レイ

獣医師を始めて11年目に入りました。 飼い主目線で、獣医師について、病気・治療につい…

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獣医師を始めて11年目に入りました。 飼い主目線で、獣医師について、病気・治療について知っておいていただけたらと思うことを、文字ににしていきたいと思っています。 何かに迷った際、覗いていただけたら。

最近の記事

尿石症

今回は尿石症です。 尿石症は尿路結石症の略称です。 一言に尿石症と言っても、腎結石・尿管結石・膀胱結石・尿道結石と種類があります。 オーナー(飼い主)と話していると、これらが混同してしまっている方が多いです。 尿石症は総称で、 "どこにできた結石か" で名前が違います。 一般的に"尿路"と言われるのは、腎臓→尿管→膀胱→尿道の4つの臓器のことを指します。 腎臓から尿道までの臓器図を下に載せておきます。 これでどこに結石があるか病名ではっきりわかりますね! さらに尿路

    • 慢性腎不全②

      ・治療 動物の慢性腎不全の治療法には、大きな柱は3つあります。 ①食事 ②サプリメント ③点滴 個人的な所感ですが、治療効果が占める割合は ①15% ②15% ③70% といったようなイメージで、特に点滴は効果がはっきり目に見えてわかるためお勧めしやすい治療法です。 1つの方法だけではなく、組み合わせてできればそれだけ効果がわかりやすく出ます。 ①食事 原理としては単純で、食事でとったタンパク質を分解すると尿素窒素などのゴミが出てしまうため、《タンパク質量を制限

      • 慢性腎不全①

        10歳を超えた猫の50%が患うと言われている腎不全。耳にしたことがある方も多いと思います。 今回はこの病気について、できるだけわかりやすくお話しします。 ただ大きなテーマなのでいくつかに分けて投稿させていただきます。 腎不全には2種類あります。 【急性腎不全】と【慢性腎不全】 今回は【慢性腎不全】についてです。 ・慢性腎不全とは 簡単にいえば"腎臓の働きが徐々に悪くなっていく" これは想像つきやすいですね。 腎臓は小さな腎小体というものの集まりです。 腎小体では、尿を

        • 獣医師にも型がある

          獣医師の仕事をしてきて、 多くの動物たちに出会いました。 多くの患者さんに出会いました。 多くの獣医さんに出会いました。 それぞれに多様な性格があります。 患者さんと動物は一緒に来院されます。 ですから、 【患者さんの性格×動物の性格】 の数だけ、組み合わせがあります。 同じように、獣医さんにも性格があります。 それに伴い診療の方法にも型や癖があります。 例えば、 ・最善の選択を患者さんに勧める(推薦) ・選択肢を提示して選んでもらう(選択) ・患者さんの話を最後

          臨床獣医師の仕事

          仕事内容 一般的に、患者さんが来院されてから帰るまでの大体の流れはこのようになっています。 ①来院 ②診察券や保険証を預かる ③簡単な稟告をとる ④カルテの準備 ⑤診察する ⑥検査をする ⑦検査結果説明(治療方針決定) ⑧治療する(注射、手術など) ⑨投薬の処方をする ⑩薬を準備する ❶薬の説明をする ❷会計する ❸お見送り 人間の場合 それぞれ仕事をしている役職が分かれています。 ①〜④ 受付の方 , 看護師 ⑤,⑦〜⑨

          臨床獣医師の仕事

          獣医師の一日

          一次診療施設(街中の動物病院)に勤めている私の一日を紹介します。 勤務時間は曜日によります。 月木 10:00〜19:00 火  09:00〜19:00 水  10:00〜17:00 土  09:00〜17:00 完全予約制で金日固定休みとなっています。 祝日も完全休診です。 ただし、この時間で帰れることはあまりありませんが、残っても0.5〜1時間程度です。 今勤めている病院は、割と業界の中で勤務時間自体は短いほうだと思います。 病院の考え方は全て院長に一任されている

          獣医師の一日

          獣医師の仕事

          獣医師になるためには、まず獣医学部のある大学に通う必要があります。 ここで6年間学んだ後、獣医師国家試験に合格することで晴れて獣医師となります。 獣医師ってどんな職種があると思いますか? 一般的にイメージされるのはきっと"動物のお医者さん"でしょう。 もちろん正解です! 実際のところ獣医師国家試験を通過した人数のうち"動物のお医者さん"になる獣医師は、45%程度です、 では、残りの獣医師はどこで仕事をしているのでしょうか。 実は獣医師と一言に言っても色んな場所に仕事

          獣医師の仕事