天皇杯3回戦 北海道コンサドーレ札幌戦 プレビュー
2回戦で環太平洋大学を下し、3回戦に駒を進めた甲府。
3回戦の相手はJ1クラブである北海道コンサドーレ札幌。
29年ぶりにJ1勢が全て勝ち上がり、都道府県代表が全滅した今大会。
2回戦はいわゆる「ジャイアントキリング」が一つも無かった。
すなわち札幌に勝つことが出来れば注目度は一気に増すはず。
現状は違った意味で注目されてしまっているが、サポーターとしてできることはチームをサポートすることだけ。
札幌を叩き、今度は競技面で日本中に驚きを与えたい。
*気合を入れて書きすぎてしまいました。
お時間がある時に読んでいただくことをオススメします。
また、最後までお読みいただけると嬉しいです。
1.対戦成績
2018年以来、4年ぶり32度目の対戦となる。
過去の対戦結果を見ていただきたい。
個人的には驚いたのだが、札幌相手に勝ち越していること。
過去31試合戦い、12勝10分9敗となっており特にホームでは8勝4分5敗と相性が良い相手と言える。
また、顕著なのが佐久間悟社長が甲府に来た2008年以降の成績。
7勝3分と圧倒していることがわかる。
天皇杯での対戦を振り返ってみると1勝1敗の五分となっている。
ゲートボールの大会が重なり、小瀬が使用できず熊本開催となったのが約10年前というのも驚きである。
今回は無事に小瀬で開催ができることは喜ばしいことだ。
前回対戦した2018年には甲府がJ2に降格しながらもルヴァンカップに出場し、2試合共3−0と快勝を収めた。
1度目の対戦では吉田達磨監督vsミハイロ・ペトロヴィッチ監督と今の監督同士での対戦でもあった。
その時メンバー入りしていた選手は甲府側では山本英臣選手、荒木翔選手、岡西宏祐選手のみ。
一方の札幌は菅野孝憲選手、荒野拓馬選手、中村桐耶選手、菅大輝選手、藤村怜選手、小野伸二選手とお互いに大きくメンバーは変わっている。
2.今季成績
続いて今季の札幌の成績を見てみたい。
J1に所属している札幌は第17節終了時点で11位に付けている。
ルヴァンカップでは京都サンガF.C.、柏レイソル、サガン鳥栖と同じグループCに所属し、グループステージを2勝2分2敗で2位通過。
プレーオフに進出するもサンフレッチェ広島に2戦合計1対4で敗退となった。
続いてリーグ戦でのデータを見ていきたい。
シュート数、パス数、ドリブル数、30mライン侵入回数、ペナルティエリア内侵入回数、ボール保持率と攻撃的なスタッツはJ1でもトップクラスとなっていることがわかる。
また、チャンス構築率もリーグ5位とチャンスも作れている。
ペトロヴィッチ監督の目指すサッカーはデータ上体現できているのではないか。
だが、これだけ攻撃的なスタッツがリーグトップクラスでもシュート成功率は14位であり、得点数も1試合平均1点とリーグでも下位に沈んでいる。
続けて得点者を見てみたい。
この表にはルヴァン杯の成績は載っているが、天皇杯の成績は載っていない。
2回戦の桐蔭横浜大学戦では金子拓郎選手が2点、岡村大八選手が1点、青木亮太選手が1点取っているが現状得点源と呼べる選手は中島大嘉選手しかいないと言える。
だが、多くの選手が得点を決めていることもわかる。
複数得点者は8人おり、どこからでも得点を取れるというのは札幌の強みと言えそうだ。
得点パターンを見てみるとセットプレーからが最多となっている。
これは福森晃斗選手というJリーグ屈指のキッカーを擁している影響が大きい。
対して甲府の失点パターンを見てみたい。
甲府はセットプレーとクロスからの失点が多くなっている。
後述するが、サイド攻撃に強みを持つ札幌相手には不安なデータとなっている。
一方で守備的なスタッツを見てみるとインターセプト数が2位とアグレッシブな守備が特徴とデータ上伺える。
だが、失点数はリーグワーストの31失点。
1試合平均で1.8失点も喫している。
