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学習指導要領の目標から考えるTOEICの解き方

 この記事では、TOEICの問題を解きながら感じたこと、やり方を工夫したら飛躍的に正答数が上がった自分の経験などを基に考えを整理したいと思います。

 まず、TOEICの正式名称をご存じでしょうか。Test of English for International Communication の省略になります。英検はというと、実用英語技能検定試験ですね。TOEICにはコミュニケーションという言葉が入っていますが、最近まではTOIECのどこがコミュニケーションなのかと思っていました。英検と同じではないかなと。しかし、学習指導要領解説や、英検Jrなどの色々な試験を見ているうちに、少しずつ自分なりの考えができてきました。それからTOEICの成績が飛躍的に上がりました。

 ここで、少し私の受験歴を紹介します。大学の頃に受けたのが初めてで、785点を取れまた。初めてだったので今でもこの数字を覚えています。その後何度か挑戦するも、結局800点には到達することなく、760~785を繰り返しました。スコアにばらつきがないところも驚きです。数年前に英検の準一級を試しに受けたら合格し、翌週に受けたTOEICは775点だったと思います。やっぱ伸びない。大学卒業後も、波はあるものの単語の勉強などは続けていました。しかし、結果は出ませんでした。

 話を戻します。TOEICの成績が出ず、英検に結果が出たのには理由があります。英検は文法、読解、リスニング、ライティングという構成ですが、基本的に知識・技能を問う問題です。だから、単語数が伸びていたため、何とか合格できたわけですが、TOEICはそうもいきません。TOEICには実はコミュニケーションの要素が随所にちりばめられており、思考・判断・表現も評価されていると考えられます。

 例えば、リーディングのPAET7を例にしましょう。英検と同じ要領で解いていくとすれば、問題を確認し、その答えが出るまで最初から読んでいくことになります。見つかれば同様の手順で次の問題へと進みます。しかし、このやり方でやると間違いなく時間が足りません。なぜ時間が足りないのか。コミュニケーションの場面において、そんな手間のかかる処理をするはずがないからです。もっと効率よく必要な情報を得るはずです。なぜか英語のテストになると初めから順に読んでしまいますが、広告でも何でも自分の必要なところを中心に読みませんか。これがTOEICに欠かせない力です。

 学習指導要領にも触れます。高校の外国語科の解説の中から、読むことを取り上げます。

ア 日常的な話題について,使用される語句や文,情報量などにおいて,多くの支援を活用すれば,必要な情報を読み取り,書き手の意図を把握することができるようにする。

イ 社会的な話題について,使用される語句や文,情報量などにおいて,多くの支援を活用すれば,必要な情報を読み取り,概要や要点を目的に応じて捉えることができるようにする。

このように目標が示されています。初めから読んであらすじを理解するとか、要旨をとらえるなどの活動はしっかりと含まれています。同様に、「必要うな情報を読み取り・・・目的に応じて捉える」と書かれています。目的に応じてとはどういうことか。解説には「社会的な話題について」と書かれていますが、実際のコミュニケーションでは「目的に応じて」情報をとらえています。それは社会的な話題に限ったことではなく、友達同士のおしゃべりでもなんでもそうです。TOEICではまさにこの「目的に応じて捉える」問題と、「必要な情報を読み取り、書き手の意図を把握する」というような最初から最後まで順に読むと考えやすい問題が混在しているわけです。日本語ではもちろんできることですが、英語でやるとなると骨が折れます。

 先ほどのPART7に話を戻すと、問題を読むと「Mr.〇〇についてどんなことが述べられていますか」と聞かれたら、ざっと見渡してMR.○○を探し、その辺を読むことになります。表などを使うような問題では、「○○さんは何を注文したと推測されますか」などは、表と予算を話したところを見つければ答えられます。つまり、読まなくていいところを読まないで答える思考力・判断力が求められているということです。それをせずに初めから全部読むと終わるわけがありません。時間が足りないという人は、まずは全文読むような英検タイプの問題形式か、必要な部分を探して答える形式か。この辺を見極めてから問題を解くといいと思います。今までは185問目あたりでタイムオーバーでしたが、時間内にすべて終えることができるようになった上に、正答数も上がるようになりました。そのため、問題を制作する側の意図として、おそらくすべて読むことを想定していないという結論がそこまで外れていないのではと思っています。

 児童に思考力を高める活動をさせますが、まずは自分の経験から思考力の大切さを考えてみることも楽しいのではないでしょうか。

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