No.13 "Mañana, Soneto XXVII" 朝 ソネット XXVII : パブロ・ネルーダ

朝, ソネット XXVII

パブロ・ネルーダ

あなたのはだかは あなたの手のように素朴だ
なめらかで 地球的で 無駄がなく 丸みを帯び 透明
月の曲線と林檎の小道
はだかのあなたは手つかずの小麦のようにほっそりしている

あなたのはだかは キューバの夜のように青い
蔓草(つるくさ)を這わせ 髪には星が輝いている
あなたのはだかは途方もなく そして 大地の色をしている
金でできた教会の夏のように

あなたのはだかは あなたの爪のひとつのように小さい
湾曲し 繊細で 薔薇色  新しい一日が始り
あなたが地下の世界にもぐってしまうまでは

まるで労働者の制服の長いトンネルの中にいて
服を着ると あなたの明かりは消えてしまう そして 服を脱ぎ捨てると
あなたはまた はだかの手に戻る

Soneto XXVII
Escrita por Pablo Neruda
Traducida en japonpés por Keiko
©Todos los derechos de la traducción reservados

【翻訳メモ】

パブロ・ネルーダのこの詩や“Oda a la bella desnuda/美しいはだかへのオード”(この“朝 ソネット XXVII”の描写をもう少し詳しくした発展ver.よいう感じ)などでの異性のはだかの描写と率直な賛美は、当時「エロテッィクすぎる」と物議を醸しました。
原文を読むと、うーん、そんなにエロティック?端的な言葉で表現されているので、ものすごくエロティックと思って読めばそうですし、いやいや、それほどでも...と思って読めばそれほどでもない。
私には、読む個々人の捉え方次第と思えます。
エロティックに読みたい人、読んでしまう人はとにかくエロく読む。
ネルーダの詩の真意は、彼個人にしかわかりません。それを目の前に放り出された読者はその人個人の経験や想いを通して解釈し、そのプロセスを経てはじめて、その詩をその人のものとします。
読者は自分の心が喚起したイメージを読んでいるのに、あたかもその喚起の元となった詩の作者に対し「自分にこんなエロいもの読ませるな」と怒るのはなぜでしょう。

最近のポリティカル・コレクトネスの流れで、原作まで改変してしまう例のことを聞きますが...
例えば私が「パブロ・ネルーダの“朝 ソネット XXVII”は女のはだかについてしか言及していないが、男のはだかも同様に扱うべきだ」なんて言ったとしたら。極端な話ですが、最近のポリコレはこういったところまで来てしまっていると感じます。

詩は特に解釈される余地が多く、それが詩の愉しみの一つです。詩でなくとも、文章、絵本、脚本、小説...

私は、私にとって異性の男のはだかも美しいと感じます。ネルーダの描く女のはだかが月と林檎の小道なら、男のはだかはどう美しいんだろう。
太陽の熱と大理石の硬さとなめらかさ。
豹やライオン、野生の馬のように時にしなやか。
それは地球的というより、孤立して時に大地での休息と安らぎを求めどうしようもなく引き寄せられてくる隕石の性急さ。そして喜びと共に大地を穿つ...別世界から来た不思議な生命体なのです。

詩の愉しみ、それは詩そのものの言葉を読むこと。行間を読むこと、そして解釈すること。感じること...それが嫌悪であれ好感であれ...そして連想すること、発展させること。
単純に現れて見える言葉の意味だけで、断定するのは野暮なことです。

そして、詩の愉しみは贈ること。あなたに読まれることで、初めて詩は光を放ちます。あなたの為に詩を読みましょう。あなたにこの詩を贈ります。

そして、私からこぼれた男のからだの美しさについての言葉の断片を、私の大切な男の人に贈ります。

原文はこちら************************************

Soneto XXVII

Desnuda eres tan simple como una de tus manos,
lisa, terrestre, mínima, redonda, transparente,
tienes líneas de luna, caminos de manzana,
desnuda eres delgada como el trigo desnudo.

Desnuda eres azul como la noche en Cuba,
tienes enredaderas y estrellas en el pelo,
desnuda eres enorme y amarilla
como el verano en una iglesia de oro.

Desnuda eres pequeña como una de tus uñas,
curva, sutil, rosada hasta que nace el día
y te metes en el subterráneo del mundo

como en un largo túnel de trajes y trabajos:
tu claridad se apaga, se viste, se deshoja
y otra vez vuelve a ser una mano desnuda.

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