現在9試合連続失点中、27失点と1試合辺り3失点と守備が崩壊している。
GKの怪我も重なったりと不運もあったものの守備の改善は必須となりそうだ。
失点パターンを見てみたい。
セットプレー、クロスからの失点が多くなっている。
これは高さやヘディングの強い選手がDFラインにあまり多くないことも要因と言える。
甲府としてもクロスとセットプレーからの得点が多くなっている。
また、甲府はCKの獲得数、クロス数はJ2リーグでも上位となっているため札幌の失点パターンに対して甲府のストロングポイントが噛み合っている。
データ上はペトロヴィッチ監督の目指す形は出せているもののそれが結果に結びついているとは言い難い札幌。
続けて時間帯別の得失点を見てみたい。
札幌は後半になり、得点も失点も増えていることがわかる。
時間帯別に細かく見ると以下のようになる。
最も得点が動いているのが61分〜75分に時間帯。
このことから先発して60分程すると運動量が落ち始めると言えるのではないか。
対して甲府も見てみたい。
前半に失点が多く、後半に巻き返す傾向にある。
そのため、前半に失点しないことが重要となりそうだ。
時間帯別に細かく見ると以下のようになる。
前半16分からハーフタイムまでの時間帯が最も得点が動いている。
また、後半に万遍なく得点を取っていることもわかる。
両チームの得失点を合わせたものが以下となる。
甲府の得点に対して括弧内は札幌の失点、甲府の失点に対して括弧内は札幌の得点となる。
甲府が最も失点している時間帯では札幌も得点を挙げることができないでいる。
対して札幌が失点を重ねている時間帯に甲府は多くの得点を決めている。
カテゴリーが違うため、一概に比較は難しいが噛み合わせは良さそうな印象を受ける。
3.勝ち上がり
札幌は甲府同様、2回戦から登場した。
対戦相手は神奈川県代表の桐蔭横浜大学。
来シーズン甲府に加入が内定している水野颯太選手を始め、Jリーグ加入内定選手を3人擁し、関東大学サッカーリーグ1部に在籍する大学サッカー界の強豪。
対して札幌は普段リーグ戦の出場が少ない選手が多くスタメンに名を連ねた。
札幌のスタメンは以下の通り。
札幌は直近のリーグ戦から10人を変更。
中村選手以外を入れ換えて望んだ。
前半2点のビハインドを背負うと後半開始から投入した金子選手、青木選手のゴールで追いつく。
だが、89分に再び失点するがアディショナルタイムに同じく後半開始から投入された岡村選手のゴールで延長戦へと突入する。
延長後半6分に金子選手がこの日2ゴール目を挙げ、札幌が3回戦進出を決めた。
このようにスコアだけを見てみると普段リーグ戦に起用されている選手の活躍で勝ち上がりを決めたようだ。
4.予想スタメン
甲府
直近のリーグ戦モンテディオ山形戦からは10人、2回戦環太平洋大学戦からは2人の変更を予想した。
山形戦からは林田滉也選手が連戦となるのではないか。
環太平洋大学戦からの変更点としては3バックの中央に山本選手、1トップに三平和司選手。
ベテラン選手にチャンスが与えられる可能性はあるはずだ。
2回戦で2ゴールを決めた内藤大和選手はU18日本代表の合宿に呼ばれているため、欠場の可能性が高い。
札幌
直近のリーグ戦川崎フロンターレ戦からは11人全員、2回戦桐蔭横浜大学戦からは3人の変更と予想した。
桐蔭横浜大学戦からの変更はGKの大谷幸輝選手、西大伍選手、深井一希選手ではないか。
大谷選手は怪我により離脱していたが、川崎戦で復帰しベンチ入りしたことから今回はスタメンで起用されるのではないか。
西選手、深井選手も川崎戦でベンチスタートだったため、スタメンが濃厚だろう。
2回戦でスタメン起用されていた西野奨太選手も内藤選手同様に代表合宿に参加中のため欠場となるはずだ。
また、U21日本代表に招集され、ウズベキスタンで開催されていたAFC U23アジアカップに出場していた中島選手も帰国直後でありメンバー入りはしないのではないか。
