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何に着目すれば良いのだろうかー英語授業改善の具体的な視点を探る

竹内理(2020). 「何に着目すれば良いのだろうかー英語授業改善の具体的な視点を探る」『英語授業学の最前線』, 73-91

 来年度から中学校においても新学習指導要領が実施されるが、新学習指導要領実施に向けて、どのように英語の授業改善を進めていくかという示唆を与えてくれる。小学校で英語に関心を持っている人たちの中には、来年度の中学1年生は文字の学習の時間が減っているとか、教科書によっては1つ目の単元に入る前のLesson0のような単元が登場し、小学校の復習からスタートすることになっている。教科書の作りも大きく変わっている。また、仮定法などの文法事項が中学校に降りてきており、中学校教師の不安は大きいものであると思われる。中には、高校からの学習内容が中学校に降りてきているというような声を上げる方もいるようである。

 竹内埋先生は「教えるべき文法形式が一つ増えたという考え方で捉えるべきではなく、願望の話を英語でする場面が設定され、そこでの目的達成のために導入された、という視点で取り扱われるべき必要があります。こうなると、場面での目的が達成できれば、形式上の完璧さ(正確さ)はそれほど求めない、ということになっていかざるを得ません。」と述べており、今後の英語教育の方向性について言及している。受験のための学習をしてきたような英語から、コミュニケーションに重きを置いて指導する流れが、中学校、高校へも浸透していく一歩になるのかもしれない。

 来年度からの新学習指導要領実施に当たって、みなさん苦労されていると思います。こういった変わり目は多忙になってしまい、なかなか授業に集中することができませんが、自分はこの変化の大きな時期に英語を教えているものとして、少しでもその変化に対応し、児童生徒のためになる授業改善に奮闘していきたいと決意を新たにしたところです。

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