馬戦 VF甲府 選手採点
9位と10位の直接対決となったこの1戦。
迎え撃つ群馬は前節、首位横浜FC相手に0-3から3-3のドローへと持ち込んだ驚異の粘りを発揮。
今節、群馬は中2日であることから、甲府がボールを握って群馬がブロックを形成する展開と予想しましたが、試合の入りは互いの中盤の構成力が真っ向からぶつかる展開となりました。
リラ 5.5
体が重かった印象。
面白いスペースを見つけて、そこに入ろうとし、またボールを呼び込もうとするが、1歩遅くて出し手と呼吸が合わずにチャンスに至れなかった。
14分に単独で攻めあがったシーンでは、味方のサポートが遅く、チャンスに至れず不憫であった。
鳥海 6.5
いつも通り、相手の中へのパスコースを切りながら、サイドの選手への睨みを利かせ続けた。
攻撃面でも右サイドのローテーションに積極的に絡んでチャンスを構築。
10分、鳥海が相手6番の利き足である右足のプレーエリアをサイドへ限定し、その後38番から6番へのリターンのコースを切ったため、プレスがハマった。ナイスプレー。
また、18分の相手のセンターバックとサイドバックがパスの交換をするシーン。
鳥海が最終ラインに、関口がサイドバックにプレッシャーをかけているので、サイドバックが受けた後にパスコースが無くて、ただ単純に戻させた。それだけでなく、陣地も押し込んだナイスプレー。
62分にも、ナイスプレスバックでペナ内に侵入した加藤選手をスライディングタックルでコーナーへ。ナイスプレー。
攻撃面でも、46分に得点の雰囲気のある抑えの利いた良いシュートを放った。できればキーパーが弾く程度には隅を突きたかった。
長谷川 7
ターンからドリブルで持ち上がって展開するいつもの姿だけでなく、今節は積極的にペナルティエリア内にも仕掛けていった。
ビルドアップとフィニッシュワークのどちらもキーマンとして稼働し、預ければ敵陣深くにボールを持って行ける頼もしさにあふれていた。
さらにサイドの選手への守備の意識がいつも以上に高く、長い距離でもスプリントして持ち場のスペースを空けることなくチェイスしていた。
51分に岩魚とワンツーで3枚振り切ってカットインからアウトサイドキックで中へ通そうとしたシーン。
相手のハンドで防がれるが、ハンドを取ってもらえず。右腕は体から完全に離れているし、詰めてくる時からすでに両手を広げている。もし手に当たっていなかったら、鳥海とリラがパスコースの先に居るので、頭か胸でゴールしている。
主審と副審の角度からは見えなかったのかもしれないが、いずれにせよ幻の1点を挙げた活躍と言ってよい。
53分に、2枚に挟まれたリラが倒れたが、「リラ立て!」と声をかける姿に気迫を感じた。
小林岩魚 6.5
質の高いクロスを供給し続け、三平の頭に合わせて1アシスト。
しかし立ち位置についてはまだ整理を要する印象。
長谷川と被ってしまったり、距離感が掴めていないシーンがいくつかあり、長谷川が出したいときに高い位置におらず、長谷川がスペースを使いたいときにフォローに回れていないように見えた。
ここのコンビネーションが整理されたら、今後の甲府の大きな武器になる。
伸びしろが大きいだけにとても楽しみです。
山田陸 6
最終ラインに下りた石川から、3列目の山田に預けて甲府の攻撃が始まっていた。
この日の甲府のパスワークの心臓となっていた。
いくつかキーパスをペナルティエリア付近に差し込んでいた。
17分に、裏抜けを狙うリラの足元にピンポイントで通したが、若干巻いた軌道でライナーだったため、リラが足元に付かずにシュートまで行けなかった。
しかしゴロで通していれば、リラもトラップがズレずにターンしてシュートができていた。
小塚や武田ならゴロで通せる。山田もきっとできる。
33分に鳥海がゴール前に折り返したシーン。
合わせられるかどうかは別として、山田か長谷川がニアサイドに入り込んでくるべきだった。
野津田や川崎なら入ってくる。山田もきっと入ってこれる。
石川 6
須貝が上がって空いたスペースをケアしていた。
最終ラインに下りてビルドアップの起点となっていた。
また、頻繁にプレスのスイッチとなっていた。
味方と連動してプレスするのが絶妙に上手く、プレスがハマりそうな時には素早く予測し、先回りして刈り取っていた。
攻撃時には、トラップしたボールの置き所が素晴らしく、パスの受け方がすでに攻撃の始まりになっている。
しかし、58分に相手のプレスがハマってしまいピンチになりかけたシーンがあった。