5.注目選手
甲府
宮崎純真
対札幌において最も相性が良い選手ではないかと考えている。
比較的スペースを与えてくれ、マンツーマン気味に捕まえに来るため宮崎選手の武器は発揮しやすい相手である。
今シーズンは良いプレーは見せているものの得点に絡む機会はあまり多くない。
チーム同様、仕留めるところに課題を抱えている。
スピードを活かした背後への飛び出し、切れ味鋭いドリブル突破、強烈なミドルシュート。
持ち味を全面に出し、仕留めきることに期待したい。
札幌
小野伸二
18歳で日本代表入りを果たし、日本代表最年少でのW杯出場記録を持つ小野選手も今年で43歳となる。
ここまでリーグ戦の出場はわずか2分に留まっているが、年齢を重ねてもその足元のテクニックは衰え知らずである。
小野選手の美しく華麗なボールタッチを見るだけでもお金を払う価値は大いにある。
日本サッカー界のレジェンドがプレーする姿が見られるだけでも幸せなことだ。
怪我に泣かされてきたキャリアだが、この年齢まで続けていることは素晴らしいことであり、1日でも長く、1プレーでも多くキャリアを続けて欲しい。
6.展望
ペトロヴィッチ監督5シーズン目となる今季。
ミシャの色が色濃く出るチームに仕上がっている。
データでも見ていただいたように札幌はボール保持に長け、攻撃的なチームとなっている。
ビルドアップの形はサンフレッチェ広島時代から特徴的ないわゆるミシャ式と呼ばれる形を今でも採用している。
ミシャ式の特徴はボランチの選手がDFラインに降りてビルドアップに加わること。
パターンは主に2パターンある。
1つ目がオーソドックスなボランチが1人降りて4バックのような形に可変するパターン。
この形で多く見られるのが左のボランチが左のCBの位置に降りること。
今回は深井選手がその役を担うのではないだろうか。
ボランチがDFラインに下がるのに合わせて3バックの脇の選手がSBのような振る舞いを見せる。
それに合わせ、WBが高い位置で張ることでピッチの横幅を目一杯使っていくことを狙う。
中盤ではDFラインに降りなかったもう一人のボランチがアンカーの形となり、DFラインと前線の繋ぎ役となる。
甲府の1トップに対して2CBの形で札幌は数的優位でボールを保持を狙っていく。
ボランチが出ていけばその背後が空くため、ワントップで2CBを見る形よりはCBに対してシャドーが出ていきワントップがアンカーを消す形が良いのではないか。
両サイドが空いてくることとなるが、シャドーのプレスバックやボランチが出ていき空けたスペースにシャドーが戻ることで対応したいところ。
WBが出ていきサイドの奥を空けてしまうことは避けたい。
GKも積極的にビルドアップに参加してくるため、前線から無理にボールを奪いに行くことは避けた方が良さそうだ。
出て行くことでスペースができる展開は札幌が望む形だろう。
この形ではアンカーの選手はつなぎ役を担うためにボールサイドに寄ることが多く、結果的にピッチ中央にスペースができる場面が見られる。
そのため、甲府としては札幌のビルドアップを引っ掛けショートカウンターの形を多く作りたい。
このようにビルドアップの際にリスク管理を怠ってしまうこともあるため、狙い目となる。
もう一つのパターンはアンカーもDFラインに降りるパターン。
即ち、ボランチが二人共DFラインに降りて顔ぶれを変えて3バックの形を形成する。
このケースではボランチがいたエリアが空くこととなるが、シャドーの選手が降りてきてボールを引き出すことを狙う。
右サイドでは3バックの脇の選手が高い位置へと出ていき、WBの選手が中央に入っていくことでポジションの被りを防ぐ。
シャドー、WB、3バックの脇の選手でポジションをローテーションさせ、目先を変えてくるが対面の選手のキャラクターが変わるため警戒したい。
