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民間看護師から自衛隊への転職とその後のキャリアの作り方(no.18)

プロフィール
大久保 美帆さん
現職:ブランディングトレーナー、病院・企業向け印象管理研修講師
自衛隊在職時最終役職:陸上自衛隊 2等陸尉

経歴


ーー本日はお忙しい中、退職予定自衛官、元自衛官のキャリアを考えるインタビューにご対応いただきありがとうございます。まず、大久保さんの経歴を教えていただけますか。

大久保さん:看護師として新卒で大学病院に4年勤務した後、防衛省に転職しました。約10年間自衛隊で看護官として自衛隊中央病院に配属、途中総理大臣官邸内の緊急医療支援チームでの勤務などを経て、結婚を機に自衛隊を退職。

転職・起業活動における印象作りの戦略や消費者向けサービスの事業内容のブランディングサポート、プロバレーボールチーム「ヴィクトリーナ姫路」の立ち上げやブランディング・選手スタッフのブランドマネジメント、法人営業に従事。

「ヴィクトリーナ姫路」の立ち上げでは、初代監督が竹下佳江さん、眞鍋政義さんがジェネラルマネージャーとして就任し、一緒に働いていました。私は、チームがプロ化を進めていく中で、チームブランディングのサポートをし、最短でトップリーグに昇格するところまでをご一緒しました。

現在は、主に一般企業、病院職員向けの接遇・印象管理研修のプログラム構築・講師を行なっていたり、また、転職・起業の準備段階で必要な、「自分の強みを言語化して相手に伝わる見せ方」のサポートを行なっています。

病院研修は、航空会社のCAさんが行っているケースもありますが、必ずしも現場に即していないこともあり、そうした現場目線や現場に合わせた研修を看護師経験と自衛隊勤務の経験をもとに研修をしています。

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民間看護師から自衛隊への転職

ーー自衛隊時代は、緊急医療チームでも活躍されたんですね。では、自衛隊に入隊された背景や在職時の職務内容を教えていただけますでしょうか。

大久保さん:看護師として新卒で大学病院に4年勤務していましたが、大学病院での勤務だけで無い経験も得たいと考えていました。

父の同級生が地方連絡部の仕事をしていた関係で、自衛隊別府病院の見学をする機会があり、自衛隊で看護の経験は通常なかなかできないことと、民間で経験のある看護師の公募枠があると知り、受験しました。

無事合格し、入隊後は自衛隊中央病院で看護官として内科系・外科系の病棟に勤務したのち、内閣府技官を兼任。総理大臣官邸内の緊急医療支援チームに配属され、官邸内での医務室業務、総理大臣の外遊や国内出張などの随行員として医療支援活動をしていました。

首相外遊同行や緊急医療チームでの経験


ーーインタビューの皆さまに聞いているんですが、自衛隊在職中の思い出・エピソードを教えていただけますか。

大久保さん:大学病院等民間組織ですでに社会人として生活していたため、自衛隊内での生活、自衛隊員としての振舞いや訓練など、すべてが自分の想像のはるか上で驚くことばかりでした。

それまでは大学病院で過ごす時間が大半だったので、大きな声を出すこともほとんどなかったのが、衛生学校での基本教練は、今まで出したこともないような大声で号令を出したり、他にも上官への報告の作法、時間の表現の仕方、一般社会では見聞きすることのない場面がたびたびあり、教育中面食らったことは今でも鮮明に覚えています。

衛生学校で教育を受けた後に正式入隊し、自衛隊中央病院に勤務しました。陸曹長として階級はスタートし、翌年に幹部に昇進。途中、総理大臣官邸内の緊急医療支援チームに配属された時には、かなり印象深い経験をさせてもらいました。

実は、首相が乗るための政府専用機は航空自衛隊が運用しており、そのため搭乗員はみんな自衛官なんです。客室乗務員も航空自衛官ですが、当時整備運行等の支援を担当していたJALへ研修に行き、民間のCAさんと同じような作法を習得して勤務しているんです。

スマートで細やかな気づかいが感じられる所作はとても居心地がよく、素晴らしかったです。

私は医療チームでしたが、首相外遊の同行時には政府専用機に、普段お茶の間で見ているニュース番組のアナウンサーの方がいらっしゃったり、テレビで見たことのある外国の首脳陣を、遠目ではありますが拝見する機会も多くありました。

そうした点で、各国の首脳陣の振る舞いやリーダーシップ等を間近に見たことも、その後のブランディングの仕事への興味関心に繋がっています。

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地道に活動をしていき、信頼関係を得ていったメイクセラピーの活動


ーー大変貴重な経験されていますね。それでは、転職に関してですが、なぜ自衛隊から民間企業へ転職されようと思ったのでしょうか。

大久保さん:結婚を機に退官しましたが、出産後にもう一度何か仕事をしたいと思うようになり、インターネットでさまざまな情報に触れるうちに『メイクセラピー』というワードに辿り着きました。

現在は、すでに検定にもなっている技術ですが、メンタルケアにも生かされているセラピーです。

専門家によると、心療内科でカウンセリングに何度も通いながらも、状況が変わらない女性に「なりたい自分」に見える外見=メイクアップをカウンセラーが施したところ、表情や言動、行動が変わり、カウンセリングでは起きなかった変化が驚くほど早く見られたそうです。

何人もの事例を通して、メイクアップによる外見の変化が及ぼす心理的影響により、行動変容を自ら起こすきっかけとなり、患者さんへの心身向上のケアとして大変有効な手段だと確信したそうです。

私自身も看護師時代に多くの女性のがん患者さんと接してきました。化学療法や放射線療法の副作用で頭髪や眉毛の脱毛が起きたり、外見が変わることでますます人前に出ることに抵抗を感じる患者さんは決して少なくなかったです。

もしもその時にこの技術を自分が持っていたら、もう少し違ったアプローチが出来たのではないかと思い、あとのことはよく考えずに勢いと情熱だけでスクールに通い始め、メイクセラピーに関わる仕事や啓発をしていました。

ーー患者さんの見た目ケアは大変重要ですね。一方で当時はまだ一般的で無かったのかと思いますが、どのように活動をされていたのでしょうか。

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