直前に相手の立ち位置を見てから浦上に出しているが、浦上でハマってしまった。
石川の技術ならばノリックの方にドリブルしながら、サイドか山田に出しても良かったかもしれない。
関口 5.5
まず、この日程でウィングバックの選手が怪我無くスタメンで出続けてくれていることに感謝。
しかし、如何にタフな関口といえど、連戦の疲労が隠せない。
4分、浮き球でリラと鳥海を裏に走らせようとしたが、左サイドでフリーの長谷川に出したかった。
前節も背後を抜ける須貝に出さなかったり、判断がもったいないシーンが散見される。
もともと視野の広い選手だと思うので、やはりコンディションの問題だと思う。
また37分には、味方が奪ったボールを、サイドチェンジしようと逆サイドをうかがっている間に後ろから奪い返された。
自陣のそこそこ深いところだし、危機感を持ち続けなければいけなかった。周りのみんなも声をかけてあげて欲しい。
野澤陸 6
ハイボールを弾き返し続け、フィードも的確で、まだ毎試合危険な場面があるものの、少しずつ頼もしくなってきている。
61分、相手の斜めのパスの連続で、ライン間に居る選手に通されてしまった。ピンチになるかと思われたが、ノリックが詰めて潰してくれた。
今までの試合よりも反応が早かったし、強度も強かった。
しかし74分には不安を感じさせた。
ペナルティエリア内で1対1の対応が軽く、振り切られてしまったシーン。
ペナ内で強く寄せれず、またスピードで振り切られるのは仕方ないが、最後のところでスライディングくらいしないとクロスが通ってしまう。
石川のクリアがたまたま浦上に当たり事なきを得たが、本来であれば失点していたシーン。
早急に改善してほしいと思います。
頑張れノリック!
浦上 5
基本的にロングボールはほとんど弾き返して、守備でもストロングだった。
サイドや前方へフィードを通し、特にサイドへのフィードは攻撃の起点になっていた。
また、23分には野澤からの横パスを、ワンタッチで方向を変えてプレスを躱しつつ持ち上がるプレーを見せた。
今の甲府の守備陣に必要なプレーであり、上位陣のセンターバックと比べて足りなかったところ。
このプレーをするように吉田監督も指示しており、試合中に選手が修正できた。
しかし、31分。
河田へバックパスして、河田がプレスにハマるシーンがあった。
今年の甲府に散見される1失点物の危険なシーンであり、
今回は少しサイドに持ち出して前に蹴るなどしたかった。
そして58分。
プレスがハマってしまい、またも前方に中途半端なパスを出してしまう。
荒木のプレスバックで助かったが、31分と同じ状況だった。
角度を変えて、持ち出して、蹴る、を徹底しないと今後もこういった場面が生じる可能性が高い。
須貝 6
序盤はパスがいくつかズレてしまい、チャンスを潰してしまった。
この試合では深い位置までオーバーラップするのは限られたが、右サイドの中盤を走り回り、パスの中継を担い、ネガティブトランジションではファーストプレスの出足が早かった。
54分には、山田陸のゴール前へのパスが弾かれてカウンターを受けそうな場面になったが、須貝が相手の前進をすぐに塞いだ。
それを見て石川もすぐに寄せに行き、出しどころがなくなった相手は苦し紛れに前に蹴って山田が回収した。
連動した素晴らしい守備だった。
64分には、2枚はがしながら持ち上がって、三平とワンツーでさらに2枚外して岩魚へ展開した。
局面を一気にスピーディな攻撃に変えた素晴らしいプレー。
76分には、石川がチェイスに行った裏のスペースに出されたが、須貝が素早く潰してマイボールにした。
一方で、57分には危険なシーンを作られた。
相手の裏抜けに対して、後ろから見ている須貝の反応が遅れてクロス上げられてしまった。
中にフリーが2枚いたので、クロスが合えば失点していたかもしれない。
河田 5
13分にボランチへのパスを試みたが、潰されてしまいゴール正面でショートカウンターを浴びるという最悪の状況を作ってしまう。
この試合では、運よく失点しないで済んだが、このように河田と浦上がハマってしまうシーンがいくつもあった。
荒木 6.5
関口と変わって後半開始から出場。
そつなく試合に入ってくれた。
58分に、自陣深いところでのショートカウンターを受けそうな場面で、プレスバックしてチームを救った。
55分のシュートは、角度はないけどフリーで時間もあったので、巻き球で枠をとらえたかった。
三平 7.5
“文句なし”の決勝点をもう一度決めてくれた。