西選手もペナルティエリア内まで攻め上がることもあり、攻撃センスも持っている選手のため厚みのある攻めとなる。
一方の左サイドはあまりローテーションは行わない。
中村桐耶選手は高い位置まで出てこないが、左足のキックを活かし攻撃の起点となる。
3バック+中盤に下がった選手に対しては前線3人で上手く対応できるか。
昨シーズンはピッチから良くファジーなポジションを取れと指示が前線の選手に飛んでいたが、『fuzzy』曖昧な場所に立ち1人で2人を見られるポジションを取り札幌のボール保持を牽制したい。
ビルドアップの際、札幌が前進を狙うポイントは3トップへの縦パスかWBに付けて相手を引き出し、その背後へのロングボールが多い。
前線3人+WBが高い位置で張ることで相手DFを押し下げ、空いた中盤のスペースに引いて縦パスを狙う。
中央で前進できると少ないタッチでのコンビネーションからの崩しと相手を収縮させてサイドへの展開が多くなる。
ボランチが出た背後を突かれることやDFラインが押し上げられずライン間を突かれる場面が見られるため、警戒が必要だ。
山形戦では改善の兆しが見えたため、継続できるか。
また、WBが低い位置を取ることで相手を食いつかせて、その背後を空けるパターンもある。
広島や浦和レッズ時代にはサイドから中央に縦パスを入れ、フリックからのコンビネーションで中央を崩す形を良く見せていたが最近の札幌はあまりその形は多く見せない。
あくまで狙いはピッチを広く使うことであり、WBに食いつかせた背後や片方のサイドに相手を引き寄せてのサイドチェンジから一気にスピードアップする形が今の最大の狙いとなる。
データでも見たようにドリブルの回数は多くなっているが、札幌はサイドのアタッカーにスペースを与えることを狙うだけに甲府として最も警戒したいのがサイドチェンジから中山陸選手のサイドで仕掛けられるケース。
元々サイドの選手では無い中山選手が狙われる形は望ましい形では無く、カバーリング含めて中山選手が孤立する形は作らせないようにしたい。
このようにサイドの選手がスピードアップする場面は作らせてはいけない。
そのためにも自陣で安易なボールロストは避けたい。
田中宏武選手はスピードがある選手のため、スペースを与えてしまうとドリブル突破からチャンスを作られてしまう。
このような形からサイド深くを取ってくることもある。
そのため、ボールがどの位置にあってもサイドの選手は常に気が抜けないだろう。
サイドを突かれても突破さえ許さなければあまり恐くは無いのではないかと考えている。
ドウグラス オリヴェイラ選手とターゲットとなる選手はいるが、小柄な選手が多いため外からのクロスはある程度許容しても良いかと思う。
だが、突破を許し「ポケット」と呼ばれるエリアに侵入を許すと危険性は一気に増す。
高さは無いが、エリア内を崩す上手さを持っているチームなだけに突破されるなら外からクロスを上げさせた方が良い。
サイドを蓋することが出来れば脅威を減らすことができるだけにサイドの攻防は重要となるだろう。
特に甲府はクロスからの失点が多いことを考えると警戒心を高めたい。
データで見てもらったようにセットプレーが最大の得点源となっているが、リーグ戦では福森選手というJリーグ屈指のキッカーがいる影響が大きい。
小野選手、ガブリエル シャビエル選手がキッカーを務めることが予想されるが、福森選手と比較すると精度は劣る。
それでも質の高いボールが入ってくるため、相手よりも速い反応、きちんと身体を寄せて自由にシュートに持ち込ませないようにしたい。
途中から福森選手が出てくる可能性もあるため、安易なファールは避けたい。
守備においても札幌は特殊な形を見せている。
ベースとなるのはマンツーマンでのハイライン。
特に甲府相手ではミラーゲームとなることから分かりやすく対面の相手が決まる。
