見出し画像

暑熱対策の事例 part1

夏になり、緊急で往診することが増えました。
そう、「熱中症」です、、、、、!

牛にとって、暑熱は大敵です。
というのも、牛はルーメンと呼ばれる、大きな発酵タンクをもっており、そのルーメンがめちゃめちゃ熱を作っているのです。他にも、様々な理由があるのですが、とにかく暑さには弱いのです。

暑熱により、熱中症とまでいかずとも、食欲の低下などにより生産性が落ちてしまいます。(諸説ありますが、ルーメンでの発酵熱を抑えるためとも言われています。)
これは、牛の健康だけでなく、農家さんの経営的にも響きます。

そこで、農家さんは様々な対策を取られているので、個人的に「へぇ」と思った、事例について、紹介します!

事例1「屋根上散水」

言葉の通り、屋根上に散水されていました。
牛舎内に細霧装置があるパターンは見たことがあったのですが、屋根上は初めて見ました。
こちらの、牛舎は屋根が少し低い構造になっています。
そのため、、、、

  • 牛舎内に熱がこもりやすい

  • 屋根からの熱が牛に伝わりやすい

という、現象が起きていました。例年、熱中症が多発しているとのことでした。

そこで、屋根上に散水を始めたらしいのですが、以下の良い効果があったとのことです。

  • 牛舎内が涼しくなった

  • 飲用水が冷たくなった

  • 結果、熱中症の発生が減った

飲用水が冷たくなったというのが、個人的には驚きました。
なぜ、飲用水が冷たくなったのかというと、飲水用の配管が屋根の下を通るようになっているらしく、屋根が冷やされることで、飲用水も冷たくなったというわけです。

はじめにも話しましたが、牛の熱源としてルーメンは大きく影響しています。そのため、冷たい水を飲んで、ルーメンから冷やすというのは、暑熱対策として非常に優れていると感じます。実際に、熱中症治療でも、氷水を経口投与しますし。

ただし、デメリットもあるとのことでした。
牛舎周囲が「びっちゃびちゃ」になるそうです。笑
これも、かなり重要なことだと思います。というのも、牛にとって湿度が高いというのは、人以上に悪影響だからです。そのため、ファンを有効活用し、絶えず風を送ったり、床替えを行ったあげると良いです。

続いて、気になるコストです。
ランニングコストは、井戸水を使っているため、1時間あたり60円もしないらしいです。以外に安い、、、、!
散水機の設置費用に関しては、聞けていません。こちらは安くはないと思います。

熱中症の発生数が減ったというのは、他の要因も影響しているとは思いますので、その点はご注意ください。

次回は、異なる暑熱対策事例について紹介しますね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?