最高です。
ありがとうございます。
味方と連動した守備や、プレスバックでボールを何度も奪取してくれたのも非常に素晴らしかった。
宮崎 7
一つもったいないパスミスがあったが、途中出場ながら非常に効いていた選手。
左サイドをドリブルで撹乱し、カットインからのシュートや、それを餌にしたヒールパスで決勝点につながる小林のクロスを演出。
試合をクローズする際も、単独で持ち上がってコーナーを獲得したり、コーナーフラッグ付近でキープして時間を流し、相手のコーナーキックになりそうなルーズボールをこちらのゴールキックに変えた。
20分のプレー時間で強烈な印象を残した。
パライバ 出場時間短く採点なし
プレスバックで一つナイスカットを見せた。
総評
押し込んでる時間が長くなりましたが、失点の気配が付きまとうようなハラハラしたゲームになりました。
やはり深いところからのビルドアップでプレスがハマる場面が散見されるのが、非常に怖いです。
まだビルドアップに関しては探りながらの段階なのかもしれませんが、もうシーズン三分の一を消化しましたので、そろそろ失点数も気にし出したい頃かと思います。
ゴールキック時にリラをどちらかのシャドーの手前に流して、そこに蹴ってしまうとか、何か良い落としどころを見つけられると良いのですが。
今回、特に気になったのは13分のビルドアップがハマってしまったシーンです。
13分という立ち上がりの時間だけに、先制点に繋がり兼ねない危険な場面だったので、非常に気がかりです。
この13分のシーンは、一番最初に、相手のビルドアップ時に誰かから「芳樹いっていい」の声がかかり、鳥海がプレスを開始しました。
鳥海は、残念ながら寄せにいきましたが裏に出されてしまいます。
そのボールを須貝が寄せきれない間に、受けた相手選手にターンされ、カバーに行った関口も間に合わずに裏のスペースにパスを出されます。
幸いミスパスになりましたが、回収した浦上のキーパーへのバックパスを相手フォワードが狙っていました。
しかし他のパスコースが切られてしまったので、仕方なく浦上は河田へ戻します。
河田、野澤、浦上とつないでいきますが、野澤からのパスを浦上が足元に止めてしまったので、相手フォワードがサイドと連動してプレス開始。
蹴れなくなった浦上は再び河田へ。
河田に2枚プレスが迫る状況で、ボランチへのパスコースが読まれ、そこに出した途端に食いつかれ潰されてピンチになったという流れです。
どのようにすれば防げたかを考えてみると、鳥海に声をかけてプレスを開始させた時点で、二人目のプレスである須貝が簡単に前を向かせてはいけなかったように思います。
また、野澤からのパスを浦上が受けた際に、足元に止めるのではなくて、1タッチ目で右前に軽く持ち出すだけで、山田、石川へのパスコースが確保できたのではないでしょうか。
正にこの試合中に吉田監督が声を出して指示していた点です。
または、もっと欲をかくと、10メートル持ち出して逆サイドの長谷川や、鳥海に裏を狙わせるロングボールを蹴れるようになるとさらに面白いんじゃないかと。
浦上もノリックもきっとできるプレーだと思います。
こういうプレーが得意な新井という良いお手本がいるので、じゃんじゃん盗み出して欲しいですね。
二人のさらなる成長を楽しみにしています!
さてさて、なんか批判が多い文章になってしまってすみません。
せっかく勝ち始めたので、もっとワッショイワッショイ浮かれたいのですが、勝ち始めたが故に、このムードを失う怖さが先に出てきてしまいます。
いかんですねー、サポーターがこんな心理じゃあ (;^_^A
アッと気が付けば栃木戦はもう明日の16時にやってきます。
メンタルが守りに入っていては勝てるものも勝てませんよね。
というか、栃木さんは昨年よりもさらにインテンシティ高くプレスが襲ってくるように見えます。
フィジカルの強い選手やキック精度の高い選手が揃っている強敵です。
5連戦の最後とあって、選手の疲労も相当なものだと思います。
まずは誰も怪我無く90分が終わってほしいです。
そして!
苦戦が予想されますが、何とか勝ってほしい!
是非とも再び連勝をはじめよう!
頑張れ!
甲府!
連勝するぞ~~~!!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
もし宜しければ、スキをいただけると大変うれしいです。
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