そのため、積極的にアプローチを掛けてくることが予想され、DFラインも高めに設定されてくるだろう。
後方でのビルドアップを甲府は積極的に行っていくが札幌の球際への圧力は高く、前線から嵌められると一気にシュートまで持っていかれる可能性は非常に高いだけにズレを作り、前進できるかがポイントとなる。
このように嵌められると危険となる。
環太平洋大学は後半ガス欠となったが札幌はより高い強度でより長い時間プレッシャーを掛けてくるはずだ。
とはいえデータで触れたように後半で失点が増える札幌と後半得点が増える甲府のため、強度の高い時間帯を凌げれば後半にチャンスが出来やすくなるだろう。
人への意識が非常に強いチームである反面、スペースへの意識は高くは無い。
そこでキーマンとなるのが岡西選手。
環太平洋大学戦でもビルドアップに積極的に参加していたが、ミスは多くあった。
岡西選手から札幌が人を捕まえに来た背後をどれだけ突けるかは重要となる。
このような形で札幌のプレスを回避したい。
この場面ではDFラインの前に落としたが、DFラインの背後には広大なスペースはあるため、狙い目となる。
三平選手、飯島陸選手、宮崎選手はいずれも背後への飛び出しを武器としている選手のためどれだけ彼らの特徴を活かせるか。
リーグ戦では河田晃兵選手が一発で背後を突くロングボールを入れ込む形も見せているが、岡西選手にも期待したい。
環太平洋大学戦では前線の動き出しに対してボールが出て来なかった場面は多くあっただけにシンプルに使ってあげても良いだろう。
岡西選手だけでなく、山本選手の配球にも期待が持てる。
正確なロングボールを蹴ることができる選手であるため、山本選手が顔を上げたら背後への動き出しを前線の選手は狙いたい。
もう一つ狙ってみたいのがレナト ヴィスキ選手からのロングボール。
ヴィスキ選手は器用なタイプではなく、ビルドアップも得意と言える選手ではない。
相手に強くプレッシャーを掛けられるとミスが多くなるのは環太平洋大学戦でも見られたが、ほとんどが苦し紛れに前線に蹴り出していた。
この際、ボールは相手最終ラインの背後まで届いていることが多く、キック力は持っている。
ヴィスキ選手が苦しい状況となった時に前線の選手が意識して背後を取れればチャンスとなる可能性はある。
苦手とするプレーを味方が助けてあげたい。
マンツーマンで人への意識が強く、後方への意識よりも前方への意識が高いためスルーパスも有効となる。
この場面ではマンツーマンでなければ裏に抜けた選手に対して札幌のDFは2人付いて行ったはずだが、人への意識が高いため自身の前を抜けられても自分のマークマンでなければ捨てることもある。
三平選手の動き出しに飯島選手や宮崎選手が遅れて動き出し、追い越す形は有効となる。
また、シンプルに前線の選手を使うことも必要だが、単純に全員で裏抜けだけを狙っても効果は薄いため、前線のコンビネーションも重要だ。
マンツーマンで人を捕まえに来るため、このようにワンタッチ、ツータッチでテンポ良く剥がしていき勢いを持ってスペースに侵入する形も有効だろう。
この際ポイントを作れるのはサイドか。
荒木選手、中山選手共にパスセンスに長けた選手であり、食いつかせた所で空いたスペースを的確に突きたい。
このような場面は荒木選手から作れるイメージが湧く。
中山選手からも出てくるとサイドからチャンスを作れる場面は多くなるだろう。
特に甲府はサイドからのクロスで得点を取りに行くことを狙うため、サイドを攻略したい。
札幌はクロスに対してもマンツーマンで付くもののマークを外す傾向も見られる。
この場面のように宮崎選手のカットインからのクロスに三平選手が合わせる形も作れそうだ。
シンプルなクロスに対してもボールウォッチャーになる場面も見られるだけにクロスに質を高めたい。
狙いを持ってクロスを上げられれば決定機を作れるように感じるが、どのように仕留めるかは欠けているだけにクロスの質に掛かっているだろう。
また、対面の相手を剥がすことが出来ればチャンスとなる可能性は高い。
特に宮崎選手のドリブル突破は重要となる。
崩しの局面で宮崎選手が対面の選手を抜ける回数が多くなればその分チャンスは増えるだろう。
ドリブル突破からチャンスを作られた場面はあまり多く無いが、この場面のように宮崎選手にスペースがある状況で一対一の状況を作りたい。
お互いサイドの攻防が鍵を握っている。
どちらがボールを多く持てるかによってサイドの選手の立ち位置は変わってくるため、ボールを保持し優位な展開に持ち込みたい。
また、プレーのテンポ感も主導権をどちらが握っているかわかりすいポイントとなる。
札幌はオープンな展開を作り、スピーディーな展開を好むのに対して甲府はコンパクトな陣形を保ちゆっくりとした展開を好む。
お互いにスペースがある状況でスピードアップできる展開は見る側としては楽しいかと思うが、札幌相手には危険だ。
セットプレーの際はCKでもマンツーマンがベースとなっている。
ニアサイドにゾーン役として2人の選手を配置し、他の選手がマンツーマンとして相手選手を見る形を取っている。
ゾーン役を越えるボールを入れ、マークを外すことが出来ればチャンスは作れるはずだ。
FKに対してはゾーンで守っている。
ゾーンのため、質の高いボールを入れられればチャンスは作れる。
高さのある選手は中村選手、井川空選手、ドウグラス オリヴェイラ選手しかいないため彼らがいないエリアでヴィスキ選手や大和優槻選手に勝負させたい。
札幌はわかりやすく特徴のあるチームである。
リーグ戦で起用されている選手達は連携面、試合勘は高く強力なチームであるが普段リーグ戦に出ていない選手が起用されるであろうことを考えるとチャンスはあるはずだ。
事実、2回戦の桐蔭横浜大学戦でもリーグ戦に出ている選手を起用し勝ちきっている。
リーグ戦組が出てくる前にリードを奪っておきたい。
山形に勝った勢いを繋げ、J1クラブ相手にジャイアントキリングを起こしたい!!
7.あとがき
直近のリーグ戦で8試合ぶりの勝利を収め、底は抜けたとは思うがまだまだ目指している場所までは遠い。
しかも驚くようなニュースも入ってきてしまった。
変な意味合いで注目されてしまっているが、札幌に勝つことが出来れば競技面でも注目して貰えるかと思う。
2回戦で結果を残した選手がその後のリーグ戦でほとんどチャンスを得られなかったが、今回の相手は大学生ではなくプロ。
それもカテゴリーが上のチームとアピールするには最高の相手である。
この試合に出る選手が今後の甲府に必要な選手であることは間違いない。
それを証明する活躍を出場する全選手に期待したい。
誰が起爆剤となってくれるのか楽しみだ。
札幌はリーグ戦3連敗中、15失点と大敗が続いており、チーム状況は良いとは言えない。
データで見ても分析して見ても充分に付け入る隙はあるように感じた。
だが、リーグ戦を見る中で結果程内容は悪くなく大敗している試合は多いが決して弱いチームでは無いと感じた。
柏戦では前半10分に退場者を出し、6失点。
川崎戦も85分以降にリスクを掛けたこともあり、終盤に失点を重ねたようにスコアだけでは測れない部分もある。
札幌としても苦しい状況を打破する救世主が現れるのか注目となる。
今回の札幌戦は熊本開催ではなく、小瀬で開催することができる。
会場を確保してくれた山梨県サッカー協会には感謝しかない。
そして4回戦も小瀬を確保してくれている。
その期待に応えるためにも絶対に勝たなくてはいけない。
J1クラブ相手に胸を借りる気持ちで挑戦したい。
そして、ジャイアンツキリング起こしてやろうじゃないか!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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